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初めて妊婦さんにもやさしくわかる、流産のすべてQ&A

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流産といっても、症状の表れ方や状況にいろいろなケースがあり、ケアの方法も違います。また、症状は同じでも妊娠が継続している「切迫流産(せっぱくりゅうざん)」という状態もあります。どちらも、妊娠初期のママにとってとくに気になるトラブルです。流産と切迫流産の違いや、流産のタイプとその後の対処、流産後の妊娠などについて、産科医の先生に教えていただきました。

関連:流産の基礎知識。その原因と症状と予防法

Q流産の症状ってあるの? 妊娠初期に出血が起こったら、流産してしまうの?

A出血だけで流産かどうかはわかりません

妊娠初期の出血はだれもが不安になります。心配のない場合が多いですが、トラブルのサインの場合もあるため、注意は必要です。流産の兆候には「出血」と「おなかの張り・痛み」がありますが、自覚症状がない場合もあります。また、流産の兆候と同じように出血やおなかの張り・痛みがあっても、超音波検査で赤ちゃんの心拍が確認できれば「切迫流産」と診断され、その後問題なく妊娠が継続する場合も。「出血」という症状だけでは流産かどうか、今後流産につながるかの判断はできず、超音波検査で赤ちゃんの心拍や子宮の様子を確認する必要があります。いずれにせよ、出血が起こったら、出血量やおなかの痛みの有無を産院に伝え、指示をあおぎましょう。

Q妊娠初期のおなかの痛みは流産と関係がある?

Deagreez/gettyimages

A痛みが続いていて我慢ができないときはすぐに受診を

妊娠したことによる体の変化で、腹痛を感じる人も少なくありません。ホルモンバランスの変化やつわりによって便秘気味になり、それを腹痛と感じていたり、子宮が大きくなるために腹痛を感じていたりする可能性もあります。腹痛のほとんどが生理的な体の変化によるものですが、あまりに痛みが強く、継続している場合や、出血を伴っている場合は流産のサインであることも。ただし、赤ちゃんの心拍や子宮の状態を診察してみないとわかりません。激しい痛みが続いたり、生理の2日目のような出血量が伴う場合にはすぐに受診をしましょう。

Q流産には原因があるの? 防ぐことはできないの?

A流産の多くは偶発的なものです

流産は妊娠22週未満(21週6日まで)に妊娠が終了してしまうことをいいます。流産は全妊娠の約15%の割合で起こるもので、決してめずらしいことではありません。そして流産の9割以上が妊娠12週未満に起こる早期流産。その原因の多くは、受精卵の染色体異常によるもので、ママが何かをしたから、あるいはしなかったから流産になるということはありません。早期流産は偶発的なもので、残念ながらなってしまったらとどめることはできず、「これをすればよい」という予防法もありません。流産を経験すると、なぜ?○○をしたから?と考えてしまうこともあるでしょう。本当に悲しいことですが、ある一定の確率で起こる運命的なもので、だれの責任でもありません。ママは決して自分を責めないでください。

妊娠12週以降の後期流産を経験した、2回以上続けて流産した場合は専門機関の受診を

流産の多くは偶発的なもので、だれにでも起こり得る可能性があります。ただし、妊娠12週以降の後期流産では、ママ側の原因が影響している可能性もあります。子宮頸管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)という病気や子宮のトラブルがあると流産しやすい傾向が。また、2回以上続けて流産した場合は習慣流産の可能性があります。どちらのケースでも、何が影響しているのか知るためにも、専門機関を受診してみるといいでしょう。

Q出血やおなかの痛みがないのに流産していることもあるの?

BrianAJackson/gettyimages

A自覚症状がなくても流産している場合もあります

流産は状況によって「完全流産」「不全流産」「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」「進行流産」に分類され、症状や子宮内や子宮頸管の様子でその後の対処法が違ってきます。流産の兆候には「出血」と「おなかの張り・痛み」がありますが、このような症状がなくても、赤ちゃんの心拍が確認できず流産している「稽留流産」が起こる場合もあります。

流産の種類と症状、その後の対処法

【完全流産】
子宮内にある胎嚢(たいのう=赤ちゃんの袋)などが完全に娩出(べんしゅつ)された状態。

○症状
腹痛ののちに、場合によっては多量の出血や血のかたまり、またはある程度の出血を認め、その後に下腹部に痛みがあるものの、しだいに消失し、ごく少量の出血があるか、完全に止まっている状態です。

○対処法
流産の手術は行わず、しばらく経過観察をします。

【不全流産】
子宮内の胎嚢などが、完全に娩出されずに一部が残っている状態。

○症状
下腹部の痛みが強くなったり弱くなったり、陣痛に似た痛みを感じることもあります。中等量〜少量の出血が続きます。大量に出血することもあります。

○対処法
確定したら、子宮の内容物を取り除く手術をすることがあります。

【稽留流産(けいりゅうりゅうざん)】
自覚症状はないものの、子宮内で胎児の心拍が確認できないか、胎児の姿が見られず、胎嚢だけがそのままとどまっている状態。

○症状
出血や腹痛といった自覚症状はないことも多い。

○対処法
確定したら、子宮内の内容物を取り除く手術をすることが原則です。

【進行流産】
子宮が収縮を開始して、流産が進行している状態。

○症状
陣痛に似た規則的な強い痛みが続いて、多めの鮮やかな色の出血が見られます。

○対処法
流産が確定したら、子宮内の内容物を取り除く手術をすることが原則ですが、経過観察をすることもあります。

Q流産の処置はどんなことをするの?子宮内容除去術ってどんな手術?

A子宮の中に残った卵膜(らんまく)などを取り除きます

妊娠12週未満の稽留流産や不全流産の場合、子宮内に胎児や卵膜などがとどまっており、そのままにしておくと大量出血や感染症などを起こすリスクがあります。それらを防ぐため、子宮の中をきれいにする子宮内容除去術という手術を行うのが一般的です。日帰りで行えるケースもありますが、事前に子宮頸管を広げる処置を行う施設もあり、その場合は入院が必要なこともあります。また、手術をせず、自然に子宮の内容物が排出されるのを待つ、「待機」という選択ができる場合もありますが、メリット、デメリットがあるため、医師と相談の上、流産の状況やリスクも考えて、よりよい方法を選択しましょう。

Qもし流産を経験したら? 流産後、次の妊娠はどうなるの?

gyro/gettyimages

A気持ちと体の回復をいちばんに考えて
めずらしいことではないといっても、流産を受け止めるのは簡単なことではありません。精神的に落ち込んでしまうこともあるでしょう。悲しい気持ちは、パパや家族、産院のスタッフに相談してみてください。
子宮内容除去術のあとは1週間程度で健診があり、子宮の回復具合をチェックします。術後1カ月くらいで月経が再開することが多く、次の妊娠は月経が2~3回きてからのほうが安心と考えられています。ただし生理周期など個人差もあるので、どのくらい月経を待てばいいかは医師に確認しておくといいでしょう。あせらず、気持ちと体がきちんと回復してから、次の妊娠を考えるほうがいいかもしれません。順調に子宮が回復すれば、流産が次の妊娠に影響を及ぼす心配はありません。

赤ちゃんの成長を楽しみにしているママにとって、流産してしまったら…という不安な気持ち、また流産を経験したときの悲しみはどちらも計り知れません。ひとりで抱え込まず、周囲の人に話を聞いてもらい、体の状態で気になることは医師に相談しましょう。
(文/たまごクラブ編集部)

監修/江良澄子先生(埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター 産科外来医長)

関連:切迫流産と診断されたら? その原因と症状、対処法

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