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「赤ちゃんを守るために、痛みに耐えていたつもりだったのに…」妊娠判明後6週間で持病のリウマチが悪化。その理由は⁉【インタビュー】

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「リウマチ」という病気を知っていますか?「なんとなく高齢女性に多い感じ」とか「手が痛くなる病気かな」というイメージを持っている人が多いのではないかと思います。2児の母であるリウマチmamaさんは、結婚したばかりの27歳でリウマチを発症。治療には妊娠や出産に弊害の多い薬を必要としますが、体の痛みと闘いながら治療を続け、念願だった母になり、現在も治療を続けながら育児に向き合っています。そんなリウマチmamaさんに、病気を発症し、治療を続けながらの妊娠のこと、育児のことなどを聞きました。 全2回インタビューの2回目です。

▼<関連記事>前編を読む

妊娠判明後6週間で、リウマチの数値が過去最悪に

第1子と退院の日。体の痛みがあっても、初めての赤ちゃんがかわいい気持ちが勝って、辛さはあまり感じなかったそう

20代でリウマチを発症し、関節の痛みや体のこわばり、ずっと続く微熱や倦怠(けんたい)感などに悩まされ、治療を続けたリウマチmamaさん。発症から約2年半、治療開始から約1年半を経て、血液検査の数値もようやく落ち着き、薬を変え、ようやく妊活ができるように。そして、10カ月後、ついに妊娠が判明したのです。

「妊活をスタートさせても、なかなか授からなかったので、不妊カウンセリングに行ったあとだったんです。だから、妊娠検査薬で陽性反応が出たときは、やったー!という思いだけじゃなくて、『間違いの可能性もあるし』『リウマチだし、流産リスクもあるし』『薬の影響は大丈夫かな…』といろんな感情が渦巻いていました。

翌日には、産科を受診し胎囊(たいのう)も確認でき、4.7mmの米粒サイズの小さな小さな黒い点も見えました。私のこのおなかの中で、頑張って成長していると思うと、この米粒サイズの赤ちゃんがとてもいとおしく感じました」(リウマチmama)

翌週には心拍も確認でき、順調に育っていた赤ちゃん。しかし、心配なことがありました。

「実は、妊娠が判明して、自己注射薬の“エンブレル”を使うのを自己判断でやめてしまったんです。妊娠するとリウマチ症状が軽くなる人が多いと聞いたし、できれば妊娠中はどの薬も使いたくないと思ってしまって。

でも、薬をやめて2週間、リウマチ症状は軽くなるどころか、ひどくなってきたんです。ひじ、ひざ、手首、手足の指、首、あご…と、少しずつ痛みが出てきたのを見て見ぬフリしていたんですが、はしやペンを持つことすら、右手首の痛みでつらくなってしまって。自分の手すら重いと感じるほどでした。

それでも耐えに耐えて、自己判断で薬をやめて6週間後のリウマチの診察。このころは、3週に1度の注射だったので、2回薬を飛ばしたことになるんですが、血液検査の数値がものすごく悪くなっていて、過去最悪の結果でした。とくに炎症の数値は、160倍にも悪化していて、担当の医師に『帰ったらすぐ“エンブレル”を打って!』と、めちゃくちゃ怒られました。

私もまさか、たった6週間でこんなに悪化するなんて思いもしませんでした。赤ちゃんのために薬は使わずに少しくらいの痛みは耐えようと意地になっていたんですが、かえって赤ちゃんに悪かったかもしれない…。結局、妊娠前より薬が増える結果(3週に1回の自己注射が、週に1回の自己注射)になってしまいました。

初めての妊娠、リウマチでの妊娠で不安だらけだったので、当時は医師にもう少し話を聞いてほしいという思いもありましたが、まず先生の言うことを聞いて、数値を下げなければという感じでした」(リウマチmama)

薬を再開し、痛みが軽くなるのを感じたものの、すぐに痛みがなくなるわけでも、血液検査の数値が急に戻るわけでもなく、ぶり返したつわりと重なって、この時期の体調はものすごくつらかったそうです。

