妊娠中は重症化しやすいので注意! 妊婦のための花粉症対策
本格的な花粉シーズンがやってきました。
妊娠中はできるだけ、薬に頼らずになんとかしたいところですが、妊婦さんは花粉症が重症化しやすいようです。
なぜ、妊娠中に花粉症が悪化するのでしょうか?
主な理由は2つあります。
1つは、女性ホルモンのエストロゲンが増えることで、アレルギー症状が起こりやすくなるため。
もう1つは、妊娠すると体内の循環血液量が増え、鼻粘膜の充血や腫れが起こり、鼻詰まりになりやすくなるためです。
さらに、妊娠中は強い薬が使えないので、症状が悪化しやすくなります。
花粉症がある人は、妊娠中は花粉をできるだけ体内に入れないように生活することが大切です。
今回は、今日からすぐ実践できる、具体的な対策をご紹介します。
花粉を体内に入れないためにできること「外出編」
まずは、いちばん症状が出やすい外出時の対策です。
簡単なことばかりですが、これだけでもだいぶ違います!
花粉の多い時間帯の外出は避ける
花粉が多い時間帯は、11~15時と18~20時。
この時間の外出は、できるだけ避けましょう。
花粉は、木に日光が当たると飛び出すので、早朝や深夜の時間帯は飛散しません。
また、河川敷などはとくに花粉量が多いので、近づかないほうがいいでしょう。
外出時は花粉をガードする服装を
外出時は、帽子、眼鏡、マスクで、花粉が肌や髪に触れないようにガード。
花粉は上から降ってくるので、とくに髪の毛につきやすいんです。
できるだけ髪はまとめて、帽子をかぶりましょう。
花粉が落ちやすい、サラサラ素材の上着を着るのも◎
帰宅時は家に入る前に花粉を払う
帰宅時は、家に入る前に、服や髪についた花粉を払い落としましょう。
花粉の粒子は、こするとつぶれて落ちにくくなるので、手でサッサッと払うように落として。
外出時に着用した上着や帽子は玄関にかけるなどして、リビングには持ち込まないようにしましょう。
花粉を体内に入れないためにできること「室内編」
お部屋の中にいても、くしゃみが止まらない、鼻をかみすぎて頭がボーっと…なんて、つらい経験ありますよね。
いろいろな経路で、室内にも花粉は侵入してくるのです。
完全にシャットアウトするのは無理でも、最小限にするために、できることはあります!
洗濯物や布団は外に干さない
外に干した洗濯物や布団は、よくはたいてから室内に持ち込んでも、かなりの花粉がついています。
花粉の時季は、洗濯物は室内干しにしたり、乾燥機を利用するなどしましょう。
布団は布団乾燥機の利用も検討して。
換気は早朝か夜に
換気は、花粉が飛ばない早朝か20時以降にして、日中はなるべく窓を開けないで。
空気清浄機を利用してもいいでしょう。
また、花粉は乾燥すると舞いやすく、湿気をふくむと重くなって飛べなくなります。
加湿器の利用もおすすめです。
掃除をまめにする
花粉の時季は、できるだけ毎日掃除をしましょう。
ふき掃除をまめにすると、床に積もった花粉がとれるのでおすすめです。
ほこりがたまりやすい場所に花粉もたまりやすいので、部屋の隅や家具の裏などは、とくに念入りに掃除を。
薬を使わずに、妊娠中のつらい花粉症をラクにするテク
お腹の赤ちゃんへの影響を考えると、妊娠中は極力、薬の服用は避けたいもの。
花粉症のシーズンは市販薬が手放せない! という妊婦さんにおすすめの対策です。
蒸しタオルで鼻を温める
「温熱療法」といって、温かい蒸気を吸入することで症状をやわらげる方法があります。
自宅では、電子レンジで温めた蒸しタオルを鼻に当てると、鼻詰まりがラクになります。
温度は50度くらいでも効果があります。
スッキリするなら何度やっても構いません。
鼻うがいをする
鼻の粘膜についた花粉や、鼻水に含まれる炎症成分を洗い流す、鼻うがいも効果的。
必ず生理食塩水を使いましょう。市販のものを使い、入浴時に湯船でパックごと温めて使うのがおすすめ。
鼻からゆっくり入れて、息を吐きながらうかいをして、口から出しましょう。
レーザー治療をする
重症の人は、耳鼻科でのレーザー治療がおすすめです。
鼻にレーザーを当てるだけで、薬を飲まなくてもワンシーズン効果が持続します。
鼻粘膜の局所麻酔のみで簡単にできるので、妊娠中も治療できます。
レーザー治療を行っているかどうか確認してから受診するといいでしょう。
妊娠中の花粉症対策、参考になりましたか?
妊娠週数によっては使える薬もあるので、つらい人は我慢せずに、かかりつけの産婦人科や耳鼻科で相談を。でも、自己判断で市販薬を使うのは絶対にやめましょう。(文・たまごクラブ編集部)
●監修/日本医科大学付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 部長 大久保公裕先生
●参考文献:たまごクラブ2017年2月号「たまごTopics どうする?妊娠中の花粉症対策」
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。