これも妊娠のサイン!? 妊娠反応が陽性になる前~妊娠初期の症状をチェック!
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妊娠にはどうやって気づくの? その後はどうなるの? 妊娠したら現れる体の症状と、期待と不安でいっぱいの妊娠判明から確定までの見通しをチェックしておきましょう。「妊娠かもしれない」と気づいた時点から気をつけたいこともあります。産婦人科医の新村朋美先生に詳しく伺いました。
妊娠の兆候、症状はこんな形で現れます
妊娠反応が陽性になる前から、ママの体は非妊娠モードから妊娠モードへ。劇的なホルモンバランスの変化によって不快な症状も出始めます。症状の現れ方には個人差があり、妊娠が確定する前はだれかに相談というわけにもいかず、一人で不安を抱え込みがちかもしれませんね。こんな症状がある場合は妊娠の可能性を考えましょう。
体温の変化
□微熱が続いている
□体がぽかぽかしている
体調の変化
□おりものが増える
□ひどく眠い、だるい
□肌荒れがひどくなる
□頭痛や股関節など体のあちこちに痛みが出る
□(生理のときのような出血はないのに)生理痛のような下腹部の痛みが続く
□ひどいめまいや立ちくらみが繰り返し起きる
胸の変化
□胸が張るようになった
□肌着が触れると乳首が痛く感じる
消化器の変化
□においに敏感になる
□何を食べても気持ち悪く吐きけがする
□急に食欲がなくなる
□つばがやたらと出る
□便秘になりやすくなる
生理の変化
□いつもは順調な生理が遅れている
□生理が遅れ、少量の出血が
□生理は予定どおり来たが、1日で終わった
□いつもと生理の様子が違う
〈生理予定日ごろの出血、それは着床時出血かもしれません〉
着床時出血(ちゃくしょうじしゅっけつ)とは、受精卵が子宮に着床するとき、子宮内膜に胎盤のもととなる絨毛(じゅうもう)という根っこのような組織が入り込む過程で生じる出血。生理予定日の前後に起こり、少量で色も薄めか茶褐色、短期間で治まることがほとんどなのが特徴。50人に1人くらいが経験しているといわれています。
メンタルの変化
□イライラする
□涙もろくなる
症状の原因にはホルモンバランスの変化が関係しています
どれくらいの症状があてはまりましたか。このような症状の原因には、妊娠によって分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)と呼ばれる妊娠ホルモンがかかわっています。hCGは排卵後の卵巣(黄体)を刺激して大量のエストロゲンとプロゲステロンを分泌させます。とくにプロゲステロンは、基礎体温を上げ、子宮内膜を厚くし、乳腺を発達させるなど、妊娠の継続を助ける重要な役割を果たします。一方で、内臓や血管を形作る平滑筋をゆるめる作用があり、子宮や胃腸の収縮を抑制。胃腸の不快症状や自律神経の乱れ、頭痛などが起こりやすくなる上、妊娠初期のママは、この影響を感じやすいといわれています。
産婦人科を受診しなければ妊娠の確定はできません
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熱っぽい、だるいなど妊娠の兆候があり、生理が予定日より5日以上遅れている場合は、尿中のhCGに対する反応を調べる妊娠検査薬で妊娠の可能性をチェックしましょう。朝いちばんの尿は濃いため反応が出やすく、食事をし、水分をとった昼ごろは薄くなるなど、検査をする時間帯によって、尿中の濃度が変わることがあります。検査薬で陽性反応が出たら産院を受診しましょう。検査薬で陽性が出ても産婦人科のエコー(超音波)検査で胎嚢が見えて、赤ちゃんの心拍が確認できるまでは、正常な妊娠の確定診断はできません。医学的に何週までに受診しなければならないということはないですが、初診は生理予定日から1カ月(妊娠7週)以内を目安にしましょう。妊娠11週を過ぎると正確な妊娠週数を診断しづらくなります。
「いつもと違う。妊娠かも?」と思ったら、気をつけることがあります
産婦人科で妊娠の確定診断を受ける前であっても、妊婦としての自覚を持って気をつけたいことがいくつかあります。守れなかったら必ずトラブルになるというわけではありませんが、わかった時点からでいいので、意識をして過ごすようにしましょう。
