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助産師さんに聞く! つわりを軽減するコツ

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AndreyPopov/gettyimages

つわりの原因はよくわかっていませんが、セルフケアで楽にする方法はいろいろあります。ポイントは、「胃を空っぽにしない」「脱水症状にならない」「体を休める」。ストレスをためないことも大切です。つわりを軽減するコツを愛育病院(神奈川県)の助産師・永島直美さんに聞きました。

まず知っておきたい つわりの基本

まずはその原因や気をつけたいポイントを知っておきましょう。

つわりの原因 ホルモンの大量分泌?

つわりの原因は、はっきりとわかっていません。ただ、妊娠初期に胎盤からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが大量に分泌されることで、ママの体が急激な変化に対応できないからと考えられています。hCGのレベルが高い人がつわりがひどい傾向があります。また、黄体ホルモンの分泌が増えると高温期が続いたり、腸管の動きが悪くなり便秘やムカムカする症状が起きやすくなるから、ともいわれています。ほかにも、ビタミン不足による代謝障害、血糖の変動、精神的な影響など、さまざまな説がいわれています。

つわりの症状 吐きけや嘔吐だけじゃない!

つわりは8割以上のママが経験するといわれていますが、症状や度合いはさまざま。症状は1つだけではありません。

<先輩ママのつわりの症状>
1位 だるい・眠い 45%
2位 においに敏感 43%
3位 ムカムカして気持ち悪い 29%
  食べづわり 29%
5位 偏食 25%
6位 時々吐く 22%
7位 1日何度も吐く 22%
8位 頭痛 20%
※複数回答。たまひよアンケート2017年2月実施の結果より

つわりの時期 多くは妊娠5~14週ころ

個人差はありますが、多くが妊娠5~6週から13~14週まで。8~10週でピークを迎え、日によっても、1日の中でも波があることが多いでしょう。多くは胎盤が完成する16週までに治まります。

こうなったら受診を!

脱水と体重の大幅な減少があったら受診を。水分をまったく受けつけず、濃いおしっこが少量しか出ないときは脱水のサイン。脱水症状を起こすと血管が詰まりやすくなるなど非常に危険です。悪化すると治療が必要な「妊娠悪阻(にんしんおそ)」になっているかもしれません。体重が減少したときや体がだるくてしかたがないときも医師に相談を。

<妊娠悪阻かも? 受診のサイン>
●水分をまったく受けつけない
●トイレの回数が減り、尿の量が少ない(脱水のサイン)
●体重が妊娠前の-5kg、または-10%
●常に吐きけがある、嘔吐(おうと)を繰り返してつらすぎる

つわりを楽にするコツ ~食べ方・飲み方編~

AndreyPopov/gettyimages

最大のポイントは「胃を空っぽにしないこと」。吐いてしまう人も、食べないと気持ち悪くなる人も、吐くのを怖がらず、消化のいいものを少しずつよくかんで胃腸にやさしいものを食べるようにしましょう。つわり症状をやわらげる漢方もあります。

食事を6回以上に分け、血糖値を維持する

空腹で血糖値が低くなると症状が出やすい傾向が。食事は小分けにして血糖値が下がらないようにしましょう。就寝時は、起きてすぐつまめるものを枕元に置いておくと、朝の吐きけ対策によいですよ。

とにかく水分補給! 脱水は吐きけが悪化します

吐くのがつらいからといって、食べない・飲まない状態が続くと脱水症状になります。でも、この脱水症状が進むとむしろ吐きけや頭痛が悪化します。少しずつでいいので水分補給だけは頑張って。

ビタミンB群(ビタミンB6や葉酸など)で緩和

たんぱく質の代謝がうまくいかないときにつわりが悪化しやすいといわれています。そのたんぱく質の代謝に不可欠なビタミンB6の摂取で、吐きけが軽減されることがわかっています。葉酸もビタミンBの一種で吐きけが軽減されるといわれています。水に溶けやすいので汁ものや蒸し料理がおすすめです。ビタミンはバランスが大事なので、ビタミンB6単独ではなくビタミンB群をいろいろ摂取しましょう。葉酸はサプリメントでとるのもいいですよ。

ビタミンB6=かつお、鮭、鶏ささみ肉、キャベツ、バナナ、さつまいもなどに多く含まれています。

だるさ対策はビタミンB1

体のエネルギーは、糖質とビタミンB1の助けで作られます。ビタミンB1が不足するとエネルギーが作れなくなり、だるさが増してしまうので、ビタミンB1を積極的にとりましょう。

ビタミンB1=玄米、そば、豚肉、豆腐、オクラ、トマトなどに多く含まれています。

糖質とりすぎもだるさの原因

糖質が多い食事はビタミンB1不足につながり、だるさが増してしまいます。つわりの時期は、ついついパンやめん、甘いお菓子を口にしがちですが、糖質のとりすぎに注意しましょう。

漢方に頼る

気持ち悪いのがピタリと治まる薬はありませんが、症状をやわらげる漢方はあります。医師に相談を。「半夏厚朴湯」(はんげこうぼくとう/不安を抑える)、「六君子湯」(りっくんしとう/胃腸の停滞に)、「小半夏加茯苓湯」(しょうはんげかぶくりょうとう/つわり・嘔吐に)、「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん/血液の巡りをよくする)など。

吐いてしまう人は塩分も補給

食べると吐いてしまう人は、水分と塩分が不足がちになり、ますます体調がダウン。水分と電解質のバランスを保つために、スポーツ飲料(糖分が多いものは薄める)や野菜スープ、みそ汁など水分と一緒に塩分も補給できるものをとるようにしましょう。脱水症状が出ているときは経口補水液もおすすめです。

