妊娠中のおなかの張り・痛み【危険度】の見分け方&危険な張り3つのサイン
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おなかの張りや痛み、出血はトラブルのサインとして起こることがあります。必ずしも流産・早産につながるわけではありませんが、「どんな症状が危険か?」を前もって知っておくと、もしものときに冷静に対処できますね。今回は、おなかの張りや痛み、出血の対処法について、産婦人科医の小川隆吉先生に教えていただきました。
おなかの張り・痛みには「生理的な張り」と「危険な張り」があります
おなかが張ったとき、安静にして治まるようなら、生理的な張りなので心配いりません。ただし、強い張りが頻繁に繰り返されると子宮頸管が短くなって流産・早産につながる心配があります。
・安静にして治まるかどうか、
・張りが強まっていないか
この2点を確認する習慣をつけましょう。
おなかの「張り・痛み・出血」危険度の見分け方
おなかの張り・痛み・出血が起きたとき、あわてずに対処できるように、どんな症状が危険か、知っておきましょう。
おなかの「張り」とは?
子宮の筋肉が収縮して、おなか全体がかたくなる状態。自分の手で触れたときにもわかります。妊娠7~8カ月から張りやすくなりますが、短時間で治まる場合は心配いりません。
どんな張りが危険?
安静時も頻繁におなかが張ったり、規則的だったり、強く張ったり、張っている時間が長いときは危険信号。痛みや出血を伴う場合は、子宮頸管や子宮口が開き始める心配があります。
どんな出血が危険?
鮮血だったり出血量が多い場合、おなかの張りや痛みを伴う出血は、切迫早産や胎盤トラブルが心配です。また、前置胎盤と診断されている場合は、少量の出血でもすぐに受診を。
おなかの「張り」はなぜ起こる?
おなかの張りには、いくつかの原因があります。主な原因を知っておきましょう。
★子宮が大きくなるときの生理的な現象
胎児が成長して子宮が大きくなると、伸びたゴムが縮もうとするようにキュッと収縮します。また、子宮を支える靭帯が引っ張られる感覚を「張り」として感じることもあります。
★絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)
腟から入った細菌が腟内→子宮頸管→卵膜へと感染すると、炎症物質が産生されて、子宮収縮の原因になることがあります。
★ママの疲労・ストレス
体の疲労や精神的ストレス、下半身の冷えなどがおなかの張りの原因になることも。赤ちゃんのためにも、生活を見直しましょう。
危険な張りの特徴は?
「規則的」「強い張り」「長い張り」が少し休んでも治まらないときは、危険信号です。
まずは「横になって休んで治まるかどうか」をチェック。規則的な張りが続いたり、強い張り、張っている時間が長いという場合は、子宮頸管が短くなるなど、トラブルの可能性が大。産院に連絡して受診しましょう。
おなかの張りは「ママ、休んで」という赤ちゃんからのメッセージ。張りを感じたら、横になったり、座ったりするなど、休憩を取りましょう。張りや痛みが治まらなかったり、強くなったり、出血などほかの症状を伴うようなら、産院に連絡して相談してください。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
1975年日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
URL http://www.ogawaclinic.or.jp
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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