妊婦さんに知っておいてほしい! 妊娠37週未満で起こる注意すべきおなかの張りとは【専門医が解説】
妊娠後期になると、問題のない生理的なおなかの張りが増えてきますが、なかには早産につながるものも!注意が必要な張りや、痛みにはどんなものがあるのか、帝京大学医学部附属病院・笹森幸文先生(産婦人科教授、総合周産期母子医療センター長)に伺いました。
妊娠37週未満に起こる、強い・長い・規則的な張りには注意を!
おなかの張りは子宮の収縮によって起こります。自覚症状としては、「子宮がキューッとかたくなる」「おなかの中で風船がふくらむ感じ」「痛みがある」などの特徴が。安静にして治まるなら、妊娠による問題のない生理的な張りですが、妊娠37週未満で、「強い」「長く続く」「出血を伴う」「規則的」といった張りは、陣痛につながることも! 注意が必要です。
妊娠後期にとくに気をつけたい、主な張り・痛みの原因
妊娠後期に気をつけたい張り・痛みの主なものは以下のとおり。チェックしておきましょう。
疲労・ストレス・冷え
妊婦さんに「疲れた」という自覚がなくても、長時間の立ち仕事や過度な運動などによって体に負担がかかり、おなかが張ることも。また、精神的なストレスや冷えが原因で、子宮が収縮しておなかが張ることもあるので、無理をしないようにしましょう。
絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)
腟炎(ちつえん)や子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)を発症し、赤ちゃんを包んでいる卵膜(絨毛膜(じゅうもうまく)・羊膜(ようまく))まで細菌が達して炎症が起こることを絨毛膜羊膜炎といいます。おりものの色やにおいに異常が見られることも!強い子宮収縮や破水を起こし、早産につながる恐れがあります。
切迫早産
妊娠22週以降37週未満に、子宮頸管(しきゅうけいかん)が短い、子宮口が開くなど、このままではお産を誘発しかねない状態を切迫早産といいます。おなかの張りや痛みに、出血が加わると重症度が高い!すぐに産院へ連絡して受診してください。
常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)
胎盤の一部、または全部がはがれてしまった状態。母子共に命にかかわります。少量の出血とおなかの強い張りや激しい痛みで始まることが多いですが、突然、大出血となることもあります。
監修/笹森幸文先生 取材・文/樋口由夏、たまごクラブ編集部
妊娠後期は出産に向けておなかに張りを感じるママも多くなります。心配のない張りも多いのですが、少しでも不安なときは産院に相談をしましょう。
参考/『後期のたまごクラブ』2024年春号「妊娠後期を安心に過ごすためのママと赤ちゃんの見通し&やることのすべて」
※掲載している情報は2024年2月の情報で、現在と異なる場合があります。
『後期のたまごクラブ』2024年春号では、妊娠後期に気になるおなかの張りやさかごのこと、臨月の過ごし方などがわかる巻頭大特集「妊娠後期を安心に過ごすためのママと赤ちゃんの見通し&やることのすべて」があります。