薬の使用は慎重に。産院に相談してから
妊娠経過に影響することがあります。市販薬を通常の範囲で使用した程度であればまず問題はないですが、薬の使用は慎重に。
たばことお酒をきっぱりやめる
たばこ、アルコールは赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠?と思ったらやめましょう。
X線などの検査時は必ず妊娠の可能性を伝える
妊娠の可能性が少しでもあるときは、X線の検査を受ける前に必ずそのことを伝えるようにしましょう。
自転車や車の運転はなるべく控える
妊娠すると、眠けやだるさなどが現れやすくなります。やむを得ず運転をする場合も、体調を見ながら十分に注意を払うようにして。
人ごみを避ける
感染症予防のためにも、不必要に人ごみに近づかないこと。人ごみは疲れの原因になり、不快症状の悪化にもつながります。
葉酸を積極的に摂取
葉酸の摂取で赤ちゃんが神経管閉鎖障害を発症するリスクが減るとの報告があります。食事では十分な量をとりにくい傾向があるので、不足分はサプリメントで補うといいでしょう(通常の食品以外の摂取上限量は900~1000μgです。ただし、無脳児などの既往がある場合は4000~5000μgの摂取が推奨されます)。
妊娠がわかったら、パパに伝えておくといいことがあります
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おなかが目に見えて大きくなるわけではないけれど、子宮では赤ちゃんが着々と育っている妊娠初期。パパは、ママ以上に妊娠の実感がわきにくいかもしれません。でも、不安とさまざまな不快症状が押し寄せてくるこの時期だからこそ、ママだけでなくパートナーであるパパと2人で協力して乗り越えることが大切です。パパに知っておいてほしいことをまとめました。
見た目はまだ変わらなくてもママの心と体は確実に変化しています
吐くだけがつわりではありません。パパが飲んだもの、食べたものを見えるだけで気持ちが悪くなることもあります。今までに経験したことのない眠けやだるさ、疲れやすさとも戦っています。食生活の乱れや、家事をほうって寝ているママを責めないで。外食やアルコールなどのにおいに気をつけましょう。ふろ、トイレなどの水まわりの掃除を引き受けてくれるとうれしいものです。
妊娠によるさまざまな変化でママは基本的に不安でいっぱいです
未知の経験に不安なうえ、我慢しないといけないことが出てきたり、ホルモンバランスの変化の影響などで情緒不安定になったりして、ママ自身が自分をコントロールできずつらい思いをしています。飲み会などは控えて、一緒に過ごす時間を増やしましょう。ママの話にはしっかり耳を傾けて。
たばこの害を理解し、今すぐ禁煙しましょう
たばこに含まれる成分は、母体の血管を収縮させ、胎児の健康や発育に悪影響を及ぼします。換気をしても有害物質は壁などに付着。この機会に、家でも外でもきっぱり禁煙を。
感染症予防を心がけましょう
仕事などで人ごみを避けるのは難しいかもしれませんが、妊娠4~10週ごろの「器官形成期」は、感染症にとくに気をつけたい時期。とくに、風疹(ふうしん・三日ばしか)、麻疹(ましん・はしか)、伝染性紅斑(りんご病)はママが感染すると妊娠経過に影響する恐れがあります。通勤中はマスクを着用する、帰宅後は手洗い、うがいを必ずするなど、家庭にウイルスを持ち込まない努力を。伝染性紅斑は予防接種がなく、風疹、麻疹の予防接種は生ワクチンであるため、妊娠中のママは受けられません。とくに30~50代のパパは、風疹の予防接種を受けていない可能性が高いので、これを機に受けておくことをおすすめします。
ママが妊娠に気づく前や、まだ妊娠が確定しないころでも、ママの体は赤ちゃんを育てるために著しく変化をしています。この時期は、そうした変化に心がついていかず、うれしいはずの妊娠がつらいものに思えてしまうこともあるかもしれません。そんなときはおなかの赤ちゃんのことを想像してみて。赤ちゃんも頑張っています。パパも巻き込みながら、前向きに乗り越えていきましょう。
(文/たまごクラブ編集部)
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