切迫流産、早産を防ぐためにやっておきたい5つのこと
切迫流産・切迫早産は予防は難しいですが、リスクを減らすことはできます。
本来でしたら主治医に相談したいことも、今の状況では難しいという人がいるかもしれません。そこで妊婦雑誌「たまごクラブ」は、本誌記事のなかから妊婦さんに役立つ記事をお届けします。
東京都・昭和大学江東豊洲病院 周産期センター長、教授の大槻克文先生に聞きました。
1 「おりもの」の様子にも敏感になろう!
自然早産のいちばん大きな原因は腟(ちつ)からの細菌感染です。その場合、事前におりものの変化に気づくことができれば、悪化を防ぐことが可能に。色や状態の変化があった場合は危険サイン。受診が可能なら受診を、難しいときは病院に相談してみましょう。
こんな症状があったら注意!
・おりものが黄色いor緑っぽい
・おりもののにおいがきつい
・おりものの量が急激に増えた
2 ストレスをためない生活を送ろう
強いストレスは交感神経を緊張させ、免疫力を低下させます。免疫力が弱まると、腟の細菌バランスが崩れ、炎症が起きやすい状態に。疲労や寝不足は免疫力低下の一因。心身共にゆったりとした生活をできるだけでいいので心がけましょう。
3 妊娠中はオーラルケアを入念に
体のどこかに感染源があると、細菌に反応して子宮が収縮し、早産につながる可能性が。歯周病と早産の関連を指摘する説もあるので、しっかりケアを。部分麻酔などの歯科治療は胎児に影響しません。もし受診する日がきたら必ず妊娠していることを伝えてください。
4 健診までの間の体調の変化をメモしておこう
気になることがあれば、健診時に積極的に相談するようにしましょう。次の健診までの間に感じた不安や、おりもの、おなかの張りの様子など、体の状態をメモしておけば、健診時のコミュニケーションがスムーズに。
5 疲れや不調を感じるときは“横になって”休もう
切迫流産(せっぱくりゅうざん)・切迫早産(せっぱくそうざん)などで、安静を指示される妊婦さんも少なくありません。
安静とは、横になって休むことを指します。妊娠経過が順調な人も、疲れたり、体調に違和感を抱いたりしたら、休む時間を増やすようにしましょう。
さらに! 職場に相談しにくい場合は連絡カードを使おう
診断の結果、長時間の立ち仕事の回避、時差通勤の推奨などを、医師から指摘された場合、頼りになるのが、「母性健康管理指導連絡カード」。職場に相談しても、対応してもらえない場合も効果を発揮します。
母性健康管理指導事項連絡カードは母子健康手帳についています。
※ここで紹介している連絡カードの内容は、東京都内の一部の区で発行されているものです。お住まいの地域によって内容が一部異なる場合があります。ご了承ください。
監修/大槻克文先生 文・たまごクラブ編集部
切迫流産・早産は予防するのは難しいですが、ママ自身が体の変化に気づくことが大切です。疲れていたり、ストレスがたまっているときは、なるべく安静にしながら、様子を見ましょう。
■参考:『たまごクラブ2019年12月号』「冬ニンプにいち早く気づいてほしい赤ちゃんからの危険サイン5」
大槻克文先生
Profile
東京都・昭和大学江東豊洲病院
周産期センター長、教授
昭和大学医学部卒業。昭和大学病院病棟医長、昭和大学医学部産婦人科教室医局長などを経て、2014年から現職。救急搬送の妊婦さんも数多く受け入れています。