第一子妊娠中のフジテレビアナウンサー・永島優美さん。仕事を一緒に頑張ってくれたおなかの赤ちゃんに「今日もありがとう」と話しかけています
今年7月、第一子の妊娠を発表した、フジテレビアナウンサーの永島優美さん。この3月には9年間続けた朝番組のMCを卒業し、現在は体調と相談しながら、レギュラー番組や特番などの収録をこなすなど忙しい毎日を送っています。お仕事をしながら、つわりの時期をどう乗り切ったのか、また現在のマタニティライフについて聞きました。
つわりでベッドに寝込むことも、辛い日々を乗り越え命の重みを実感
――第一子をご妊娠されたということで、今のお気持ちをお聞かせください。
永島さん:結婚したら、いつか子どもは授かりたいと思っていました。新しい命を授かってから、本当に奇跡の連続ですね。少しずつ胎動も感じられるようになって、日々実感してきているのですが、本当にここに赤ちゃんがいるのかなと、信じられない気持ちもまだあります。元気に生まれてきてくれるまでは不安もありますし、ドキドキの方が勝っているかもしれません。
それでも、夫や両親、まわりの方々に支えられて、毎日心穏やかに過ごせています。妊婦さんでいられる今を楽しみたいですね。
――現在の体調はいかがですか?
永島さん:今はだいぶ落ち着いてきましたが、2〜3カ月の頃はつわりが辛かった時期もありました。「つわりはしんどいよ」と聞いてはいたのですが、実際に自分がなってみると、こんなに動けないものなんだと驚きました。
実は今年に入ってからワンちゃんと一緒に暮らしはじめたのですが、つわりがひどい時期は、仕事以外はずっとベッドで寝たきりの状態だったので、なかなかワンちゃんとも遊んであげられなくて……。家のことは夫にお願いしながら、なんとか乗り切った感じです。
今は体調もいいですし、食欲もすっかり元通りに。逆に、これからは体重管理が大変になりそうです。朝の番組を卒業して、生活のサイクルもがらりと変わったので、今は睡眠もたっぷり取れています。
――つわりは妊婦さんにとって辛い期間ですが、どう乗り越えましたか?
永島さん:つわりがあったときはあまり食べられなかったのですが、フルーツだけは食べられました。ちょうど、いちごや柑橘類がおいしい時期だったので、よく食べていましたね。あとは、プラムを袋に入れて持ち歩きました。空腹になると気持ちが悪くなるので、サッと摘んで食べられるプラムにはかなり助けられました。
フルーツは以前から好きだったのですが、つわりを経験してみて、フルーツの力をここまで感じたのは初めてでした。
あとは、ネットやSNSなどで検索して、酸っぱいものを試してみたら、これもつわり対策に効果的。通勤で電車に乗るときは、カリカリの梅をお守りのように持っていたぐらい(笑)。こういう対処法を知っておくのは心強いし、ネットで見つけた先輩ママたちのさまざまな経験談は本当に頼りになります。
つわりは辛かったですが、自分の元に新たな命が来てくれたことを実感する時間でもあったので、これも大事な期間なんだなと思えていましたね。
大好きな収録現場へは、おなかの赤ちゃんと一緒に出勤
――お仕事の両立はどうされていますか?
永島さん:朝の番組は卒業しましたが、『ジャンクSPORTS』や『私のバカせまい史』などのレギュラー番組、ナレーションや特番などの仕事も変わらずにさせてもらっています。バラエティ番組などの生放送に出演する際は、制作スタッフに自分の状況を共有しながら、体に負担にならないよう配慮して仕事をしています。
番組収録などは、おなかも大きくなってきて動きづらいときもあるのですが、それでも自分なりにパワフルにやらせてもらっているつもりです。もしかしたら仕事があるほうが、アドレナリンが出ているのか、調子がいいんじゃないかと(笑)。出演者や制作スタッフが、試行錯誤しながら作り上げる空間と、みんなで「お疲れさまでした〜!」で完結する達成感が、とにかく大好きなんです。
そして家に帰ったら、おなかに向かって「今日も一緒に頑張ってくれてありがとう」と声をかけています。よく考えたら、こうやって一緒に仕事場に出勤できる時期もそんなにないかなと思いますしね。私自身、本当に仕事が好きで、バリバリ働いているママさんに憧れがあるので、出産後は両立できるように頑張りたいと思っています。
――お仕事をされていて、体調不良の時はどう対処されていましたか?
永島さん:妊娠初期はまわりにも言えないし、自分の体調などを分かってもらえないので、その辺りが難しかったですね。マタニティマークをつけられるようになるまでは、出勤時などはいろいろと工夫しました。満員電車が耐えられない時期もあったので、その時は出勤時間を早めにしたり、空いている端の方の車両に乗るようにしたり。あとは、キレイな景色や楽しいことを頭に思い浮かべながら電車に乗る、なんてこともしていましたね。
つわりで通勤電車が辛くて、何度も途中下車していたという友人もいました。例え短い時間だったとしても、妊婦さんにとっての満員電車って、緊張する時間なんですよね。自分が経験してみて、それにはじめて気づいたんです。それに、マタニティマークをつけていても、なかなか気づいてもらえないことも多いですし。自分がこれから母親になり子育てをするなかで、電車の中でこういうことに気づける人になりたいなと、今回あらためて思いました。
――妊婦さんになって、ご自身が社会の見方が変わったなと感じることはありますか?
永島さん:今回、妊娠手帳やマタニティマークなどを役所でもらった時に、妊婦さんに対するさまざまなサポートや制度があることをあらためて知ったんです。ニュースを伝える側として、知ってはいるつもりではいたのですが、実際に自分がその立場になってみて、「こうして社会の仕組みができているんだ」と感じました。
これから母親学級などにも参加してみたいと思っていますが、子どもを出産する前には、やるべきことがけっこう多いんだなと実感しました。
妊娠が分かってから安定期に入るまでの時期って、まわりの人や会社にもなかなか妊娠したことを伝えられない方って多いですよね。でも、人に言えないこの時期こそが、つわりや体調不良で一番辛い期間。周囲に公表したくても、伝えるリスクがあるのも事実ですし、なかなか難しい問題です。こういった初期の頃のサポートなど、もっと妊婦さんにやさしい社会になったらいいなと思っています。
一方で、妊娠を周囲に伝えたり発表したりすると、今度は覚悟とプレッシャーみたいなのものを感じることも。「まわりに迷惑をかけたらどうしよう」「急に欠席することになったらどうしよう」など、伝えたからこそ不安に思うこともあります。私の場合は幸い、上司に妊娠を報告した時に、「体調優先で何かあったら言ってね」と言ってもらえていたので、そこは気持ち的に安心して仕事に臨めました。
写真提供/永島優美さん 撮影/中川有紀子 取材・文/内田あり、たまひよONLINE編集部
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年10月の情報で、現在と異なる場合があります。
<プロフィール>
永島優美さん
フジテレビアナウンサー。1991年生まれ、兵庫県生まれ。担当番組は『ジャンクSPORTS』『私のバカせまい史』『FNS歌謡祭』、『人志松本の酒のツマミになる話(ナレーション)』など。2021年3月に、同局ディレクターと結婚。