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長男が白血病を発症した時、ママは第2子妊娠中。家族の看病と出産体験記【小児科医コメントつき】

日本では、年間に2000~2500人の子どもが小児がんと診断され、その約3割は「血液のがん」である白血病です。久田瑛人くん(仮名・7才)は、2才のとき急性リンパ性白血病を発症し、1年間の入院治療を行いました。発症したとき、ママの恵子さん(仮名・34才)は第2子を妊娠中。下の子の出産と看病をどう乗り越えたのかなど、入院していた1年間のことを中心に聞きました。また、主治医である国立成育医療研究センター小児がんセンター血液腫瘍科診療部長の富澤大輔先生に、治療について解説してもらいました。

(上の写真は、面会できない妹に、ガラス越しに絵本を見せているところ)

「機嫌が悪いのは赤ちゃん返りしているから」と思っていたのに…

入院中に、国立成育医療研究センターの保育士さんと一緒に作った雪だるま。

急性リンパ性白血病は、白血球の一種であるリンパ球の成長途中に異常が起こり、がん化した細胞が増殖することで発症します。小児がんの中で最もよくみられる疾患です。2~5才に発症することが多く、日本では年間約500人が新たに診断されています。

――瑛人くんのどんな様子から「いつもと違う…」と感じましたか。

久田さん(以下敬称略) 顔色がなんだか悪いなあ、あざが治りにくいなあ、夜寝苦しそうにしているなあ、とは感じていたのですが、それほど真剣に考えてはいなかったんです。私は下の子を妊娠中だったので、機嫌が悪いのは赤ちゃん返りしているからかな~ぐらいに思っていました。

でも、保育園のおでかけ広場(親子のつどいの場)で保育士さんに瑛人のおなかがちょっとぽっこりしていて顔色も白い気がすることを相談すると、心配なら一応小児科に連れて行ったほうがいいと言われ、パパがかかりつけの小児科に連れていきました。
かかりつけの小児科では血液検査ができないからと近くの総合病院を紹介され、その足で受診。でも、そこでもできない検査があるとのことで国立成育医療研究センターを紹介され、翌日3人で行くことにしました。

実は、パパは総合病院の先生に「白血病の可能性がある」と説明されたそうなのですが、私には言わなかったんです。翌日、病院についてから「実は…」と打ち明けられ、想像もしていなかった病名に、言葉も出ないほど驚きました。

成育での検査の結果、急性リンパ性白血病と確定し、そのまま入院。おなかがぽっこりしていたのは、臓器が腫(は)れていたのが原因だったようです。

――先生からの説明を聞いたときはどんな気持ちでしたか。

久田 率直な気持ちは「ドラマみたい」でした。現実のことと思えなかったんです。先生のお話ですごく印象に残っているのは、「白血病は原因が特定できていない病気です。白血病になったのは本人のせいでも、お母さん・お父さんのせいでもありません。自分のことを責めないでください」と言ってくれたこと。誰のせいでもない、だから、瑛人の前では明るく振る舞おうと決心しました。

薬の影響でとってもおなかがすく時期があり、から揚げ10個をぺろりと

入院中の食事。薬の影響で食欲が旺盛になる時期は、さらに蒸しパンも追加してもらっていたそう。

――ママは妊娠中だったとのこと。つき添いはどうされたのでしょうか。

久田 成育は妊婦の泊まりこみがNGだったので、最初の2週間はパパが泊まり、私は日中に行きました。パパは自営業で、ある程度仕事の都合がつけられるからできたことです。でも、看護師さんが「先は長いから無理をしないで。夜は私たちに任せて」と言ってくれたので、3週間目からは瑛人が寝るまでパパがつき添い、そのあとは看護師さんにお任せすることにしました。最初は1人になるのを嫌がったようですが、朝から寝るまでは必ず誰かがつき添ったので、2週間もすると病院生活には慣れたようにみえました。

――泊まりこみがないとはいえ、朝から夜までつき添うのは大変でしたよね。

久田 私の実家は成育から近いので、ばあば、じいじ、私、パパが交代でつき添いました。パパの実家は福岡なんですが、パパ方のばあばも3カ月くらい上京して、面会だけでなく自宅の家事も手伝ってくれました。家族みんなが協力してくれたから瑛人に寂しい思いをさせず済んだと、今でも感謝しています。

――治療でつらそうだったのはどんなことでしたか。

久田 幸いなことに、薬の副作用による熱は38度程度までしか上がらず、それほどつらそうではありませんでした。髪の毛は抜けましたが、本人はまだ小さいから髪の毛が抜けることにショックを感じることはないし、想像していたより残っていたので、私もわりと平常心でいられました。口内炎にもなったのですが、口の中を冷やすために出されたアイスをパクパク食べたくらいだから、それほど痛みはひどくなかったんじゃないかな。

