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産後うつ病は決して「甘え」じゃない。パパや周囲の人のサポートが大切【専門家に聞く】

「赤ちゃんが生まれて幸せなはずなのに、私、どうして気持ちが沈んでいるの…」「母親になったのに、イライラしたりモヤモヤするのは甘えなの?」と落ち込むことはありませんか? 
産後、気持ちが不安定になることは多く、中には産後うつ病になるママも。産後の心の不調はだれにでも起こりうる身近なこと。決して「甘え」ではありません。ママ自身はもちろん、パパにも知ってほしい産後うつ病についての正しい情報を、妊産婦のメンタルヘルスに詳しい精神科医の安田貴昭先生に聞きました。

専門家からのメッセージ。「産後うつ病は決して甘えではありません」

SNSへの書き込みを発端に「産後うつ病は甘えなのか」という議論がネット上で活発になっているのを知っていますか?「産後うつ病は甘えではない」と断言する安田先生から産後のママたちへのメッセージがあります。

「お母さんになったみなさん。数カ月にわたっておなかの小さな命を守り続け、命がけの出産を乗り越え、身も心も疲れきったなかで、今はまた幼い赤ちゃんと向き合っているところでしょうか。
このような妊娠や出産、そしてその後に続く多忙な育児は、女性の心と体に大きな変化とストレスをもたらします。そして『産後うつ病』をはじめとしたさまざまな心身の不調を引き起こします。これらは、出産した人ならだれにでも起こりうることです。

心が弱いから産後うつ病になるのではありません。心が弱い人も、心が強い人も、どんな人でも産後うつ病になります。甘えがあるから産後うつ病になるのでもありません。むしろ、甘えることなくたった一人で頑張るような状況が心と体の健康を害します。

うつ病は医学的な病気であり、治療やケアが必要です。いろいろな仕事はいったんだれかに任せ、余裕をもって治療に向き合えることがとても大切で、そのためにはパートナーやご家族の協力も必要です。そうして、あせらずゆっくりと心と体を休めることです。産後うつ病の人に最も必要なのは『誰かに甘えること』とも言えるでしょう。

わからないことは精神科医に相談してください。あるいは、お世話になった産婦人科の先生や助産師さんに一声かけてみてください。どんなに苦しくても、産後うつ病は必ず回復させることができます」(安田先生)

そもそも「産後うつ病」って? 産後ならだれでもなりうる身近な病気です

初めての育児は、赤ちゃんをいとおしいと思いつつ、お世話の方法や成長の様子などに不安を感じることも。

とくに、コロナ禍の今、「立ち合い出産希望だったのに、かなわなかった」「里帰り出産の予定をとりやめた」など、予定通りにいかないことも多く、「こんなはずじゃなかった」とモヤモヤしているママもいるのではないでしょうか? 

この時期のママは、妊娠・出産で、身体的・心理的・社会的に大きく変化するため、心がバランスを崩して産後うつ病になる場合があります。産後うつ病は、産後ならだれでもなりうる身近な病気。基本的な症状は「うつ病」と同じです。

ママ自身やパパなどが以下の内容をチェックしてみて

1.憂うつで悲しく、むなしい気持ちになる
2.今まで楽しかった趣味・仕事などが楽しめない
3.体がだるい、やる気が起きない
4.自分はだめ、価値がない、罪深いと感じる
5.眠れない、または眠りすぎる
6.食欲がない、または食べすぎる
7.イライラする
8.集中できない、判断できない
9.死にたいと思うことがある

産後うつ病かどうかは、まず一般的な上記のうつ病の基準で判断します。1と2に当てはまり、さらにそのほかの項目が3つ以上当てはまる状態がほぼ毎日・ほぼ1日中続き、育児の悩みも大きい場合は産後うつ病の可能性があります。

