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保育園、コロナで入所控え?保育園の利用に慎重な親たち。そこには思わぬデメリットも

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保育園の赤ちゃん
※写真はイメージです
kuppa_rock/gettyimages

新型コロナウイルスの影響で2021度の保育園入所者数は減少し、かつて激戦だった0歳児クラスに空きが出ているところもあるそうです。先が見えないウイルスとの戦いの中で、親として正しい危機意識を持ち、保育園と協力して子育てするにはどうすればいいか、保育園を考える親の会の代表、普光院亜紀さんに話を聞きました。

感染症拡大を防ぐために親が気をつけるべきこと

――新型コロナウイルスや変異株の小児の症状として発熱、せき、鼻水、下痢、頭痛などとされています。少しでもこのような症状が子どもにある時、保育園を休ませるべきでしょうか。

普光院さん(以下敬称略) コロナに限らず、発熱、嘔吐(おうと)、下痢などの症状がある場合は登園できません。いつもと様子の違うせきや鼻水がある場合には、子どもの体力のことも考え休んだほうがいいと思います。

大事なことは、保育園に感染を持ち込まないこと。保育園が休園になってしまったら、自分もほかの親も困りますよね。それに保育士などのエッセンシャルワーカーの方々は、自分が感染しないようにプライベートでもいろんなことを我慢しています。そう考えると、子どもにいつもと違う症状があった時には、慎重にするべきでしょう。

――発熱などの症状があっても、差別されることを不安に思い P C R検査を拒否する人もいると聞きますが…

普光院 どの感染症にもいえることですが、病気にかかる人が悪いわけじゃありません。だれでもかかる可能性があるものです。
とくに子どもたちが共同生活する保育園において、感染症にかかること自体は‟お互いさま”と肝に銘じておくこと。保護者同士でうわさ話やせんさくは控えるよう申し合わせ、徹底することが必要だと思います。

保育園側としては、陽性や濃厚接触の報告を受けた際、個人が特定されないよう情報管理することは基本です。その上で保護者とも、陽性や濃厚接触がわかったら迅速に連絡してもらうよう約束をすることは大事です。
保育園は、陽性者や濃厚接触者が発生した場合、保健所の指導のもと休園や消毒などの措置を決まった手順で行います。保護者が早く報告をすれば、それだけ拡大を防ぐための早期対応ができるわけです。

保育園での生活は子どもの育ちにいいことがたくさんある

――コロナ禍で育休を延長したり、子どもへの感染の心配から自宅保育を選ぶ人もいるようです。

普光院 たとえば今年度の東京都内の入園者数は前年より減少し、0歳児クラスの空きが増えています。また、在宅勤務が広がったせいか、延長保育の利用者も減っているようです。親は保育園利用に慎重になっている気がします。
在宅勤務で通勤時間がなくなったぶん、時間的にも精神的にも少しゆとりができ、親子の時間が増えることは非常にいいことだと思います。
けれど、ずっと親子一緒に家にいるのがいいかというと、それはそれでストレスがたまってしまいますよね。

人類は大昔、集落や大家族で助け合って子育てをしていました。しかし、現代では核家族化が進み、地域関係も希薄になって、「孤育て」といわれるように、密室の中で親が孤立して子育てすることのストレスが問題視され、子育て支援が広く行われるようになったのです。コロナ禍で子育ての孤立が深まることが心配されています。

また、子どもの発達や成長の面から見ても、幼児期の子どもたちが保育園や幼稚園で他者と遊びながらかかわり合うことは、社会性や人格形成のためには欠かせません。子どもたちも、園でお友だちといっぱい遊びたいと願っているはずです。

感染リスクを心配するなら自宅保育の選択もありますが「このご時世だから自宅保育することが正義だ」などと思いこむと苦しくなってしまいそうです。

登園させるかどうかは、親や家族の気持ち、地域の感染状況、園の状態を見ながら、それぞれの判断でいいと思いますが、親子で煮詰まったら、無理をしないで保育園を頼ってください。

働き方や育て方を見つめ直すチャンスかも?

――コロナ禍で生活様式が変化し、働き方も少しずつ変わってきています。保育や子育ての観点から、この変化についてどのように感じられますか?

普光院 近年、会社員の共働き家庭が増加し、保育園側は保育時間を積極的に延ばして、親の働き方を支える努力をしてきました。しかし、このコロナ禍で延長保育を利用しない人が増え、保育の利用時間が短くなる傾向があるように感じます。

コロナ禍での一時的な変化かもしれませんが、これを機に働き方や育て方を考え直し、子育てしやすい社会へ変わっていくのではないかという期待もあります。

働き方改革が進み、親が子どもの体調に合わせて仕事を休めたり、両親どちらかが在宅勤務をして早めにお迎えに行くなど、ゆとりある子育てができるようになれば、保育園も助かります。延長保育の利用が減れば、保育士のローテーションがやりやすくなります。そんなふうに、全体に「ゆとり」をつくることができれば理想的ではないでしょうか。

子育て家庭・親の働き方を決める会社・家庭の働き方を支える保育園、この3者の関係がうまくつながることがとても大事です。
ママもパパも、いつも会社や仕事優先でなく、家庭での時間を大事にしながら、子どもも笑顔が増えるという生き方を選べるようになってほしいなと思います。

お話・監修/普光院亜紀さん 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

新型コロナに限らず感染症を広げないために、子どもの体調が悪い時には保育園などを休ませるのが原則です。親もできるだけ余裕を持って仕事の調整をし、ゆとりを持った働き方を選びたいもの。新型コロナが親たちの働き方を変えるきっかけになるかもしれません。

監修/普光院亜紀さん

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