陣痛は上から下へ。男も女も知っておくといい、陣痛の仕組みとを乗りきるためのメンタルコントロール術
陣痛は赤ちゃんが生まれるために必要なもの。「もうすぐ赤ちゃんに会える、赤ちゃんも頑張っているんだ」という気持ちを力に変えて痛みを乗りきりましょう。陣痛を乗りきるにはリラックスが大切。痛みが来たときは深呼吸して力を抜きます。リラックスすると赤ちゃんが産道を下りやすくなり、お産も進みます。今回は、産婦人科医の小川隆吉先生に陣痛を乗りきるためのメンタルコントロールについて、伺いました。
陣痛とは?
陣痛とは、赤ちゃんを押し出すために子宮が収縮する痛みや、赤ちゃんが産道を通るときにまわりの骨や筋肉、神経、臓器が圧迫されたり押し広げられて起きる痛みのことです。
そのとき赤ちゃんは?
赤ちゃんは羊水に守られているので、子宮が収縮しても影響はありません。ただ、ママが痛みで体に力が入ってしまい、息を止めてしまうと、赤ちゃんに十分な酸素が届きません。呼吸だけは忘れずに。
陣痛を怖がらず積極的に向き合おう
陣痛は子宮口が全開大になり、赤ちゃんが出てくるまで続くので、長時間に及びます。痛みはつらいですが、これも赤ちゃんと会うためだと前向きにとらえ、陣痛の波に乗るようにすると、お産も順調に進みます。
陣痛の痛みは上から下へ変化
陣痛の痛みは、赤ちゃんが下りてくるのとともに、上から下のほうへ変化していきます。最初はおなか全体の痛みだったのが、恥骨付近に移動し、その後、腰や会陰、肛門付近へと変わっていきます。
陣痛乗りきりのポイントはリラックス
痛みで体を緊張させると、痛みを強く感じる上、疲労も増し、お産を長引かせる原因に。そうならないためにはリラックスを心がけて体力を保ち続けていくことがポイントになります。
陣痛のパワーはママに会うための赤ちゃんのエネルギー
陣痛は、赤ちゃんの生まれたいという気持ちと下りてくる力によっても引き起こされるもので、ママの体と赤ちゃんの前向きなエネルギーがひとつになってお産を進めていくのです。
陣痛の特徴は「波」のイメージ
陣痛は、寄せては返す波のようなもので、最初は弱く短い痛みの波が来始めますが、しだいに長く強い痛みの波になっていきます。波の合間にはしっかり休んで体力を温存しましょう。
陣痛乗り切りのコツ★あせらないでリラックスする
お産は思いどおりには進まないもの。弱い陣痛が続き、後から来た妊婦さんが先に分娩室へ行くこともあ
るかもしれません。でもあせらないで。体を動かしているうちに、お産に有効な陣痛がついてきます。
食事をとる
お産は長丁場なので、体力を消耗します。陣痛の合間には食事をしっかりとって。食欲がないときは、ジュースやおにぎり、ゼリーなどで糖質をとると元気が回復!
会話を楽しむ
付き添いのパパやパートナー、家族と会話を楽しむのもいいですね。心配なこと、つらいことがあれば、スタッフに相談を。笑顔で話すことは、体の余分な力を抜いてくれます。
これはNG1 むやみに怖がる・痛がる
「痛い」と高い声で叫んだり、陣痛やお産をむやみに怖がると、おなかに余分な力が入り産道がかたくなってしまいます。
これはNG2 こまかく記録しすぎる
記録自体はしてもいいのですが、あまりに頑張ってこまかく記録しすぎるとリラックスできません。大まかに間隔がわかればOKです。
これはNG3 「いつ終わる?」と聞く
「痛みはいつまで続く?」「いつ終わる?」などの言葉を口にすると気持ちもめげてしまいます。「もうすぐ会える」と前向きに。あせらないで。
陣痛とは、赤ちゃんとママが出会うために必要不可欠な痛み。陣痛が始まったら、ママはしっかりと赤ちゃんに酸素を送ってあげることをイメージしながら呼吸をし、リラックスするようにしましょう。また、お産は長丁場なので、食事や睡眠はとれるうちにとっておくといいですね。(文/たまごクラブ編集部)
監修/小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
参考文献:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)