また、うつ症状があると、ママ自身が客観的に判断するのが難しいことが。パパなどの家族から見て以下の症状がある場合は、早めに専門機関に相談することが大切です。

□表情が乏しい
□話し方に元気がない
□涙もろい
□判断力がにぶい
□おふろに入らないなど清潔を保とうとしなくなる
□今まで好きだったものに興味を示さない

産後うつ病の原因って? さまざまなことが要因となり、はっきりしていません

産後うつ病を含め、精神疾患の原因ははっきりしていません。病気のなりやすさなど個人的な要因に、いろいろなストレス要因が組み合わさって病気が引き起こされると考えられています。

産後のホルモンの変化が不安感や孤独感、イライラなどの攻撃性に関係するという研究もあるようですが、必ずしもこれらが産後うつ病の直接的な原因であるとは考えられていません。ホルモン変化の影響も含め、心と体に生じるさまざまなストレスが積み重なっていき、それが産後うつ病などの精神的不調となって現れてきます。

何がストレスになるかは人それぞれですが、産後は妊娠・出産でさまざまなことが大きく変化するので、ストレスをためやすい環境になりやすいといえます。

産後、ストレスをためやすい環境の例をいくつか解説します

【難産だった】
分娩が難航した、赤ちゃんに病気や障がいが見つかったなど、体力的にも精神的にも重いお産を経験すると、ママの心と体に大きな負担がかかり、出産後に影響が出ることがあります。

【育児に苦戦している】
母乳が出ない、赤ちゃんがなかなか泣きやまないなど、毎日の育児が大変だと疲れがたまり、気持ちの余裕がなくなります。そんな状況であせればあせるほどうまくいかないという悪循環に陥ることも。

【周囲のサポート不足】
何かトラブルが起きたとしても、家族や信頼できる人の支えがあれば、乗り越えられることも。産後、初めての経験が次々起こるママにとって、周囲のサポートは大切。でも、今はコロナ禍で普段よりも孤独に育児しているママも少なくありません。

自分自身やパートナーが「もしかしたら産後うつ病かも…」と思ったら? 専門機関に相談しましょう

「もしかしたら産後うつ病かも」と思っても、専門機関を受診するママは少ないのが現状です。けれど、体の病気と同じように、心の病気も病院で治療することが大切だと考えて。症状を重くさせないためには専門家の判断が大切です。病院はちょっと行きづらい…と感じる場合は、まずは信頼できる小児科医や地域の保健師さん、助産師さんなどに相談してみましょう。

産後うつ病の改善のためには? 何より休養が大切です

軽症の場合、赤ちゃんと離れて実家などで1~2週間休むだけでも、ずいぶんラクになります。うつ病のときは「休むことはダメなこと」と思いがちですが、充電切れのスマホを無理やり使おうとしてもうまくいきません。産後うつ病のママも同じこと。まずは家族に相談し、育児や家事を分担して、休息を確保してください。上手に心と体を休ませる方法について、専門家とよく話し合うことも大切です。

症状によりますが、授乳中でも赤ちゃんへの影響が少ないとされる薬で治療することも可能です。

監修/安田貴昭先生 取材・文/ひよこクラブ編集部

産後、イライラしたり、気分が落ち込んで「もしかしたら産後うつ病かも」と思ったときに、「でも誰かに甘えているといわれるかもしれない」という心配でどこにも相談できなくなるのは大問題。産後うつ病の症状や相談先などをママ自身はもちろん、パパも知っておきましょう。

ママの気持ちが不安定なとき、パパが「甘えている」「ちゃんとしろ」などと責めるのは絶対してはいけないこと。「パパなら自分を受け止めてくれる」と感じてもらうことが大切です。すべてパパが解決策を示す必要はありません。今、できることをあせらず一緒に考えていく姿勢を見せましょう。


安田貴昭先生(精神科医)
Profile
埼玉医科大学総合医療センター メンタルクリニック講師。医学博士。1997年浜松医科大学医学部卒業。東京女子医科大学病院精神神経科などを経て、2017年より現職。妊産婦のメンタルヘルスのための専門外来「周産期メンタルケア外来」を行う。

参考/『ひよこクラブ』2018年1月号「“産後うつ”との向き合い方」

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