注意!流産・早産のサインかも…。妊娠中、人にはいえないおりものの異常【産科医】
おりものの悩みは恥ずかしくて話しづらいと思う人もいるかもしれませんが、おりものの異常は妊娠中によくあること。異常に気づいたら、産院を受診しましょう。
産科医の杉本充弘先生に詳しくお聞きしました。
流産・早産予防のためにも要注意
子宮頸管や腟が細菌などに感染すると、おりものに異常が出やすいので、おりものの変化に気づくことは重要です。早産は、感染症が原因ということが多いためです。日ごろからおりものの状態をチェックして、いつもと違うときは、早めに産院を受診しましょう。
おりものの異常 原因と対策
妊娠中におりものが増えるのは自然なことです。ただし、色、におい、かゆみなど、いつもと違う状態であれば、体に何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。ショーツの股部分はおりものの変化に気づきやすいよう、白いものがおすすめです。
おりものが増える
妊娠すると子宮頸管や腟からの分泌物が増えるため、おりものも増えます。色が白く水っぽいものや、クリーム色で酸っぱいにおいは生理的なものなので、心配はいりません。ただし、おりものが多いと雑菌が繁殖しやすいため、下着またはおりもの用のナプキンが汚れたら替えて、清潔に保ちましょう。
色やにおいが変
異臭がする、色がついているなど、おりものがいつもと違う状態のときは、感染症による腟炎が疑われます。また、おりものが増えただけでなく、下腹部痛を伴う場合はクラミジア感染症の心配が。いずれも産院を受診して、検査してもらいましょう。検査の結果、トリコモナス腟炎、クラミジア感染症、淋菌感染症など性感染症の場合は、パートナーも一緒に治療する必要があります。
陰部がかゆい
妊娠中はおりものが増えるので、外陰部が湿った状態が続くとかぶれてしまう人もいるでしょう。かゆみが強い場合や、かゆみはそれほどでなくてもおりものの状態がいつもと違う場合は、腟炎を起こしている可能性があるため、産院を受診しましょう。単なるかぶれの場合は、外用薬などで治療します。
取材・文/栗本和佳子
参考/『最新! 初めての妊娠・出産新百科』2021年
(ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)
おりものの異常は、重篤なトラブルの前兆のこともあります。異常に気づいたら、必ず産院を受診しましょう。