「なぜ、ここに!」とわが子の忘れ物に慌てた経験ありますか? 学校まで届けるのはあり?
今回のテーマは小学生の子どもの忘れ物についてです。子どもの忘れ物に気づいた場合、届けていますか? その判断は忘れ物の重要度にもよるでしょうが、そもそも届けに行っていいものなのか迷いますよね。
口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの声から最近の小学生の忘れ物事情と、おすすめの対応について、小学生の子育て事情にもくわしい保育園を考える親の会副代表の渡邊寛子さんにアドバイスいただきました。
まずはママたちの声を紹介しましょう。
■ 子どもの忘れ物、届けるのは職員室? それとも教室?
「小学生の子どもの忘れ物って、どこに届けるのでしょうか?
職員室へ行って先生に頼む?教室まで自分で行く?下駄箱につっこむ?
学校ごとに決まりがあるのでしょうか。忘れ物について学校から説明された記憶がなく、わが子の忘れ物、放っておきたいけどそうもいかない場合、どこに届けていいか教えてください」
――このコメントに、ママたちからさまざまな体験談が寄せられました。
■ 学校の門に『忘れ物は職員室に届けてください』という張り紙が
「わが子の学校では、門に『忘れ物は職員室に届けてください』と張り紙があります。
同じ市内でもまちまちのようなので、学校によって違うと思います」
■ 防犯上の観点から学校には安易に入れないのでは?
「学校ごとに、対応は決まっていると思います。
今、高校生の親ですが、小・中・高校で忘れ物を届けたのは、それぞれ1回ずつあります。
今どきの学校は防犯対策で玄関が閉まっている学校も多く、指定された玄関から入って、窓口になっている事務室の職員に渡しました。教室までは持っていくのは、ナシだと思います」
■ 「届けないでください」という学校からの指導
「わが子の学校の場合、届けに来ないでください、という連絡が来ています。」
■ インターフォンを鳴らしてメモをつけて事務員さんに渡す
「学校に勝手に入れるのですか?
わが子の学校では不審者対策で、チャイムが鳴ると同時に校門が閉められ施錠されます。
だから、勝手に校舎のどこそこへ置いてくるなんてことはできません。
忘れ物は届けないように案内がありましたが、どうしてもというときは、校門でインターフォンを鳴らして名前と事情を言って入れてもらい、職員室の先生や事務員の方に預けます。
子どもの急病で迎えに行くときですら、教室に直接行くことはありません」
■ 誰かの手を煩わせることになるので届けないようにとの指示
「基本的に届けないようにと言われていることもあって、届けたことはありません。
どうしても必要な物で届けるのなら、職員室の先生に一言声をかけて指示を仰ぎます。そのまま教室に届けるように言われたら届けますが、たぶん職員室にいらっしゃる先生が届けてくれると思います」
■ お弁当を忘れたときは、電話をして職員室へ届けました
「物によると思います。たとえば、お弁当はないと困りますよね。
以前、子どもが学校行事の日に送り出してから、玄関に子どもに持たせたはずの弁当が鎮座していたことがありました。
外に飛び出してもわが子がいるはずもなく、学校に電話して届けたことがあります。職員室で預かってくれました」
学校での対応も違うけど、子どもによっても大きな差がある忘れ物事情
現在、小学校では子どもの忘れ物については、どのように指導されているのでしょうか。学校によって、違いがあるのでしょうか。
小学生と中学生の子どもを育てている保育園の親を考える会副代表渡邊寛子さんに最近の小中学生事情について伺いました。
「私は自慢じゃないですが、忘れ物の天才です。大人になった今もです。そのため、皆さんのエピソードもお子さんたちの目線で『人だもの、忘れるよね。仕方ないよね』と自分を慰めるように拝見してしまいました。
ちなみに、私の記憶の中にある小学生時代で一番の忘れ物は、夏の暑い日、帰宅途中に木陰でひと休みしたときに、そこにランドセルを忘れてきたことです。仕事から帰ってきた母から『ランドセルは?』と聞かれるまでの数時間、ランドセルを忘れて帰宅したことにすら気づいていなかったのです。
話しは逸れましたが、お子さんの忘れ物対応は保護者にとっては永遠のテーマですね。
私の子が通っている公立小学校からは忘れ物に関して『忘れ物を取りに戻らない、(学校に)取りに来ない』ということが子どもたちに周知徹底されています。慌てて家に取りに戻って、または学校に取りに戻る途中で、交通事故に遭ってしまうなどのリスク回避のためです。
保護者が届けることについては、コロナ禍で不要な接触を避けるためなのか、教室まで届けることは不可となりました。校門でインターフォンを鳴らし開錠をしてもらい、主事室へ届ける方式となっているそうです。
『そうです』と伝聞調なのは、私は子どもの忘れ物に気づいても基本的に届けない主義なので、まだ利用したことがないためです。
先生からも『忘れ物をして本人が困ることも学びです』とお話しいただいたこともあり、よっぽどのことがない限り届けません。
そんなこんなで、今中学生の息子は小1の頃から全教科の教科書・ノートをランドセルに入れっぱなしにするという対策に至り、中学生になっても、それを続けていて、あまりの重さに悲鳴を上げていました。
また、息子の小学校の道具箱の中には鉛筆と消しゴムが必ず入っており、本人に聞いたところ、『よく筆箱を忘れてしまうので予備として入れている』と言っていました。子どもは子どもなりに工夫して色々乗り越えているんだな、と頼もしく(?)感じたこともありました。
一方、小3の娘は『どうしたら、そんなにしっかり者になれるのか!?』と思うほどしっかりしていて、1年生の時から忘れ物で困ったことがありません。
前日には時間割を見てきちんと準備していますし、学校に保護者が提出する書類や集金、準備物があると私が用意するまで丁寧に何度もリマインドをかけてくれるほどです。さらには、今年、小1になった息子の持ち物も娘が確認して声掛けをしてくれるので、娘に本当に助けられています。
息子も娘も同じく育てているにも関わらず、持ち物準備への意識の差がここまで生じること、これが子育ての醍醐味なのかもしれないと感じる今日この頃です。
ですので、お子さんの忘れ物が多くてお困りの保護者さん、それもお子さんの個性のひとつと捉えて大らかに見守られてはいかがでしょうか。
ただ、先生も人ですので、忘れ物に対して寛容な先生もいらっしゃれば、とても厳しい先生もいらっしゃいます。忘れ物を減らすためにチェックリストを作り、クラス全員で忘れ物がないときは『ご褒美!』と言った具合に連帯責任制を取っていることもあります。その指導が度をすぎて、子どもに負担がかかっているという話も聞いたことがあります。
あまりに忘れ物が多いと、クラスメイトからの視線が厳しくなることもあるようですので、学級運営の中で忘れ物対策はどんな対応や言葉がけをしてくださっているのか、忘れ物への温度感はどの程度かを個人面談などのコミュニケーションが取れる場で確認しておくと、お子さんも保護者さんも対策が講じやすくなると思いますし、気持ちがラクになるのでおススメです」
忘れ物をしてわが子が困るような事態になるのは心配という方も多いと思います。でも、忘れ物をすることも経験だし、その経験から忘れ物をしないための工夫を考えることもできるので、基本的には親が出ていかないよう指導されていることが多いようですね。
(取材/文・橋本真理子)
渡邊寛子さん
Profile
保育園を考える親の会副代表。小学生と中学生3人の子どもを働きながら育てている経験を生かし、地域での子育て支援活動などにも参加する。
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。