「2年かけてコツコツと落ち着かせたリウマチの数値&症状が、たった1カ月でこんなに悪化するなんて思いもしませんでした。完全にリウマチを甘く見ていたなと思います。

妊娠前は、症状も血液検査の結果もよくなっていたけれど、それは薬で落ち着いていただけで、私は普通じゃないんだと改めて実感させられました。

このままじゃ、赤ちゃんに母乳をあげたいという夢はかなえられないのかな…とも感じていたんです」(リウマチmamaさん)

そんな中、里帰り出産先の産院を受診したリウマチmamaさん。これまでの経過なども持参して受診したその産院には、リウマチで出産した人もたくさんいると聞き、ホッとしたそうです。

「医師も助産師さんも、リウマチの妊婦に慣れている様子で、本当に安心できました。何より、“エンブレル”を使用しながら出産し、授乳までされた方もいると聞いて、びっくり。

産院の説明では、赤ちゃんにはしばらく“エンブレル”の影響が残っていて免疫力が落ちているから、予防接種のうち、生ワクチンの接種は半年後以降にするという注意点はあるけれど、母乳は移行しないからあげて大丈夫よ!と言われて。薬を使っている間は母乳はあげられないと思っていたので、まさかまさかのうれしい情報にとても驚きました」(リウマチmamaさん)

こうしてリウマチmamaさんは妊娠40週で無事に出産を迎え、かわいい女の子が誕生したのです。

「長時間のお産だったので、リウマチが悪化しないか心配でしたが、産後の血液検査の結果も許容範囲とのことで、本当に安心しました。出産時に会陰(えいん)が中まで裂けてしまい、産後は毎日鎮痛薬を1日3回飲んでいたからか、リウマチの痛みも落ち着いていたみたいです。

里帰り出産だったので、日中は父母に手伝ってもらい、夜は私だけで頑張る。だから、産後は頻回授乳の完全母乳は断念し、娘には母乳+ミルクの混合栄養でおなかいっぱいになってもらってなるべく長く寝てもらい、私も体を休めるようにしました。夜は長かったですけど、幸いすごくよく寝てくれる子で、助かりましたね。

ただ、産後2週間で、処方された鎮痛薬がなくなってからは、手と足に強い痛みが出てしまい、とにかく抱っこがつらくて。娘がかわいくて、私もたくさん抱っこしてあげたいのに…。母乳をあげるのも、おむつを替えるのも、めちゃくちゃ痛いし、ティッシュをひっぱって取ることすら痛く、自分の着替えもままならず母に手伝ってもらっていたほどだったんです。

だから、ミルクのときは娘をふとんに寝かせた状態であげていましたが、母乳をあげるときは、激痛に耐えながら、抱っこしてあげていました。たった3kgくらいの赤ちゃんのお世話を、もう歯を食いしばりながらやっていましたね。痛かったんですけど、とにかく『かわいい』が勝っちゃって、頑張れた気がします。

産前は赤ちゃんのお世話ができるか心配で、最悪の場合、入院になることも覚悟していましたが、産後の大変な時期もなんとか乗り越えることができましたし、娘が生まれたことで『健康を取り戻して長生きして、娘の成長を1日でも長く見たい。かわいいかわいい娘のためにも絶対にリウマチを寛解(かんかい)させたい』と思うようにもなりました」(リウマチmamaさん)

大変だった第1子の産後。第2子は…

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1人目の出産後、約半年で、リウマチの血液検査の数値は妊娠前まで改善。産後2年ほどすると、2人目を真剣に考えるようになったといいます。

「夫は、基本的に私に合わせてくれるやさしい人なので、私の体のことも心配だし、子どもは1人で十分だよという感じでした。でも、幸い、娘の出産後は週1回の自己注射で血液検査の結果は落ち着いていたし、何より娘がお友だちの下の子とかをかわいがる様子を見ていたら、私は『やっぱりきょうだいを作ってあげたいな』って。その思いが強くて、2人目を頑張ってみることにしました。

ただ、なかなか授かることはできなくて、不妊治療が得意な病院に転院。検査をしたら、残りの卵子数の数値が少なくて、34歳だったのに43歳相当と言われてしまい、これはのんびりしていられない!と、すぐに体外受精の予定を立てました」(リウマチmamaさん)

