【妊娠中の花粉症】赤ちゃんのためにも!薬に頼らない衣食住対策
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妊娠するとホルモンのバランスや免疫機能が低下するため、花粉症の症状が悪化する傾向があります。また、妊婦は血液量が増えるので鼻詰まりがひどくなる場合も。妊娠中はとくに対策をしっかりしておきましょう。
妊婦さんのための花粉症対策について、日本医科大学耳鼻咽喉科学講座主任教授の大久保公裕先生に伺いました。
花粉症対策―基本編
暖かい季節になってきてうれしい一方、花粉症に悩まされる人にとってはつらい時期。とくに妊娠中は、なるべく薬に頼らずに乗りきりたいもの。日常生活でできる花粉対策を大久保先生にご紹介いただきました。
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市販薬はNG!耳鼻科で妊娠を告げて処方を
市販の飲み薬、点鼻薬、点眼薬を自己判断で使うのはやめましょう。産婦人科に相談の上、処方してもらうのが基本。妊娠4カ月以降であれば、耳鼻科でも使用可能な薬を処方してもらえます。その際は必ず妊娠を告げて。
晴れた風の強い日の11~15時は外出を控えめに
前日が雨だった晴れの日や、南風が強く気温の高い日は花粉量が多いといわれています。また、地域差はあるものの、11~15時は花粉の多い時間帯。花粉量が多いときの外出は避けるか、対策を万全にして出かけましょう。
不規則な生活は花粉症悪化のもと!
睡眠時間や生活リズムが不規則だと、免疫力が落ち、体調不良に。すると、花粉症の悪化にもつながります。花粉を寄せつけない工夫をするだけでなく、アレルギーに負けない体をつくることも大切です。
花粉症対策―衣類編
外出時の花粉を防ぐだけでなく、衣類に付いた花粉を家の中に持ち込まないために、有効な方法も伺いました。
花粉症用の不織布マスクで花粉を防ぎましょう
花粉症用の不織布マスクをすると、鼻の中につく花粉量が6分の1になるというデータが。また、不織布タイプのほうがガーゼタイプよりも花粉を通しにくいともいわれています。選ぶなら花粉症用の不織布タイプを。
めがねで目に入る花粉量をかなり防げます
めがねをかけると、目に花粉がつくのをかなり防ぐことができます。普通のめがねでもそれなりの効果はありますが、花粉症用のめがねのほうがより効果が高いでしょう。
服はポリエステルの素材で帽子をかぶるのが効果的
ウールの服は花粉がつきやすいので、外出時には避けたほうがいいでしょう。綿またはポリエステルの素材のものは、花粉が付着しにくいのでおすすめです。また、花粉は顔や髪の毛にもつきます。帽子をかぶるのも効果的です。
花粉症対策―スキンケア・ヘアケア編
メイクやスキンケア、ヘアケアでも花粉を防いだり、花粉症の症状を緩和できるそうです。具体的なケアを伺いました。
ベースメイクをしっかりするのが◎
花粉シーズンになると、肌荒れを起こす人もいるでしょう。日ごろから、保湿を心がけ、シーズンに入ったらしっかりベースメイクをしましょう。地肌に花粉がつきにくくなり、花粉による肌荒れを防ぐことができます。
マスカラは控えるのがおすすめ
メイクが花粉症対策になるといっても、マスカラは避けたほうがいいでしょう。マスカラをすると、目のまわりに花粉をとどめてしまいます。目がかゆくなる人は控えて。
鼻うがいや洗眼は症状が緩和します
鼻うがいや洗眼は、正しい方法で行えば、花粉が洗い流され、症状は楽になります。鼻うがいは耳鼻科で正しいやり方を聞き、必ず生理食塩水で行いましょう。洗眼は市販品を利用して。やりすぎると粘膜が荒れてしまうので、1日1~2回程度に。
花粉症対策―住居編
妊娠中は、つわりなどで家にいる時間が長くなる人も。室内環境から花粉をできるだけ排除するには、どうしたらいいのでしょうか。
空気清浄器と加湿器の併用はGOOD
部屋に入った花粉を取り除く意味で、空気清浄器は有効です。さらに加湿機能もついているとベター。鼻の粘膜を乾燥から守り、空気中の花粉を床に落とす効果が期待できます。空気清浄器と加湿器を併用するのはさらにベター。
掃除は掃除機で吸い取ってから水ぶきを
花粉のシーズンはできるだけ掃除をして、部屋の中の花粉を取り去りましょう。掃除機で吸い取ったあと、水ぶきでふき取ると効果的です。小まめにふき掃除をすると、床に積もった花粉がとれるのでおすすめです。
なるべく薬に頼らないで、花粉の季節を乗りきりたいもの。日常生活に簡単に取り入れられる花粉症対策ばかりですから、ぜひ試してみてください。(文・たまごクラブ編集部)
■監修/日本医科大学耳鼻咽喉科学講座 主任教授 大久保公裕先生
■参考:『たまごクラブ』2018年3月号「妊婦と新生児の薬に頼らない花粉症対策」