【専門家監修】妊娠・出産で退職する人は注意!知っておきたい、税金・社会保険の手続き
妊娠・出産で会社を退職するママが、やらないと損をするのが税金や社会保険などの手続きです。
パパの扶養に入るには? 配偶者控除のポイントなど、手続きのノウハウを、お金のプロ・ファイナンシャルプランナーの畠中雅子先生に聞きました。
社会保険は、退職後に収入がなければパパの扶養になれる
お子さんを授かったタイミングで、仕事を辞めるママもいるでしょう。
退職されるママの場合は、健康保険や国民年金、税金などの手続きが必要です。
税金については、自分の所得にかかる住民税に注意しなければなりません。
所得税はお給料から源泉徴収されているはずですが、住民税は翌年度(6 月~ 5 月分まで)に支払うものなので、退職して収入がゼロになっても支払いは残ってしまうからです。
パパの扶養家族になれるか、なれないかは、社会保険と税金で考え方が異なります。
社会保険については、辞めたあとに収入がなければ、パパの被扶養者になれるのが一般的です。
いっぽうの税金は、辞めるまでの収入が少なければ、年の途中からでも配偶者控除の対象になります。辞めた時点までの収入が、配偶者控除の壁となる年収150万円を超えていると、退職した年に配偶者控除(※)は受けられません。配偶者控除の壁について、平成30年からは、以前の年収103万円から年収150万円に変わったことにも注意しましょう。
(※)150万円を超えても201万6000円までは、配偶者特別控除が受けられます。
退職後6カ月以内の出産なら、出産育児一時金の請求先が選択できる
ところで、退職後は仕事をせず、パパの扶養家族になるとしても、退職してから6カ月以内に出産する場合、出産育児一時金は自分が加入していた健康保険からもらうことも可能です。
パパ、ママどちらかの請求先(健康保険組合や共済組合)に50万円を超える“付加給付”があれば、付加給付のあるほうからもらうのが有利でしょう。
また妊娠が理由で仕事を辞める場合、失業給付(雇用保険の基本手当)の“受給期間延長手続き”もしておきましょう。延長手続きをしておくと、本来は退職の翌日から1年以内にもらい終えるべき失業給付の受給期間を、3年間延長してもらえます。つまり、退職の翌日から最長4年以内に、失業給付をもらい終えればよくなり、子育てが一段落してから、再就職をめざせるわけです。
延長の手続きは、退職の翌日から30日が経過すればできるようになります。自分で手続きに行けない場合は、代理人が行く場合の手続き方法や持参書類をハローワークに確認するとよいでしょう。
退職するママがやるべき手続きのポイントをまとめると
1 退職した年の翌年には、前年分の収入から発生した住民税を支払う
2 退職するまでの年収が150万円以下なら配偶者控除を受けられる
3 退職から6カ月以内の出産の場合、条件を満たせば出産育児一時金の請求先を選択できる
大事なことなので、必ず覚えておいてください。
(文・たまごクラブ編集部)
■掲載の情報は2019年11月時点のものです。以後変更になる場合がありますのでご注意ください。
初回公開日 2019/12/30
●制度改正により、出産育児一時金の金額を修正しました(2023年4月)
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