そこから、4回の採卵、3回の胚移植の末、2人目を妊娠!2人目は産後のリウマチのことも考えて無痛分娩を選択し、元気な男の子を出産。1人目の出産から約5年後のことでした。

「第1子を産んだときは、普通分娩で長時間かかったせいなのか、鎮痛薬が切れると激痛で抱っこすらできず、完全母乳での育児を断念したほどつらかった産後。

だから、第2子は無痛分娩を選択したんですが、私にはこれが大正解で、産後リウマチの痛みがほとんど出なかったんです。体の負担が相当違うんだなと実感しました。そのおかげか2人目は産後すぐのいちばん体が大変なときに、リウマチの痛みを感じなくて済んだし、体調がよかったから憧れの完全母乳での育児もでき、本当に無痛分娩にしてよかった!と思っています。

ただ、完全母乳は頻回授乳になるので毎日寝不足で疲れが溜まっていき、産後半年くらいからリウマチの数値が悪化してしまいました。1歳で卒乳したあとは、寝不足も解消して、リウマチによる痛みも軽くなり、ホッとしているところです。

リウマチ症状を抑えるためにも休息は大事なことなので、子どもが増えることで休む時間がなかなか取れないことは大変かなと思います。私も授乳期はとくに大変でしたが、今はしっかり寝られるようになったし、おかげで元気に過ごせています。

娘は『弟と結婚したい』というくらい弟が大好きで、溺愛しているんです。そんな2人の姿を見ていると、娘に弟を作ってあげられて本当によかったなと思うし、リウマチで多少痛みがあっても、この幸せを作れたんだからいいやって思えるほどです」(リウマチmamaさん)

現在も自己注射を週1回打ちながら、2人の育児に奔走するリウマチmamaさん。リウマチと診断されたころから、リウマチの治療や血液検査の推移、妊活までの経過などを詳しくブログに残しています。これは、探しても同世代のリウマチ患者の情報を見つけられなかった、あのころの自分のような人の役に立てればと思って始めたのだそうです。

「1人目の妊活をしていたとき、リウマチを治療しながら妊娠した人の情報がほとんどなくて、すごく不安だったんです。だから、私がこの経験をブログに残すことで、20代でリウマチやそのほかの持病を抱えながら子どもを望んでいる方に、少しでも参考になればと思って。

たまにコメントをいただくことがあるんですが、リウマチと診断されたばかりでこれからお子さんを考えているという方に『ものすごく不安だったけれど、ブログを読んで勇気がわきました』と言ってもらえたときは、やっててよかったなと本当にうれしかったです。そして、リウマチでも子どもを持つことをあきらめなくてよかったと思います。

リウマチや、それ以外の持病を持ちながら妊娠したり子育てしたりしているママさんは、世の中にはたくさんいらっしゃると思います。持病とうまくつき合いながら、一緒に頑張りましょう! 今後もやりたいことがあれば、なるべくあきらめずにチャレンジしたいと思います」(リウマチmamaさん)

お話・写真提供/リウマチmamaさん 取材・文/藤本有美、たまひよONLINE編集部

20代で、見た目ではよくわからない一生の病気を抱えながらも、2児のママとして頑張っているリウマチmamaさん。赤ちゃんのために…という気持ちから、自分の体に悪影響を及ぼす選択をしてしまったこともありましたが、リウマチmamaさんは、赤ちゃんを産む前から、いやもしかすると身ごもる前から、ママとして子どもを守る気持ちが強い方なのかもしれません。取材時は、お昼寝から起きた弟くんを抱っこし、ママの隣でお絵描きをするお姉ちゃんの様子をやさしく見守っていたリウマチmamaさん。1日も早く寛解し、思いきり家族4人の日々を楽しんでほしいと思いました。

リウマチmamaさん(リウマチママ)

PROFILE
2015年、27歳でリウマチを発症。リウマチと診断されるまでに約1年かかったあと、治療を開始。約2年の治療を経て、症状が安定したところで、妊活をスタート。2019年に第1子、2024年に第2子を出産。現在もリウマチの治療を続けながら、2児の育児に奮闘している。

リウマチmamaさんのAmeblo

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●掲載している情報は2025年9月現在のものです。

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