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妊娠初期の気になる出血・おりものの原因と、対処法

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妊娠すると、ちょっとしたことでも出血しやすくなります。また、おりものの量が増えることもあるようです。もしも出血やおりものが見られたら、どんなことに注意すればいいのでしょうか。また、それぞれの原因や症状についても説明していきましょう。

初期の出血の原因はさまざま

妊娠すると子宮粘膜に充血が起こりやすくなるため、ちょっとしたことでも出血しやすくなります。ですから、妊娠中に出血があってもトラブルではない場合もあります。とくに妊娠初期の出血には、心配のないものも多いでしょう。
一方で、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)など、重大なトラブルの兆候であるケースもあるので注意が必要です。少量でも出血が見られたら、自己判断は禁物です。医師に相談して適切な処置を受けるようにしましょう。

出血があったときのチェックポイント

出血が見られたらすぐに産院に連絡するのが基本です。出血が少量でも、ひとまず連絡しましょう。とくに切迫流産の場合は、早めに受診し、医師に判断してもらうことが大切です。あわてずに生理用ナプキンを当て、かかりつけ医に状況を的確に説明しましょう。連絡する際には、
○妊娠週数
○おなかの張りの有無
○出血の色や量
を伝え、医師の指示を仰ぎましょう。連絡する前に伝える内容をメモしておくと、あわてずに済みます。たとえ出血があっても、診察して赤ちゃんの心拍が確認できれば、まず心配はありません。

あまり心配のない出血

①【絨毛膜下血腫】
○症状は?
子宮を包む絨毛膜という膜の外側に血液が溜まっている状態で、切迫流産の症状の一つでもあります。自覚症状がない場合もありますが、出血や下腹部の痛みを伴うことも。出血量によっては安静を指示されます。
○赤ちゃんへの影響は?
妊娠経過が順調なら、胎盤が完成される妊娠4、5カ月には症状が治まるはずなので、赤ちゃんへの影響はありません。

②【月経様出血(着床時出血)】
○症状は?
本来の月経予定日である妊娠4週ごろ、月経時のような出血をすることがあります。月経時と比べて出血量は少なく、2〜3日で治ります。

③【子宮腟部びらん】
○症状は?
膣の奥深く、子宮の入り口がただれている状態。妊婦さんに限らず、若い女性の不正出血の原因としても多く見られます。内診やセックスの刺激で出血することも。おなかの痛みや張りはなく、少量の出血があったり、おりものに血が混じったりすることも。生理的なものなので心配ありませんが、自己判断せず、まずは産院に連絡を。

④【子宮頸管ポリープ】
○症状は?
子宮頸部に出来る良性のポリープ。ポリープから出血することはありますが、痛みはなくほぼ無症状。
○赤ちゃんへの影響は?
ポリープが流産の原因になることもあります。また感染症を発症し、それが引き金となって早産を引き起こす可能性も。ポリープの大きさや位置、状態によって違いますが、必要なら妊娠中に切除することもあります。切除すればほぼ問題ありません。

トラブルによる出血

①【胞状奇胎】
○症状は?
胎盤を形成するもととなる絨毛が病的に増殖し、ブドウのような水泡状の粒で子宮内を満たしてしまう病気です。つわりの症状がひどいのが特徴で、茶色のおりものや少量の出血が続くことも。
○赤ちゃんへの影響は?
なるべく早く子宮内容除去手術を行います。その後もしばらく通院して様子を診ます。

②【異所性妊娠(子宮外妊娠)】
○症状は?
受精卵が子宮の中ではないところに着床してしまうことで、その98%は卵管に着床します。妊娠反応が陽性でも、子宮内に赤ちゃんが見えないことで異所性妊娠が疑われます。また、卵管妊娠をほうっておくと卵管が破裂し、大量の出血や激痛、血圧低下などのショック症状に陥ることもあり、大変危険です。
○赤ちゃんへの影響は?
残念ながら赤ちゃんは諦めることになります。卵管破裂が起こった場合は、手術で着床部分を切除する必要があります。もう1つの卵管に異常がなければ、次の妊娠も可能です。

④【子宮頸がん】
○症状は?
子宮頸部にできるがんで、自覚症状がないことも多いのですが、不正出血が見られたときは進行していることも。妊娠初期の検査がきっかけで発見されることもあります。
○赤ちゃんへの影響は?
妊娠中に発見される子宮頸がんの多くは、前がん状態(がんに向かっている状態)か初期のものです。ごく初期のがんは子宮頸部を円錐状に部分切除することがありますが、前がん状態では、多くは細胞診を行いながら経過観察を続けて出産に臨みます。がんが進行していてそのままでは命に関わるケースでは、早めに帝王切開分娩後、直ちに子宮摘出をすることもあります。

⑤【早期流産】
○症状は?
早期流産(~妊娠12週未満)のほとんどは赤ちゃん側に原因があります。症状は流産の状況によって違いますが、一般的には出血や下腹部の痛みや張りなどの症状があります。
○赤ちゃんへの影響は?
流産が確定してしまったら、残念ながら赤ちゃんはあきらめることに。流産の状況によっては手術をしないこともありますが、子宮内に赤ちゃんや胎盤などの組織が残っている場合は、できるだけ早い時期に手術を行います。

⑥【切迫流産】
○症状は?
妊娠22週未満に出血や下腹部痛といった流産と同じ症状がある状態のこと。出血やおなかの張り、痛みなどの症状は早期流産と変わりませんが、決定的な違いは、妊娠が継続していることです。
○赤ちゃんへの影響は?
妊娠経過が順調であれば、特別な治療はしませんが、安静にすることが大切です。症状が改善し、妊娠経過が正常に進めば、赤ちゃんには影響はありません。

妊娠中のおりものについて

おりものとは、腟や子宮頸管から分泌される粘液や腟の表面細胞がはがれたもの、細菌、白血球などからできていて、腟の健康状態を保つためにとても大切なものです。妊娠するとホルモンの影響で初期に一時的におりものの量が増えます。おりものは乳白色で粘りがありますが、強いにおいなどはありません。なお、妊娠後期になってお産が近づくと、再びおりものが増えます。

日ごろはどんなケアをすればいい?

通気性のいい下着を身につけ、下着が汚れたらこまめに取り替えましょう。仕事をしていて下着を替えるのが難しいときは、おりもの専用ナプキンなどを使ってもいいでしょう。ただし、汚れたらすぐに交換してください。中には、肌が弱い人や体質によって肌がかぶれてしまうママも。その場合は使用をやめましょう。

おりものの量が増えたら?

おりものの量が増えるのは不快なことです。量が増えただけで、かゆみや色、においなどに変化がなければ、生理的な増加なのでとくに心配はありませんが、健診時には医師に相談しましょう。

かゆみやにおいが出てきたら注意

おりものがあり、かゆみを伴うときや、普段と違う色のおりものが出てきた場合、異臭がするような場合は、カンジダ腟炎などにかかっている可能性があります。産院の医師に相談して適切なケアを受けましょう。市販のかゆみ止めなどを自己判断で使わないようにしましょう。また、ビデなどを使うと、腟内の自浄作用を保つのに必要な菌まで失われてしまうことがあるのでやめましょう。

まだ妊娠して間もない初期に、出血やおりものがあると心配になってしまうものですが、正しい知識と対処法を知っていれば、あわてることはないはず。安心で快適な妊娠生活を過ごしたいものですね。

執筆/たまごクラブ編集部
監修/日本赤十字医療センター 周産母子・小児センター顧問
東都文京病院 院長 杉本充弘先生

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