唾液もなるべく飲み込む

唾液(だえき)がたくさん出て気持ち悪いと、全部吐き出しているママも多いですが、唾液は胃腸の負担を減らしてくれる大切な消化酵素。ガマンできる範囲内で飲み込んだり、飲み物で流し込んで。

<食べワザ>
●冷やして食べる
においに敏感になっているときは、食べ物を冷やすとにおいがあまり気にならなくなることもあります。ほんのり冷やす程度なら、胃腸に負担がかかりません。
●ほどよい酸味を味方に
クエン酸が含まれている“すっぱいもの”は、胃のムカつきを抑える作用が。レモン、トマト、酢など酸味のあるものは、さっぱり食べやすくなります。ただし、酸味が強すぎると胃腸の負担になるので注意。
●作らなくて済む工夫をする
できるだけ調理の手間や時間を省き、総菜や宅配サービスを利用するなど工夫してみましょう。
●吐きやすいものを食べる
吐くのを怖がって食べないと体力が持ちません。酸味の少ないジュースやバナナなど、吐いても後味が悪くないものを食べて吐くほうが、栄養がとれて元気をキープできます。先輩ママからは「吐くのをガマンするより吐いてしまうほうがすっきりする」という声も。

<飲みワザ>
●ストローでにおい&味対策
水のにおいや味も気持ち悪くなる人は、ストローを試してみて。意外とにおいも味も感じにくくなります。少しずつ飲みたいときにも飲みやすくなります。
●しょうがで吐きけ軽減
しょうがの辛み成分であるジンゲロール、ショウガオールなどは、吐きけを抑えるこ
とがわかっています。はちみつを加えてしょうが湯にしたり、紅茶に入れたり、炭酸水にしょうがを入れたジンジャーエールなどで取り入れてみて。
●炭酸水ですっきり
水やお茶が飲みづらいママに、のどごしのいい炭酸水は人気。でも、飲みすぎると胃がふくらんで余計に気持ち悪くなったり、ほかのものが食べられなくなるので注意しましょう。無糖や糖分少な目のものを選んで。レモンやライムなどの風味がついた無糖のものもあります。
●氷を口に入れる
どうしても水分がとれない人は、氷を口に含むワザを。冷たくて口の中がさっぱりして、ゆっくり解けていくので少しずつ水分補給ができます。氷の味が苦手なママは、製氷皿にレモン汁を入れて凍らせても。体を冷やすので食べ過ぎには注意。
●ハーブティーやフレーバーティーでリフレッシュ
気分転換に自分がすっきりできるお茶を飲むのもよいでしょう。ただし、ハーブの中には妊娠初期に避けたいものもあるので慎重に選んで。カフェインが含まれているものは1日1杯程度にしましょう。
●ジュースやスポーツ飲料は薄める
甘いものしか飲めないときは、それでもいいので水分補給を優先して。ただし、糖分をとりすぎるとつわりが悪化することもあるので、ジュースは薄めて飲むようにしましょう。

つわりを楽にするワザ ~グッズ・生活編~

Deagreez/gettyimages

つわり生活でいちばん大切なことは、無理をしないで体を休めること。グッズや生活の工夫で楽になれるワザをいろいろ試して、リラックスできる環境を整えて。

ストレスをためない

ストレスがあるとつわりが長引く傾向が。体調が悪くても、できるだけリラックスして過ごしましょう。

抱き枕を使う

自分がいちばん楽な姿勢でゆったり過ごしましょう。抱き枕や大き目クッションなどにもたれかかるようにしていると楽です。

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締め付けない下着や服を着る

体を締め付けると血行が悪くなり、気持ち悪くなることが。とくに下着はマタニティ用か締め付けがソフトなカップつきキャミソールに替えるとリラックスできます。

換気、マスクでにおい対策

においで気持ち悪くなるママは、まず換気をして空気を入れ替え、料理中や外出時はマスクをしてにおいからガードしましょう。

消臭・無香料

シャンプー、石けん、洗剤などを無香料のものにチェンジ。部屋のにおいは脱臭剤や布製品用のスプレーを使って消臭して過ごしやすい環境を整えて。

スマホやパソコンを見すぎない

明るい画面を見すぎると、自律神経のバランスが崩れ、夜眠れなくなることも。体が休まりません。

仕事や通勤の相談を

上司だけでも妊娠初期であることを伝えて、仕事を休むなど調整しましょう。通勤がつらい人は時差通勤にするなど、ラッシュの時間帯を避けるようにしましょう。

歯のケアもできる範囲で

歯磨きするのも気持ち悪いときは、低刺激の液体歯磨きを使ったり、デンタルフロスやつまようじを使う、うがいをするという方法も。できる範囲でOKです。

家事も無理しない

買い物、料理も弁当屋で総菜を買う、そうじはパパや家族、家族代行サービスを利用する方法も。今は甘えるのが正解!

ストレッチ&深呼吸

血液循環をよくするストレッチはおすすめ。深刻級で副交感神経が活性化し、つわりが楽になる人も。おなかがゆっくり上下するようなリズムで試してみて。

水分補給とリラックス。これだけはおさえて、自分が楽になる方法を探してみて。ガマンしすぎは禁物です。つらいときは産院に相談しましょう。ママ1人の体ではありません。赤ちゃんのためにも、周囲の助けも借りながら乗りきりましょう!
(文/大部陽子、たまごクラブ編集部)

監修/愛育会 愛育病院(神奈川県) 外来師長 永島直美さん

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