我慢の限界がわからない!“吐きづわり”吐血・体重減少・点滴の日々
5歳差の男子二人の母でライターの“かなみん”です。長男出産時27歳、次男出産時32歳でした。長男を妊娠中のつわりは、とにかく体のつらさからネガティブにはまりこみましたが、次男のときは、過去の経験から体調に気を付けながら受診・相談するタイミングを計ることができました。
まさに“胎児は異物”。毎回つわりで気づく妊娠
「食べづわり」「吐きづわり」「眠くなる」など、つわりの症状や程度は人それぞれのようですが、私の場合は、毎回妊娠初期の頃から「吐きづわり」に悩まされました。当時、私の身長は163㎝、体重は57㎏ほどでした。
胎児は母体にとっては“異物”だそうですが、私の体は異物の認識度合いが高いのかもしれません。マタニティ雑誌にも「そのうち収まる」とありますが、本当に吐き気が収まったのは7カ月頃のほんの一時のみでした。
吐くものがなくなって、とうとう吐血!?
吐きづわりでつらいのは、やはり吐くこと。「○○のにおいがダメ」というレベルではなく「卵を割ると吐く」「お店で肉や魚を見ると、吐き気が来る」状態だったので、どこへ行くにもタオルは手放せませんでした。
少し口に入れられていたときは、まだ吐くものがあるのでいいですが、食べられなくなって胃が空っぽのときに吐くのは苦しいものです。血を吐いたのでびっくりして近所の産院に行くと、「吐きすぎて食道が傷ついた」とのことでした。このとき、-5㎏で52㎏くらいでした。
いつまで・どれだけ我慢すればいいのかわからない!
自分ではかなり我慢したつもりで受診し、「この程度のつわりはよくあること。もっと大変な人もいるのだから我慢しなさい」と言われ「そうか、そんなものか」と思ってしまいました。
しかし、口を開けるだけで吐き気が来るような状態で水分も摂れず、体は熱っぽいし、なんだか足元もフラフラ。当時エレベーターのない団地の5階に住んでいたのですが、手すりにすがらないと階段が下りられなくなっていました。
体重はさらに4㎏減って48㎏。今まで経験したことのない具合の悪さに「これは危ないかもしれない」と、別の産院を受診すると、“その場で即入院の指示”が出ました。発熱は脱水症状のためだったのです。点滴を受けて水分は確保し、とりあえず命の危険は回避されました。
自分でも、どの状態を超えたら危険なのかわからなかったので、入院指示が出たとき「ああ、我慢する限度は超えていたんだな」と、ほっとした気持ちにもなりました。
体調が戻ってきたものの、子どもの成長は止まってしまった
その後は吐き気はあるものの、ゆっくり体重は戻っていきました。
8ヵ月の頃、長男の成長は止まってしまい、「次の健診までに増えていなかったら危険かも」と言われました。早産傾向もあったので、張り止めの薬を飲みながら、少しでも長く母体で育てられるよう気を使った末、小さめの赤ちゃんで生まれました。生後すぐに砂糖水をゴクゴク飲んだと聞き、「おなか空かせちゃってごめんね」と申し訳なかったです。
それから5年後に生まれた次男は、切迫早産を経て、予定日よりちょっと早めに生まれましたが、途中の栄養管理が比較的うまくいったので、大き目の赤ちゃんでした。長男より出産週数は少ないのに、髪も多く爪も厚い感じで、「なんだか丈夫そう」。いかに胎児の環境が大事なのか、差は歴然としていました。
次男のときも吐きづわりでしたが、一度経験しているので気は楽でした。私が実践した吐きにくい水分補給の方法をご紹介します。
一度にたくさん飲み込むと吐き気を誘うので、「飲んでいませんよ」と体をだますのだそうです。一度に5mlほど、ごく少量を口の中にしみこませる感じでゆっくり飲む感じです。チビチビなので面倒ですが、それで吐かなくて済むなら楽なものです。この方法は、“手足口病”など口の中に発疹ができるような病気の時にも使え、助かりました。
長男は39週目に2658g 49.0㎝、次男は37週目に3392g 51.0㎝で生まれました。つわりは他の人と比較することもできず、一人で対処しなくてはいけないので確かにつらいものですが、先が見えないものではなく、少なくとも出産という区切りで終わります。頻繁に吐くことで腹圧がかかりすぎると、流産・早産を招くことにもなると聞きましたので、食べられないことに悩みすぎず、上手に水分を補給すると良いと思います。つらいときは医療の手も借りることで、無事に出産することができると思いました。
[かなみん*プロフィール]
神奈川県在住のライターです。夫と長男、次男の4人家族です。いわゆる”子育て”はほぼ終盤なので、だいぶ自分のペースで時間を使えるようになりました。空き時間を見つけては手作りをし、地元のカフェに出品しています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。