【専門家監修】教育費は?保険は?子育て家庭のお金の悩みにファイナンシャル・プランナーが答えます!
子どもが生まれると生活だけでなく、家計にも大きな変化があります。これからかかる教育費も気になるところ。そこで子育てファミリーのお金の気がかりをファイナンシャル・プランナーの鈴木さや子先生に聞きました。
【Q】教育費って、結局いくら貯めておけばいいの?
【A】教育費の中でとくに高額なのが大学の学費。その準備のために「今は、大学入学までに子ども1人当たり500万円貯めることを目標にしましょう」と鈴木先生。赤ちゃんのうちから児童手当(※)をすべて貯めると約200万円になります。残り300万円は月1万4000円×18年間で貯まります。
※児童手当には所得制限があります。所得が高く支給額が少ない場合はすべて貯めても200万円貯まりません。
【Q】教育費は、どんな方法で貯めておけばいいの?
【A】効率よく貯めるには、自動積立や学資保険を利用するのがおすすめ。先取り貯蓄で強制的に貯められるしくみをつくりましょう。生活費に余裕があり、余力があれば一部資産運用を組み込み、「つみたてNISA」などの投資信託に挑戦してもいいでしょう。
【Q】高額な大学の費用を用意できるか不安。奨学金をあてにしていてもいい?
【A】奨学金を利用する大学生は少なくありませんが、貸与型だと返済に困るケースもあり、子ども自身に重い負担を課すことに。最初からあてにせず、教育費は地道に準備を。もしも、貸与型の奨学金を利用する場合は、子ども自身が返済義務を理解し、返済計画を考えられるよう、しっかり話し合いの場を持ちましょう。
【Q】赤ちゃんが生まれたら、親は生命保険に入るべきでしょうか?
【A】死亡保険は重要度が高いです。保障の対象となる人(被保険者)が契約した期間内に死亡した場合に、契約時に決めた「保険金額」を受け取れるのが死亡保険。家計を支えているパパやママに万が一のことがあった場合の、子育てに対する経済的不安を支えるためにも加入を。とはいえ、遺族年金など公的保障もあるため、保険のかけすぎには注意しましょう。子どもが独立するまでなど、一定の期間だけ保障する定期保険や、収入保障保険もおすすめです。
【Q】2人目が欲しい。そしてマイホームも欲しい。どちらを先に計画するのがいい?
【A】子どもの人数が決まる前に家を購入すると、子ども部屋の数がたりなくなったり、住宅ローンと教育費で家計が火の車になったりすることもあります。子どもの人数に合わせた教育資金計画を立てたあとに、家計に合わせて無理なく購入できる物件を探し始めるのがベターです。
【Q】育休中に2人目を妊娠した場合、第2子の育休中も育児休業給付金はもらえる?
【A】育児休業給付金の受給資格は「育休前の2年間に11日以上働いた月が12カ月以上ある」こと。第2子の「育休前2年間」に、第1子の育休期間がある場合、受給要件を満たせないことも。ただし例外として、第2子の「育休前2年間」には、産前・産後の休業期間や、第1子の育休期間を加えてカウントできると定められています(最大4年間延長できる)。これでほとんどの人が受給要件を満たせるので、第2子の育児休業給付金を受け取れる人が多いです。
【Q】ママの収入のほとんどが保育園の保育料に消えます。専業主婦になったほうが得?
【A】パートタイムで子どもを保育園に預けた場合、0~2才児クラスのうちは収入のほとんどが保育料に消えることも少なくないでしょう。けれど、3~5才児クラスになれば、「幼児教育・保育の無償化」により、利用料が無料、または一部補助されて負担が減るはず。長い目で見れば、ママの収入は家計を支える大きな柱になります。働き続けたほうが将来的には得。今だけでなく、将来を見据えた働き方を考えましょう。
監修/鈴木さや子先生 構成・文/ひよこクラブ編集部
将来にかかる教育費のことを考えると不安になるママやパパもいるかもしれません。でも、計画的に貯蓄していけば負担を分散することも可能です。目標の貯金額を意識し、夫婦で相談しながら、しっかり貯蓄計画をたてられるといいでしょう。
※掲載した文章は2021年3月現在の情報です
参考/「ひよこクラブ」2021年5月号「2人目計画&将来のお金準備 今夫婦で話し合うべきすべてのこと」
鈴木さや子先生(すずきさやこ)
Profile
ファイナンシャル・プランナー、ライフヴェーラ代表。主に子育て世代に向け、家計管理や資産形成などについて講演やイベント、コンサルティングを行う。2児のママ。