赤ちゃんの栄養たりてる?たりてない? 悩んだら“発育曲線”で判断を【小児科医】
赤ちゃんに母乳・ミルク・離乳食を飲ませたり、食べさせたりしているときに、「ちゃんと栄養はたりているの?」と悩んだことはありませんか?
そんなときは、母子健康手帳に記載されている“乳児身体発育曲線”(以降、発育曲線と表記します)を使えば、赤ちゃんが健やかに発育しているかどうかを判断できます。
発育曲線の基本的な使い方について、小児科医の若江先生に教えてもらいました。
発育曲線とは、赤ちゃんの発育のバロメーターです
母子健康手帳にも載っている発育曲線とは、どのような用途で使われるものなのでしょうか。
「発育曲線とは、赤ちゃんの身長や体重をグラフ化し、健やかに発育しているか確認するために使います。
2本の帯は、厚生労働省が行った「乳幼児身体発育調査」による身長・体重の標準値。この帯に沿って成長していれば、発育に問題ありません」(若江先生)
【発育曲線の使い方1】身長・体重を定期的にはかり、曲線に記入
乳幼児健診がない間は、月に一度くらいの頻度で身長・体重をはかり、曲線に記入していきましょう。
「自分ではかるのが大変なときは、自治体の保健センターや子育て支援センター、予防接種で小児科に行ったときなどにお願いすれば、はかってもらえます」(若江先生)
【発育曲線の使い方2】帯の傾きに沿って大きくなっているかチェック
曲線に記入できたら、2本の帯と書き込んだ折れ線グラフの傾きを比べながら、赤ちゃんの発育を確認します。
「帯の傾きに沿って数値が増えていれば発育に問題はなく、授乳・離乳食の量もたりていると判断できます。帯内から上下にグラフがはみ出しても、多少であれば問題ありません。
また、発育のペースは、赤ちゃんによってそれぞれ。0~6カ月ごろまでの発育が急で、そのあとゆるやかになるのが一般的な曲線ですが、0~3カ月ごろの発育が急で、途中から横ばいになるパターンや、比較的発育がゆるやかで途中から追いかけるように伸びるパターンもあります。いずれも個性の範囲内で、発育に問題はありません」(若江先生)
発育に悩んだときは、気軽に小児科に相談をしましょう
発育曲線で確認しても心配ごとがある、見方が合っているかわからないというときは、小児科で相談をしてみましょう。小児科では、病気の診断や治療のほか、赤ちゃんが健康に育つための助言も行っているためです。
「病気じゃないのに受診するのは…とためらう人もいますが、発育について心配や不安があるときは受診して相談してください。
また、新型コロナウイルスの感染を心配しての受診控えはNGです。どの病院も感染防止に配慮しているので、安心して受診して大丈夫ですよ」(若江先生)
監修/若江恵利子先生 取材・文/ひよこクラブ編集部
まだおしゃべりできない赤ちゃんの授乳・離乳食の量については、不安が多いもの。身長・体重の数値を定期的にはかり、発育曲線に記入して発育の様子をこまめにチェックしましょう。
『ひよこクラブ』2021年5月号(4月15日発売予定)では「0カ月~2才の飲む量・食べる量 赤ちゃんの栄養ガイド」の別冊付録がつきます。0カ月から2才までの授乳・離乳食の量とバランスのまとめや、読者ファミリーのお悩みに対する専門家の解説などを掲載しています。
参考/『ひよこクラブ』2021年5月号別冊付録「0カ月~2才の飲む量・食べる量 赤ちゃんの栄養ガイド」
若江恵利子先生(わかええりこ)
Profile
医療法人恵徳会 あさかクリニック 理事長。小児科医。東邦大学大森病院新生児科、愛育病院小児科を経て、栃木県で開業。「ひよこクラブ」の人気連載「すくすく成長日記」でもおなじみの先生です。お子さん2人のママ。