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いつもと違うと感じたら。細菌感染など「おりもの」でわかること、妊娠時の注意すべき点も【医師監修】

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女性のトイレ
GeorgeRudy/gettyimages


着床(ちゃくしょう)後、基礎体温の高温期が続き、生理予定日の前後におりものが増えるのも、妊娠兆候のひとつ。妊娠初期は免疫力が低下して、腟内の常在菌のバランスが乱れやすく、おりものが変化しやすくなるのです。
妊娠初期のおりものの変化や、注意すべきおりものについて、東峯婦人クリニック理事長の松峯寿美先生に聞きました。

妊娠初期は、どうしておりものの状態が変化するの?

子宮頸管から分泌される粘液は、排卵日の前後はサラサラな状態。これは精子が子宮頸管を突破して子宮内に入りやすくなるように手助けするためです。
そして、妊娠が成立すると、今度は粘りけのあるおりものを分泌して、細菌が中に侵入できないようにガードするしくみがあります。おりものの粘度は生理周期と同様に、プロゲステロン(黄体ホルモン)によってコントロールされているのです。

おりものって、どんな役割をしているの?

おりものには細菌の侵入を防いで、腟内の常在菌のバランスを守り、腟内の老廃物を洗い流す「自浄(じじょう)作用」という働きがあります。また、腟内を潤して乾燥から守る働きもあり、スムーズにセックスができるのはおりもののおかげなのです。
排卵期には女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響でサラサラになり、精子が子宮頸管を通過して受精しやすくなるように手助けをしています。そして、妊娠すると、今度はプロゲステロン(黄体ホルモン)が優位になって、細菌感染を防ぐために粘りけのあるおりものが分泌され、子宮の内側に雑菌や異物が入り込まないようにガードする役割を果たしているのです。

妊娠すると、おりものの状態が変わるの?

女性の腟内ではおりものが自浄作用の働きをしてくれるおかけで、本来は弱酸性に保たれています。しかし、妊娠すると免疫力が低下して、おりものが増えやすくなります。
ちょうど妊娠検査薬を試して妊娠が判明するころ、「最近、おりものが増えたみたい」「少し粘りけがある感じ」と、これまでとは違うおりものの変化に気づく人も多いでしょう。これはプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響です。

妊娠中に自浄作用が乱れやすいのは、どうして?

腟内のおりものは、通常はデーデルライン杆菌(乳酸杆菌 にゅうさんかんきん)と呼ばれる善玉菌の働きで常在菌のバランスが保たれています。健康な女性のおりものは、ほのかに酸っぱい香りがしますが、これはデーデルライン杆菌の働きによって弱酸性に保たれているからです。腟の中に細菌が侵入したとしても、増殖できないように腟や子宮を守ってくれているのです。
妊娠初期のママの体は、本来は異物であるはずの受精卵を受け入れるために免疫力が低下する時期。腟内の自浄作用が乱れて常在菌のバランスが変化しやすくなるため、おりもののph(ペーハー)値も変動します。本来の弱酸性から中性、弱アルカリ性に傾きやすくなるため、腟トラブルを招きやすくなるのです。

生理的なおりものと、異常なおりものの見分け方は?

「おりものの色がいつもと違う」「イヤなにおいがする」「外陰部にかゆみがある」など、いつもと違う変化に気づいたら、細菌感染を起こしているのかもしれません。かかりつけの産婦人科を早めに受診しましょう。

<正常なおりものは?>

・色は透明、もしくは白っぽい半透明。分泌量には個人差があります。
・やや酸っぱいにおいがすることも。

<こんなおりものが見られたときは?>

・白い
白っぽい粘液が出るのは普通なので、心配いりません。ただし、パサパサしたカッテージチーズのようなおりものが見られたら、カンジダの心配があります。

・ピンク色や茶色(血液が混じる)
少量の鮮血が混じると、ピンクがかったおりものになります。少量とはいえ鮮血ですから、すぐに止まるのか、続くのか、今後の経過に気をつけましょう。色が変わって赤くなるなど、色が濃くなったときには受診してください。着床時出血、子宮頸管ポリープから出血している場合は、流産の心配はないでしょう。

・黄色い
ピンクや茶色のおりものが古くなると黄色っぽくなって、においが混じります。黄色い膿(うみ)のようなおりものが見られたら、クラミジアなどに感染している可能性もあるため、要注意。イヤなにおいがしたり、かゆみがある場合は腟のトラブルの恐れがあります。

・血のかたまりが混じる
血のかたまりが混じって、腹痛を伴う場合は流産の可能性があります。すぐに受診してください。

・イヤなにおい、かゆみがある
自分が敏感になっているケースもありますが、アミン臭と呼ばれるタンパク質が腐敗したようなにおいは、細菌感染を起こしている可能性があります。腟粘膜が炎症を起こし、おりものが変化したため、イヤなにおいが生じるのです。かゆみを伴うケースが多いでしょう。

・サラサラしている、量が多い
透明であれば問題ありませんが、黄色っぽい場合は細菌感染を起こしている可能性があります。ただ、白っぽい色なら、あまり心配ないでしょう。

おりもののほかにも変化することはある?

