SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 妊娠・出産
  3. 赤ちゃんの病気・トラブル
  4. 赤ちゃんを迎える家族みんなが知っておくべき「RSウイルス感染症」のリスクと対策

赤ちゃんを迎える家族みんなが知っておくべき「RSウイルス感染症」のリスクと対策

更新

赤ちゃんを迎える家族みんなが知っておくべき「RSウイルス感染症」のリスクと対策

2才までに、ほぼすべての乳幼児が1度は感染するといわれている「RSウイルス感染症」。1年を通じて感染がみられ、夏に流行することが多いのですが、ピークは年によって異なるため、その流行を把握することがとても重要です。重症化リスクが高いといわれる赤ちゃんや高齢者を守るためにも、家族みんなで対策を知っておきましょう。たまひよ読者も参加した、ファミリーセミナーの様子も紹介します。

【過去のセミナー動画】妊婦さんの健康管理:免疫の変化と知っておくべき感染症 ~RSウイルス編~(1/4)

★記事の最後にアンケートご協力のお願いがあります。ぜひ、最後までお読みください。

ほぼすべての乳幼児が2才までにかかる「RSウイルス感染症」って?家族みんなで対策を

ほぼすべての乳幼児が2才までにかかる「RSウイルス感染症」って?家族みんなで対策を

RSウイルス感染症」はRSウイルスによって引き起こされる、呼吸器感染症のこと。RSウイルスは世界中どこにでも存在し、乳幼児から大人まで、誰もが何度も感染する可能性があります。(※1)。おもに接触感染と飛沫(ひまつ)感染によって広がり、感染すると発熱・せき・鼻水など風邪に似た症状が起こります。

重症化すると呼吸困難や肺炎につながる恐れがあり、とくにリスクが高いといわれるのは、高齢者と赤ちゃん(※2)です。赤ちゃんの場合、初めての感染でより重症化しやすく、生後6カ月未満の赤ちゃんが感染すると入院が必要になることもある(※2)ため、注意が必要です。

RSウイルス感染症は一年を通じてみられるものの、近年では春から初夏にかけて感染者が増加し、夏にピークを迎える傾向があります。

高齢者と同居しているご家庭はもちろん、出産で里帰りする妊婦さんや、お盆休みの帰省を予定しているご家庭では、家族みんなが感染しないこと、そして赤ちゃんや高齢者に感染させないことが大切です。重症化を防ぐために妊娠中の今できることを学び、適切な対策を心がけましょう。

※1国立感染症研究所: 病原微生物検出情報35(6): 137, 2014
※2 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト RSウイルスとは (https://id-info.jihs.go.jp/diseases/alphabet/rs/index.html)(2025年4月10日時点)

人気タレント3名&たまひよ読者が参加!プレママ&パパ向けセミナー開催

人気タレント3名&たまひよ読者が参加!プレママ&パパ向けセミナー開催
左から、司会の竹内由恵さん、小児科医・森戸やすみ先生、ゲストの丸高愛実さんと森尾由美さん、産婦人科医・宋美玄先生、感染症専門医・柳原克紀先生

RSウイルス感染症の流行期を前に、2025年5月18日、妊婦さんやその家族向けのファミリーセミナー「高齢者から孫世代で考えよう『RSウイルス感染症』」が開催されました。妊娠6カ月から妊娠9カ月のたまひよ読者も参加し、RSウイルス感染症の重症化リスクと対策について学びました。

RSウイルスとRSウイルス感染症についてわかりやすく解説する、栁原先生
RSウイルスとRSウイルス感染症についてわかりやすく解説する、栁原先生

まず、感染症の専門医である栁原先生からRSウイルス感染症の特徴と、高齢者への影響について解説がありました。

「RSウイルス感染症は、従来は秋にピークを迎えるとされていましたが、近年では春から初夏にかけて増加し、夏にピークがみられるようになっています。夏を迎えるこの時期に、RSウイルス感染症についての理解を深め、適切な対策を講じることが大切です。

