つわりのタイプ別・時期別 おすすめの食べ物はコレ!
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つわりの症状は人によってさまざまですが、多くの妊婦さんが体験する2大症状があります。少しでもつわりがラクになるよう、つわりのタイプ別に、食べやすいもの・食べても気持ち悪くなりにくいものを紹介していくので、チェックしてみて。
つわりってどうして起こるの?
つわりが起こるしくみは諸説あり、まだはっきりとはわかっていませんが、妊娠による急激なホルモン変化によるものと考えられています。妊娠すると胎盤からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが大量につくられるようになるのですが、その分泌量のピークは、つわりのピークと合致! また、プロゲステロンという、妊娠を継続させるホルモンの分泌量も増えるのですが、胃腸の働きをにぶくしたり、血圧を低下させたり、疲労や眠けなど、さまざまな症状が引き起こされます。
つわりの時期は?
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つわりは、妊娠が判明して間もない妊娠5~6週で始まります。そして、妊娠8~11週にピークを迎え、胎盤が完成する妊娠16週ごろには症状が落ち着いてくる人がほとんどです。ただ、ごくまれに妊娠後期、あるいは出産まで続いたりすることがあります。
「初期づわり」と「後期づわり」
妊娠初期に起こるつわりは、妊娠による急激なホルモン変化によるものです。一方で、大抵の人がつわりが治まる妊娠16週を過ぎてもつわりが続く人や、妊娠後期になってつわりをぶり返したという人もいます。後期づわりは、おなかの赤ちゃんの成長とともに大きくなった子宮が、上方に位置する胃を圧迫することで吐きけがしたり食欲不振になったり、子宮の下部に位置する腸を圧迫することで便秘がちになって気分が悪くなることも一因。また、妊娠してにおいに敏感になった人は、長くつわりが続きやすい傾向にあるようです。
つわりの症状は?
吐きけやむかつき、食欲低下、何かを口にしていないと気持ちが悪い、唾液(だえき)が出る、偏食になる、においに敏感になる、眠い、だるいなど、つわりの症状は実にさまざま。妊婦さんによって千差万別です。ただ、この中でも、多くの妊婦さんが体験する症状は大きく分けると2つあります。
つわりの主症状1 吐きづわり
吐きけや嘔吐(おうと)など。常に気持ちが悪い人もいれば、ある一定の時間になると吐きけがしたりなど、いろいろです。
つわりの主症状2 食べづわり
空腹時に気持ちが悪くなったり、何かを口にしていないと気持ち悪くなったりなど。常に、胃の中が何かで満たされていないとだめで、食べ物のことばかり考えてしまう人もいます。
ただし、同じ妊婦さんでも、時間帯や時期によって症状に変化があります!
つわりの症状は、常に一定ではありません。同じ妊婦さんでも、1日のうちで、吐きづわりになったり、食べづわりになったりすることがあります! たとえば、朝起きてすぐは、空腹時に気持ちが悪くなるけれど、昼は食べると気持ち悪くなり吐いてしまう。妊娠8週ころは、吐きけがひどい吐きづわりだったけれど、妊娠13週ころは何か口にしていないと気持ちが悪い食べづわりになるなど、時間帯や妊娠時期によって変わることがあるのです。
吐きづわりの人が食べるといいもの
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何かを口にしていないと気持ちが悪いとき
水分が多いものは食べやすいので、トマト、いちご、スイカ、ゼリーなどは食べやすいでしょう。また、のどごしのいいもの、お豆腐やゼリー、そうめんなどもおすすめです。頭に思いついたものを食べてみるのもいいでしょう。実際に食べようとしてみても食べられないこともあるでしょうが、とにかく口に入れてみることが大事です。
においによって吐きけをもよおすとき
温かい食べ物だと、においが立ち上がってくるので、常温や冷たいもののほうがいいかもしれません。冷たいおみそ汁が苦手という人も、妊娠中は冷たいほうがおいしく食べられたということもあります。
吐きけがひどいとき
のどごしのいいゼリー飲料やつるんと食べられるひと口ゼリーは妊婦さんたちに人気です。
酸味があるものは、クエン酸が含まれているため、胃のむかつきを抑える作用があります。中でも、レモン、トマト、梅、酢などはさっぱりします。脱水症状にならないよう、水分補給をすることが何よりも大切なので、果物を凍らせて少しずつ食べたり、スポーツドリンクを製氷皿に入れて口に含んでみましょう。また、吐いても気持ち悪さの少ない野菜ジュースやフルーツジュースもおすすめ。吐いてしまってもかまわないので、とにかく口に入れることが大切です。
食べづわりの人が食べるといいもの
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何かを口にしていないと気持ちが悪いとき
空腹時に気持ち悪くなるので、すぐに食べられるものを用意しておきましょう。ひと口サイズのおにぎり、グミ、クラッカー、クッキー、キャンデーなど。寝起きに気持ちが悪くなる人が結構多いので、枕元に置いておくのもいいでしょう。また、空腹にならないよう、小まめに少量ずつ食事をとることも大切です。
とにかく食欲がすごいとき
つわりのときは、どんなものでもいいと言いますが、塩分の多い味の濃いものや、油脂や糖分の多いものを常識を越えて過度に食べてしまうと、今後の妊娠経過への影響や、体重管理が大変です。適度なら問題ないですが、過剰なとり方は心配です。できるだけ、ヘルシーなものを食べるように心がけましょう。
医学的にわかっている! つわりの症状を軽減する食材
医学的な研究で、つわりへの吐きけを軽減することが明らかになっている食材があります。しょうが、ビタミンB6です。ビタミンB6は、肉や魚などのたんぱく質に多く含まれていますが、そればかり単独でとるのではなく、バランスのいい食事をとるよう心がけましょう。
後期づわりになったら?
後期づわりは、胃の圧迫や腸の動きがにぶくなったことで起こる吐きけが一因です。おかゆやうどんなどの消化のいいものを食べましょう。また、便秘を解消できるように、食物繊維の豊富な野菜や海藻類などをたっぷり食べたり、適度な運動をして腸の動きをよくすることを心がけてください。ただし、食物繊維の豊富な食材は、消化に悪いものが多いので、しっかり蒸したりゆでたりして、なるべくやわらかくして食べるといいでしょう。
つわりのときは、吐いてもいいから、とにかく食べてみることが基本です。この時期は、栄養バランスのことは二の次。好きなものや食べられるものを探して食べてみましょう。一方で、食べづわりの人は、高カロリーのものや塩分の多い濃い味のものを、過剰にとりすぎると、体重管理が難しくなります。また、度を越えた食べ方をすると、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の一因になりうる可能性もあるので気をつけましょう。
(文/たまごクラブ編集部)
監修/長岡貞雄先生(長岡産婦人科クリニック 院長)