ただ便秘がひどくて、おなかが痛いと訴えることがたびたびありました。便秘の薬を点滴に入れてもらうと、毎回おむつからはみ出すくらい出ていたので、かなりがんこな便秘だったようです。

あと、薬の副作用でものすごく食欲が出る時期は、「そんなに食べて大丈夫?」っていうくらい食べていました。好きな食べ物を持ち込んでいい土・日は、から揚げを10個とか食べちゃったことも。平日は出された食事じゃたりなくて、蒸しパンを追加でもらったりしていました。

下の子を成育で出産。陣痛間際まで一緒にいて、出産翌日も会いに行く

出産翌日に瑛人くんに会いに行き「妹が生まれたよ」と報告。

――瑛人くんが入院したのが2016年7月で下の子のご出産が17年2月。出産とつき添いはどのように両立されたんでしょうか。

久田 別の病院で出産する予定でしたが、ご配慮いただき、成育で出産できることになりました。だから陣痛が来るぎりぎりまで瑛人のそばにいて、出産の翌日には会いに行けました。
出産退院後は、下の子は病室に入れないので、成育まで下の子も連れていき、私の友だちやばあばの友だちに2~3時間見てもらい、そのあと成育の保育ルームに2時間預け、5時間程度瑛人につき添う、というのが私の日課でした。本当にたくさんの人の手を借りて乗り切った感じです。

――入院中、周囲のママたちとは話をしましたか。

久田 同じ境遇の子どもを持つママが近くにいるのは心強かったです。薬の影響で元気がなくなり、大好きなプラレールでも遊ばなくなったときは、「薬が効いている証拠。見ているほうがつらいけど大丈夫だから」と言ってもらえて、安心できました。

入院中に幼稚園の説明会に参加。幼稚園・小学校生活には何の制限もなし!

フォローアップで受診した4才のとき。採血のあと疲れて寝てしまいました。

――瑛人くんは現在小学校1年生。幼稚園、小学校に上がるときは、先生にどのようなことを相談しましたか。

久田 幼稚園の説明会は、瑛人が入院中に行きました。入園時期には退院しているはずだから入園できるかと聞いたところ、投薬が必要な場合はママに来てもらうかもしれないけれど、基本的には大丈夫とのことでした。退院後も服薬していましたが、朝と夜だけの薬だったので、幼稚園で飲ませることにはなりませんでした。ただ、ステロイド剤を飲む時期は元気がなくなるので、幼稚園のイベントとステロイド剤の投与が重ならないように調整はしました。

小学校入学前も病歴を説明しました。でも、学校生活での制限は何もないので、毎日普通に通学していますよ。

――今もフォローアップには通われているとか。

久田 17年7月に退院し、18年11月までは外来で薬を処方されました。その後は血液検査と身長・体重、血圧測定のみ。通院間隔も徐々にあき、今は3カ月に一度です。5年間はフォローアップが必要と言われているので、そろそろ卒業がみえてくるのかなと思っています。

――同じ病気と闘っている子どもを持つママやパパに、経験者としてアドバイスをお願いします。

久田 白血病の入院は長期に及ぶので、ママ・パパだけでなんとかしようとせず、周囲の人に頼ってください。病院スタッフもフォローしてくれます。また、同じ境遇のママ・パパと話をすることで気持ちが楽になると思います。

【富澤先生より】療養生活を乗りきるために、病院のサポートも上手に活用を

急性リンパ性白血病は子どものがんでいちばん多い病気です。一般的に、入院での抗がん剤治療を約1年間かけて行い、引き続いて1年以上飲み薬による抗がん剤治療を行います。今では80%以上の患者さんが完治するようになりましたが、長期間にわたる治療は、患者さん本人だけではなく、まわりの家族にとっても大変な負担です。しかし、最近は多くの病院で、患者さんとその家族をサポートする多職種による体制が整いつつありますので、ぜひ上手に利用していただきたいと思います。

瑛人くんとそのご家族も、そのようにして療養生活を乗りきってきました。入院中に生まれた妹さんも4才になり、瑛人くんも立派なお兄ちゃんぶりを外来でも垣間見させてくれています。

お話/久田恵子さん

監修/富澤大輔(とみざわだいすけ)先生

取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

白血病の入院期間は長期に及ぶので、ママやパパが疲弊しないように、周囲の人の手を借りて乗りきるのがいいようです。瑛人くんの発症は2才だったこともあり、入院や治療をしていたことはあまり覚えていないよう。今は、白血病だったとは思えないほど、元気に成長しているそうです。

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