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ママが思うより、パパの自己評価は低い? 『たまひよ 理想のパパランキング2021』から見えてきた、夫婦連携・チーム出産育児のヒント

※画像はイメージです

本特集「たまひよ 家族を考える」では、妊娠・育児をとりまくさまざまな事象を、できるだけわかりやすくお届けし、少しでも育てやすい社会になるようなヒントを探したいと考えています。

今回は6月に公開された、『たまひよ 理想のパパランキング2021』に注目し、『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!』の著者である前田晃平さんと共に、調査結果を振り返ります。ママにとって理想のパパとは? パパ自身はどう思っている? ママとパパの視点の違いから、“夫婦の連携やチーム出産育児”のヒントが見えてきました。

※『たまひよ 理想のパパランキング2021』とは
2021年4月、アプリ「まいにちたまひよ」の利用者(マタニティ54%・ベビー46%)に対して実施したアンケート調査。1万3515人が回答。回答者の内訳は女性93%、男性7%。

●Profile

【前田晃平(まえだ こうへい)】

約7割が「配偶者・パートナーは理想のパパ」と回答。この結果の真意は…?

たまひよ 理想のパパランキング2021(※男性の場合は自分自身について回答)

――約1万3,500人が回答した『たまひよ 理想のパパランキング2021』の結果が公開されました。「配偶者・パートナー(もしくは自分自身)は“理想のパパ”ですか?」という質問に対して、約71%の方が「理想のパパだと思う(「とてもそう思う」「まあそう思う」の合算)」と答えています。まずは、この結果についてどう思われますか?

前田さん(以下敬称略):そうですね。いまの日本のリアルな現状があらわれているのかな、と感じました。

約7割の方が「理想のパパだと思う」と答えたのは、高い数値ですよね。とはいえ、日本において育児や家事を十分に行えているパパは、まだ少ないはずなんです。

日本のパパは家事育児の時間が少ない

出典:政府広報オンライン(Eurostat "How Europeans Spend Their Time Everyday Life of Women and Men”(2004), Bureau of Labor Statistics of the U.S. "American Time Use Survey"(2013) 及び総務省「社会生活基本調査」(平成23年)より作成) ※日本の数値は、「夫婦と子どもの世帯」に限定した夫の「家事」「介護・看護」「育児」及び「買い物」の合計時間

前田:総務省の調査によると、6歳未満児のいる家庭のパパの平均的な家事育児時間は一日あたり「1時間7分」。先進国でトップのスウェーデンのパパと比較すると、その差は「2時間以上」ひらいています。子どものいる世帯の家事時間は、妻が夫の「2.8~3.6倍」、育児時間は「2.1~2.7倍」というデータもあります。

ママがパパよりも多くの時間を割いて、育児や家事をしているのは明白です。
それでも、「理想のパパだと思う」と答えた方が多かったのは、なぜなのでしょう。僕は、日本人男性の労働時間が長いという社会問題が隠れているのではないか、と見ています。

パパは育児や家事をもっとしたいのに…

出典:OECD「Balancing paid work, unpaid work and leisure」(2020)

前田:日本人男性の一日の平均労働時間は、先進国の中でぶっちぎりトップの452分。スウェーデン人男性との差は139分。まさに先ほどお伝えした、日本人パパとスウェーデン人パパの家事育児の時間の差が、そのままあらわれているんです。

パパは育児や家事をもっとしたいと思っている。ただ労働時間を考えると、これ以上、やる時間がない。そのことをママもよくわかってくれているんですよね。

「少ない時間の中でよくやってくれている」という感覚がママにはあるんじゃないでしょうか。もしも時間があるのなら、もっと家事育児をやってほしいと本音では思っているかもしれません。

パパ自身の自己評価が低いのは「申し訳ない」気持ちから

たまひよ 理想のパパランキング2021(※男性の場合は自分自身について回答)

――男女別に見ると、ママからの評価よりもパパ自身の自己評価のほうが低い傾向になっています。

前田:「パパは、もっと家事育児をすべき」というメッセージは、メディアなどを通じて増えていますし、自分自身を振り返ってみても「十分にできていない」自覚があるのではないでしょうか。

申し訳ない気持ちが調査結果からにじみ出ていますよね。気持ちはとてもわかります。

――「配偶者・パートナーを理想のパパだと思う」と回答した理由を見ると、ママがパパのどんなところに感謝しているかが伝わってきます。この回答をぜひ、パパにも読んでもらいたいですよね。