RSウイルス感染症は乳幼児だけではなく大人にも感染し、高齢者、中でも慢性の呼吸器疾患や心疾患がある場合では重症化して入院が必要になることもあります(※3・4)。

RSウイルスはだれもが感染するリスクがあるので、一人ひとりがRSウイルス感染症を正しく理解して、適切に対策することが重要だと思います」


※3 米国疾病予防管理センター(CDC): Respiratory Syncytial Virus Infection(RSV) in Older Adults(https://www.cdc.gov/rsv/older-adults/?CDC_AAref_Val=https://www.cdc.gov/rsv/high-risk/older-adults.html)(2025年4月10日時点)
※4 国立感染症研究所: 病原微生物検出情報35(6): 139, 2014

「感染させないように対策をすることが大切」と森戸先生
「感染させないように対策をすることが大切」と森戸先生

続いて、小児科医の森戸先生から乳幼児の感染リスクについて解説がありました。

「RSウイルスに感染すると風邪に似た症状が現れたのち、約70%の乳幼児は快方に向かう一方で、残りの約30%は細気管支炎(さいきかんしえん)や肺炎などを引き起こして重症化する可能性があります(※5)。

初めての感染ではより重症化しやすく、とくに生後6カ月未満の赤ちゃんの免疫は未成熟のため重症化し、入院を必要とすることもあります。毎年約3万人の赤ちゃんがRSウイルス感染症によって入院し、最も入院が多いのは生後1カ月です。そして、そのうち基礎疾患を持たない乳幼児が16.9%であったとの報告もあります(※6)。

この数値はあくまで一部地域の報告ではありますが、健康な赤ちゃんでも重症化する可能性はあるので、注意が必要です」

さらにRSウイルス感染症とぜんそくの発症率との関連性についてもお話が。

「スウェーデンやアメリカの報告では、RSウイルス感染症で入院した経験のある子は、そうでない子と比較して、ぜんそくの発症率が3歳、7歳、13歳時点で高かったという結果が出ています(※7・8・9)。赤ちゃんの健康やその後の成長にとって、RSウイルスに感染させない、そして重症化させない対策がとても重要だと思っています」

※5 堤裕幸: ウイルス 55(1); 77, 2005
※6 Yanagisawa T et al.:Pediatr Int 60(9):835, 2018
※7 Sigurs N. et al.: Pediatrics 95(4):500, 1995
※8 Sigurs N. et al.: Am J Respir Crit Care Med 161(5):1501, 2000
※9 Sigurs N. et al.: Am J Respir Crit Care Med 171(2):137, 2005

パネルディスカッションでは、今すぐ家庭でできる感染対策を紹介

パネルディスカッションでは、今すぐ家庭でできる感染対策を紹介
パネルディスカッションでは、今すぐ家庭でできる感染対策を紹介

RSウイルス感染症が高齢者や乳幼児にとって注意すべき感染症であることがわかったところで、ゲストを交え、具体的な対策についてのパネルセッションが行われました。

RSウイルスは、おもに接触感染と飛沫感染によって広がります。家庭でできる感染対策として、以下の4つのポイントが基本、と話す栁原先生。

・風邪症状がある家族との接触をなるべく避けること
・風邪症状がある本人、周囲の家族がマスクをしっかり着用すること
・乳幼児が日常的に触れるおもちゃや手すりなどを定期的にアルコール消毒するなどで清潔に保つこと
・手洗いを習慣にすること

乳幼児では家庭内や病院内での感染、高齢者では長期療養施設での集団発生が問題となることがある点にも注意が必要です(出典:RSウイルス感染症|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト)。

お子さん2人がRSウイルス感染症を発症した経験を持つ、ゲストの丸高愛実さん

お子さん2人がRSウイルス感染症を発症した経験を持ち、3人目のお子さんがまだ1才未満の丸高さんは、とくに家庭での対策に気を配っているそうです。

「2年ほど前に、3才と1才の娘が同じ時期にRSウイルスに感染しました。幼いわが子が感染して苦しそうな様子に代わってあげたいと思いましたし、看病も大変でした。子どもの健康、家族の生活を考えると、病気にならないというのが何より大切だなと思います。

