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パパにもある“産後うつ”。周産期のパパのうつ率は8.4%!

※写真はイメージです
AntonioGuillem/gettyimages

産後は、パパもうつになりやすいって知っていますか? パパとママの産後うつは、症状や発症時期など少し異なる点が。産後うつに詳しい、ママ精神科医 蟹江絢子先生に、パパの産後うつについて話を聞きました。

パパの産後うつの発症は、産後3~6カ月がピーク。うつになると飲酒量が増える傾向も

2020年、獨協医科大学 徳満敬大氏らが発表したメタ(メタアナリシス)解析の結果によると、産前に日本の父親がうつのリスクありと判定される頻度は8.5%。産後1年間では8.2%~13.2%とされています。しかし「パパの産後うつって聞いたことがない」というパパやママも多いのではないでしょうか。

「パパの産後うつは、あまり知られていないため、本人も気づかないケースが多いです。

私の経験でも、仕事の悩みからうつ気味になったといって受診した男性がいました。しかしカウンセリングをしているうちに、赤ちゃんが生まれて、かなり生活パターンが変わったということがわかってきました。この男性の場合は産後の生活の変化がうつの引き金になっているので、“産後うつ”だと思いました。
本人は、産後うつなんて思ってもいなくて、仕事上の問題だと思っていたようです。パパの場合、こうしたケースはよくあります」(蟹江先生)

「産後うつって、妊娠・出産によるホルモンバランスの乱れが原因だから、男性は関係ないのでは!?」と思っていたママやパパもいるのではないでしょうか。

しかし蟹江先生は、産後うつはうつ病の一種であり、うつ病は、ホルモンバランスの乱れだけが原因ではないと言います。

「産後うつは、生物学的要因(ホルモンの乱れなど)、心理学的要因(いい親になれるかなど)、社会的要因(仕事と子育ての両立など)が複合的に重なり合って発症します。
周産期はこれらの要因の変化が多い時期ですので、うつが発症しやすくなります」(蟹江先生)

産後も、仕事のペースをまったく変えないまま、家事や育児などすべてを背負いこむのは難しいので、職場の制度などを確認しましょう。

ママが産後うつだと、パパの発症率は24~50%アップ。夫婦で共倒れにならない対策が必要

パパの産後うつに気づきにくいのは、ママの産後うつとは発症時期や症状が異なるのも理由の1つです。パパの産後うつの主な特徴は、次のとおりです。

●パパの産後うつの発症時期は、産後3~6カ月後がピーク(ママの産後うつの発症時期は、産後3カ月以内がピーク)
●産後うつは、男女ともに不快感、気力の低下、疲労感、自己嫌悪などは共通するものの、パパの場合は怒り、いらだち、衝動性や暴飲・暴食などの傾向が強くなりやすい
●アルコールの量が増えやすい

「パパの産後うつは、ママが産後うつになると発症率が上がり24~50%増加します。その一因としては、ママを支援することに加えて、パパの育児や家事の負担が増え、睡眠不足や疲労がたまってしまうことです。また精神的にも、ママの要求にどう答えればいいかわからなくなり、まいってしまうからだといわれます。

夫婦で産後うつになると共倒れになって、赤ちゃんのお世話もできなくなってしまいます。家族を守るためにも、パパはキャパオーバーにならないように、なるべく早い段階から、周囲に支援を求めてほしいと思います」(蟹江先生)

パパの産後うつの予防は妊娠期から! まずは両親学級などで保健師さんとつながりを

産後うつは、重症化すると自殺するケースもあります。

「自殺率は、産後うつにかかわらず男性のほうが高いです。男性は傷つきやすさや弱さを隠す傾向が強く、まわりに助けを求めずに自分を追い込んでしまいがちです。そのため早期ケアを心がけてください。

産後うつを防ぐには、パパも妊娠期から、できるだけ自治体や病院で行われている両親学級や父親学級などに参加しましょう。
赤ちゃんが生まれたら、ママと一緒に乳幼児健診に行くのもおすすめです。
出産と育児でどんな変化があるのかを知っておくと心の準備もできますし、育児の大変さをシミュレーションしておくと、困難な状況にも立ち向かいやすくなります。

また、そのような場で、保健師さんや医療者とつながっておくと、万一、メンタルの不調を感じたときに、その支援者に相談しやすいと思います。保健師さんは、ママだけでなくパパのサポートもしてくれます」(蟹江先生)

コロナ禍の今、両親学級の機会が減り、乳幼児健診も人数制限を設けているなど、保健師さんに気軽に相談しにくい場合は、最近はオンラインなどでの取り組みも増えているので活用するといいでしょう。

また、こうした状況の中、産後うつを防ぐには、ママもパパもできるだけ睡眠の質を保つことが大切です。

「赤ちゃんが生まれると、寝不足になりがちですが、一度、目が覚めると眠れない、夜中3~4時ごろから起きてしまうなど、明らかに妊娠前と睡眠の質が異なる、食欲がない、1日中落ち込むことが2週間くらい続いていると思ったら、早めに精神科を受診しましょう。
症状が軽いうちに診てもらうと、症状が重くなるのを防げます。睡眠を確保する手段を一緒に考えることで改善する場合もあります」(蟹江先生)

お話・監修/蟹江絢子先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

蟹江先生は、男性の産後うつを防ぐには、妊娠期から何かあったとき相談できる窓口を見つけておくことが大切と言います。地域の保健センターのほか、職場の産業医でもいいそう。ママのケアだけでなく、パパ自身のメンタルヘルスも大切にしてください。

蟹江絢子先生(かにえあやこ)

Profile
精神科医・医学博士。筑波大学医学専門学群医学類(医学部)卒業。現在は、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターなどで勤務。2歳、4歳の2児のママでもあります。

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