危険!妊娠中のめまい・立ちくらみ・動悸…原因と対処法を産婦人科医が解説
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妊娠中は、めまいや立ちくらみ、動悸を感じやすくなる傾向があります。今回は、妊娠中にありがちなめまい・立ちくらみ・動悸に関する気がかりについて、産婦人科医の小川隆吉先生に答えていただきました。先輩ママのめまい・立ちくらみ・動悸対策法も紹介します。
妊娠中の「めまい・立ちくらみ」ココが気になるQ&A
妊娠中は、おなかの赤ちゃんに優先的に血液を送るため、脳への血液循環が低下しやすい状態です。そのため、一時的に血圧が低下して脳貧血(立ちくらみ)を起こしやすくなります。
先輩ママから寄せられた「妊娠中のめまい・たちくらみ」気になる症状について、小川先生に答えていただきました。
Q 目の前が真っ白になることが…。外出するときの注意点は?
A 目の前が真っ白になるのは、脳貧血のほか、低血糖や脱水症状が原因のこともあります。のどの渇きや空腹をがまんすると立ちくらみを起こしやすくなるので、外出時は小まめに休憩しましょう。
Q1 おふろ上がりに立ちくらみ、これも妊娠のせい?
Q2 貧血検査では問題がないのに、めまいがします
A 急な立ちくらみやめまいは、脳貧血です。急に立ち上がったり、長時間立ちっぱなしだと、脳に十分な血液が届きません。ゆっくりとした動作を心がけましょう。
妊娠中の「動悸」ココが気になるQ&A
妊娠中に「動悸」が起こるのは、心臓が子宮に圧迫されドキドキしやすい状態になっているためです。
妊娠後期は大きな子宮が横隔膜を押し上げて、心臓が少しだけ圧迫されます。また、循環血液量が増加するため、血液が心臓まで戻るのに負担がかかり、動悸を感じやすくなります。
Q つわりで体重が減ったら、動悸が起こるように
A つわりが重症化し、妊娠悪阻の状態で動悸が起きているときは、脱水症状が進んでいる心配があります。早めに受診しましょう。
Q 食後に動悸がひどくなります
A 食後は食べ物を消化しようと体がフル回転します。早食いすると動悸を招きやすいので、よくかんで、ゆっくり食べるようにしましょう。
先輩ママの「めまい・立ちくらみ・動悸」対策
先輩ママはどうやってめまい・立ちくらみ・動悸を乗り切ったのでしょうか? リアルな対策を伝授します。
対策1:動悸
家事をするだけで息切れがして胸がドキドキ。10分くらい横になると治まったので、休み休み行動しました。(産後5カ月)
対策2:立ちくらみ
妊娠初期から長時間歩いたときにクラッとするように。なるべくゆっくり歩き、小まめに休憩するようにしました。(産後1年4カ月)
対策3:動悸
通勤電車で立っているときに目の前が真っ暗になり、激しい動悸が…。席を譲ってもらったり、途中下車して対処しました。(産後1年1カ月)
妊娠中は脳貧血や低血糖、脱水が、めまいや立ちくらみを起こす要因となります。妊娠後期の動悸は、大きくなったおなかに押されて心臓が少しだけ圧迫されることなどによって起きます。日ごろから急な動作は避け、落ち着いてゆっくりの動作を心掛けて。めまいなどを感じたら横になったり、休憩を取ったりするようにしましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
1975年日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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