今では帰宅したときの手洗い・うがいはもちろん、園や小学校から帰ったらまずおふろに入るようにしています。一番下の子は、いろいろなものを口に入れる時期に入ってきたので、なるべく子どもが手に取るものを消毒するよう心がけています」(丸高さん)

舞台やテレビ収録の現場も多く、お孫さんがいる森尾由美さん

舞台やテレビ収録の現場も多く、お孫さんがいる森尾さんは、ご自身だけではなく家族に感染させないためにも、病気にかからないように気をつけているそう。

「コロナ禍を経て、うがい・手洗いは習慣になっている感じがします。家族ひとりが感染したら、みんなに広がる可能性があるというのは娘からも重々言われているので、ふだんから気をつけないと、と思いますね」(森尾さん)

ワクチンや抗体薬などの医療的対策も

家庭内での対策に加えて、医療的な対策を紹介する宋先生
家庭内での対策に加えて、医療的な対策を紹介する宋先生

こうした、うがい・手洗いなど家庭でできる対策のほか、医療的な対策として、妊婦さんが接種できる「RSウイルス母子免疫ワクチン」について、産婦人科医の宋先生からくわしく紹介されました。

「『RSウイルス母子免疫ワクチン』は、妊婦さんが接種すると体内で抗体が作られ、胎盤を通じておなかの赤ちゃんに移行し、生後すぐから赤ちゃんをRSウイルスから守れるというもの。お母さんから胎盤やへその緒を通じて抗体の一部を受け取る母子免疫の働き(※10)を利用して、妊娠中から対策できるようになっています」(宋先生)

また、そのほかの医療的対策として、赤ちゃんが生まれたあとは、赤ちゃんに直接抗体を投与する「抗体薬」で重症化を防ぐ選択肢があることも小児科医の森戸先生から加えられました。

それらを聞いて「毎日の生活習慣に加えて、医療的対策もあると知って、安心しました」と司会の竹内さん。

司会進行は2児のママでタレントの竹内由恵さん

丸高さんも「家庭だけでなく医療的な選択肢があるのは心強い! 家族や友人にも伝えたいです」とコメント。森尾さんも「自分はもちろん大好きな孫のためにも、教わった対策をしっかり実行して、健康に楽しく過ごしたいなと感じました。今日はありがとうございました」と締めくくりました。

※10 Faucette A et al.: Hum C Vaccin Immunother 11(11):2549, 2015

会場で参加した妊娠中のたまひよ読者からも「勉強になった」の声

先生方の解説に、参加したたまひよ読者の表情は真剣そのもの
先生方の解説に、参加したたまひよ読者の表情は真剣そのもの

セミナー会場では妊娠中のたまひよ読者17名も参加し、専門医のアドバイスに熱心に耳を傾けていました。

終了後にセミナーの感想を伺うと、「RSウイルスの感染経路や対策がとてもわかりやすかった」(妊娠8カ月)、「知人の子が感染して大変だと聞いていた。重症化リスクや対策を学べて勉強になった」(妊娠6カ月)、などの声が聞かれました。

RSウイルスの感染は夏にピークを迎える傾向にあるとのこと。高齢者と同居する家庭や、実家に里帰り・帰省するご家庭では、それぞれの体調管理や地域の流行状況を確認するなど、対策をしっかり心がけましょう。

「RSウイルス感染症」と「母子免疫」について、くわしく知りたい方は、ぜひかかりつけの産婦人科の先生に相談してみてくださいね。

赤ちゃんのためにできることは?RSウイルスを学ぶ

アンケートにご協力をお願いします。ぜひこの記事を読んだ感想をお聞かせください

アンケートはこちら

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※紹介した意見は個人の印象、意見でありすべての方が同様の意見とは限りません。感染症や予防について詳しく知りたい方は医師にご相談ください。
※記事は、感染症専門医、小児科医、産婦人科医とパネリストによる赤ちゃんを迎えるご家庭向けファミリーセミナー「高齢者から孫世代で考えよう『RSウイルス感染症』」における内容に基づいて作成しています。

ABR45P056A
2025年8月作成
提供/ファイザー

▼こちらの記事もあわせてチェック!

新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。