女性ホルモンの影響で外陰部の皮膚が腫れぼったく感じたり、おりものの増加とともに外陰部にかゆみを生じることがあります。かゆみがあるときは、細菌感染を起こしている心配もあるため、早めに受診してください。

外陰部に不快感が生じるケースも

おりもの以外の変化としては、外陰部がぽってりと厚みを増すことがあります。これは決して異常ではなく、女性ホルモンのエストロゲンの影響で、外陰部がふっくらとするためです。外陰部や小陰唇の皮膚が厚みを増すことで、細菌などの侵入からガードする役割もあるのです。
また、腟内の常在菌のバランスが乱れて細菌感染が起きると、色のついたおりものや、イヤなにおいがするおりものが見られたり、外陰部にかゆみが生じることがあります。これはカンジダ腟炎や細菌性腟炎など、腟トラブルのサイン。早めにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。

・カンジダ腟炎
[おりものがカッテージチーズや酒ガスのような、白くてボソボソした状態に]
[外陰部に強いかゆみ]

カンジダはもともと腟内にいる真菌(しんきん)というカビの一種。常在菌ですが、疲労したり、抗生剤の服用によって自浄作用が低下すると発症しやすくなります。刺激すると悪化するので、石けんでゴシゴシと洗いすぎないように注意。抗真菌剤の腟錠や塗り薬で治療します。

・クラミジア腟炎
[おりものの量がやや増加することがあります]
[多くの場合は無症状ですが、性交時の出血や、下腹部痛を伴うことも]

クラミジアトラコマチスという病原微生物が原因。ほぼ無症状のため、検査で判明します。セックスで感染し、子宮頸管や、赤ちゃんを包む絨毛(じゅうもう)膜や羊膜(ようまく)に炎症が起きると早産の心配があります。抗生剤で治療します。

・トリコモナス腟炎
[黄色っぽい泡状のおりものが見られます]
[外陰部や腟に強いかゆみが起こります]
[性交時や排尿時に痛みを感じることも]

トリコモナス原虫が原因。腟内や外陰部のほか、尿道、膀胱(ぼうこう)へと広がっていく心配があるため、早めに治す必要があります。抗生剤の飲み薬と腟錠を1週間ほど使用して治療します。セックスで感染するため、夫婦で一緒に治療することが大切。

・細菌性腟症
[アミン臭といって、タンパク質か腐敗したような生臭いにおいのおりものが見られます]
[おりもの自体はサラサラしていることが多いですが、灰色っぽくなることもあります]
[これといった自覚症状がないまま、子宮頸管炎や絨毛膜羊膜炎を起こし、流産や早産の原因となることも]

おりものの中にいるデーデルライン杆菌の働きが低下するのが原因。腟内の悪玉菌が優勢になり、腟内→子宮頸管→子宮内部へと細菌感染が上向する心配があります。赤ちゃんを包む卵膜(絨毛膜・羊膜)に感染が及ぶと、流産や早産の恐れもあるため、炎症反応が見られたら抗生剤で治療します。

おりものが増えたときに、自分でできるケアは?

妊娠中は免疫力が低下して、腟内や外陰部に常在するデーデルライン杆菌が減少します。そのため、感染防御作用が落ちて、自浄作用が乱れやすくなります。清潔を心がける必要がありますが、石けんなどでゴシゴシと洗いすぎるはNG。本来の外陰部の皮膚のバリア機能が壊れて、乾燥やかゆみを招きやすくなってしまうためです。おふろに入ったときは、低刺激の石けんを使って、指でやさしく洗い流す程度にしましょう。
また、おりものシートは雑菌のすみかになりやすいため、おりものシートを使うときは、トイレのたびに交換するようにしましょう

妊娠初期におりものが増えるのは、ママの体が赤ちゃんを受け入れるために免疫力が低下するため。おりものが増加すること自体は生理的な現象なので心配はいりません。
ただし、色のついたおりものや、におい、かゆみを伴う場合は腟のトラブルが起きている可能性が。不快感を伴うときは早めに受診しましょう。

●監修/松峯寿美先生(東峯婦人クリニック理事長)
●文/ライター 大石久恵、たまごクラブ編集部

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