コロナ不況で収入が月15万減の家庭も! 絶対NGは貯蓄の切り崩し・ 教育費【専門家監修】
コロナ不況のあおりを受けて、収入が減っている家庭は少なくありません。ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美さんは「コロナ不況は、いつまで続くか先行き不透明。乳幼児がいる家庭では、まずは教育費の見直しを!」と言います。コロナ禍における、教育費の考え方について聞きました。
コロナ不況で収入が月15万減の家庭も! 絶対やってはダメなのは貯蓄の切り崩し
新型コロナ関連の倒産は、2020年2月からの1年間で1000社にも(2021年2月現在)。コロナ禍で経済的な打撃を受けて収入減に悩む家庭は少なくありません。幼児をもつママからは次のような声も聞かれます。
●幼稚園児をもつ3人家族です。夫はコロナ不況で仕事が激減。私もパート勤務をしていますが、子どもがいるので短時間勤務しかできません。収入は月15万円も減りました。子どもには、習い事など今まで通りの生活をさせたいと思っているのですが、この先どうしたらいいのか不安です。
丸山さんは、この体験談のようなケースは少なくないと言います。
「まずママやパパに、強く言いたいのは貯蓄を切り崩すのは最終手段ということです。コロナ不況は先行き不透明なので“赤字分を貯蓄でまかなう”ことが習慣化すると、いつしか貯蓄がゼロになり、借入をしなくてはいけなくなるかもしれません」(丸山さん)
そこで大切なのが、働き方について改革を考えることです。
「体験談のママも“子どもがいるので短時間勤務しかできません”と言っていますが、ピンチに陥った家計を救うためには“〇〇だから働けない”という考えを捨てて、“〇〇だったら働ける!”という考え方に切り替える必要があります。
たとえばパパが会社で認められているなら副業を始めたり、パパの休日に子どもを見てもらい、ママが仕事をしてもいいでしょう。今、できることを夫婦で話し合って、難局を乗りきりましょう」(丸山さん)
家計が苦しい場合は、子どもの習い事は1つに絞ろう
丸山さんによると、乳幼児をもつ家庭は、子どもの教育費を見直すことが赤字脱却のカギになると言います。その1つが習い事の費用です。
「うちには小6になる息子がいますが、私も幼児期のころは英語や音楽、スイミングなどを習わせていました。でも結局、身になったのはスイミングだけ。スイミングは、子どもが好きで今でも通っています。子どもの習い事って、そんな場合も多いものだと思います。
家計が苦しかったり、少し心配になってきているとしたら、複数の習い事をさせている場合は1つに絞りましょう。幼児期は子どもが楽しく通っている習い事を1つさせれば十分だと思います」(丸山さん)。
児童手当はすべて貯蓄すると、1人あたり約200万円に!
ママやパパからは「子どもの将来の教育費を考えると不安」という声も。しかしコロナ不況で、学資保険に加入できないという家庭もあるようです。
「乳幼児期の今から絶対始めてほしいのが、将来の教育費のために児童手当*をすべて貯蓄することです。
・0~3歳未満 1万5000円(一律)
・3歳~小学校修了前 1万円(第3子以降は1万5000円)
・中学生 1万円(一律)
支給されます。児童手当をすべて貯蓄すると、1人あたり約200万円になります」(丸山さん)
*児童手当は現状、扶養親族の数によって所得制限があります。ただし2022年10月支給分から、年収1200万円以上の世帯は、児童手当の給付対象から外される予定です。
小学校~高校の進路別教育費
小学校 公立 月8902円
私立 月7万9316円
中学校 公立 月1万5158円
私立 月8万9597円
高校 公立 月2万3373円
私立 月5万9920円
*文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より算出
*学校外活動費は除く
上記の金額は、文部科学省調べによる小学校~高校の学校教育費(学校給食費含む)です。
「大学は国公立でも4年間で500万円はかかります。でも上記の教育費を見てわかるように、小学校~高校まで公立ならば教育費は抑えられます。
とは言うものの塾などに通えば教育費はかかりますし、子どもが“海外留学したい”と言い出すかもしれません。
そのため前述のとおり習い事を減らして、もし家計に余裕があるなら、浮いた月謝を将来の教育費のために貯蓄しましょう。
私の経験ですが、子どもが成長するにつれ“子どもが小さいとき、あんなにお金を使わなければよかった!”“あの習い事で払った月謝を積み立てていたら…”と思うときが来ます」(丸山さん)
お話・監修/丸山晴美さん 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部
教育費の悩みだけでなく、コロナ不況の中「2人目、3人目はどうしよう」と悩んでいるママやパパも。丸山さんは「コロナで今、家計が苦しい場合は2人目、3人目はよく夫婦で話し合って、考えたほうがいい」と言います。コロナ不況はリストラ、倒産など、パパも不安で、精神的な負荷がかかっています。家族を守る責任感などから心を病んでしまうパパもいるようです。
丸山晴美さん(まるやまはるみ)
Profile
ファイナンシャルプランナー。旅行会社勤務、コンビニ店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ゆとりうむプロジェクトの理事などを務める。近著に「シングルママの“お金に困らない”本」(徳間書店)。
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です
※記事の内容は掲載当時の情報に基づいています。児童手当の支給基準は、変更になる場合がありますので、最新情報をご確認ください。