前田:ほんとですよね。パパ、泣いちゃうかもしれない。

一部を読みあげると、「子どもも私も大事にしてくれて、仕事から帰ってきたらすぐに息子を抱っこしてくれる」「仕事も忙しいのに家事を手伝ってくれたり、マッサージしてくれたりする」「乳児健診や通院はすべて同行してくれた。テレワーク中もちょっとしたサポートをしてくれる」…。

こういったポジティブなフィードバックをお互いにし合うのは、夫婦の信頼関係を維持するためにも重要なこと。「あなたがしてくれた、この行動が助かっている」「とても感謝している」と、言葉にして伝えていきたいですよね。

家事育児をするとママに怒られる? パパの自己評価を下げる要因は…

――「理想のパパだと思いますか?」という質問に対して「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」と回答したパパの理由を見ていくと、「妻の指示なしでは行動できない」「都度、妻の指導が入る」「些細なことでも気づけないため」という回答が目立ちました。

前田:パパ側の回答結果を見て、自分なりに家事や育児をやってみようとしているんだけど、やり方をママから怒られて、しゅんとしてしまっている。そんなパパの姿が窺えました。

反対にママ側は、家事育児に対して「言わないでもやってほしい」「自分で調べてほしい」と回答している人も多かったですよね。こういった家事育児のすれ違いは、多くの家庭で起きているんじゃないかなと感じます。

先日、僕が登壇したイベントを見ていた方が、おもしろいことを言っていたんです。「家事育児は“オープニングスタッフ”でないとうまくいかない」と。まさに! めちゃめちゃいいヒントをいただいた、と思いました。

――オープニングスタッフ、ですか?

前田:そうなんです。これまでは家庭の中で、主に女性が家事・育児のオープニングスタッフを担ってくれていたんですよね。夫婦や家族の形に合うように、細かな家事のやり方から部屋のレイアウト、子どもの世話のルール、日々どんな順番で何をやるかといった時間管理もすべて、ゼロからシステムをつくりあげていった。システムをつくるのは大変ですが、自分でつくりこんだ分、効率的に動けるわけです。

ただ、パパは新規オープンしたお店にあとから入ってきたバイト君みたいな存在(笑)。

オープニングスタッフから言われたとおりにやるんだけれど、そのシステムに至ったプロセスを知らないから、意図しない行動をしてしまったり、やり方が違うとダメだしをされてしまう。

「言われたとおりやってるのに、なんで怒られるの?」とキレるパパと、「言われたとおりにできてない。ちゃんと自分で考えてやってよ!」とキレるママ。

だけど僕は、これは双方に改善ポイントがあると捉えていて。
男性側は、オープニングスタッフとして自分が家事育児のシステムづくりに参画できていなかったことを自覚して、より能動的にかかわっていったほうがいいし、女性側も自分がつくったやり方に固執せず、夫の意見を取り入れて変えていくスタンスを持っていてほしい。

お互いのコミュニケーション不足を解消して、「ママのシステム」「パパのシステム」ではなく「家族のシステム」を一緒につくっていくことが大事なんだろうなと思うんです。

――東京大学の発達保育実践政策学センター(Cedep)とベネッセ教育総合研究所の共同調査では、全体の37.3%の夫が、「妻は、私がやっていることを取りあげて、自分のやり方で家事・育児をやることがある」と回答しているデータもあります(約2,000組の父母を対象とした3歳児期の調査による)。

うーん。そうなんですよね。我が家も「洗濯物の干し方が違う」と言われて、よく喧嘩していました(笑)。

「男性は家事が下手」「男性は育児ができない」といわれることがよくありますが、よく考えてみてください。そんなはずは、ないです。

だって、小学生でも家事や妹・弟の世話を手伝ってくれるじゃないですか? 成人男性が家事・育児をできないわけがないんです。おそらくそれは、家事・育児をできないのではなく、“パートナーが思っているような家事・育児ができていない”ということ。

それぞれのやり方に違いが出るのは当然だし、多少不満があっても妥協しなければならないときもある。「じゃあ、どうするのがベストなのか」を、やっぱりよく話し合うことが一番なのではないか、と思いますね。

「女性の愛情曲線」がより良い夫婦関係のヒントに

たまひよ 理想のパパランキング2021

――「理想のパパになるために大切だと思うポイントは何だと思いますか?」という質問への回答結果についても感想を聞かせてください。ママ・パパ共に「家族の時間を大切にする」が1位の結果となりました。男女の結果を比較すると、パパのほうが「ママを大切にする」のポイントが高く、反対に「育児を積極的にする」「子育てを一緒に楽しむ」が低い傾向に。パパ側は“ママを大切にしたい”という思いが強い一方、ママ側は“育児や子育てへの参加を望んでいる”という相違も見えてきます。

「愛情曲線」

出典:渥美由喜著『夫婦の愛情曲線の遷移』

前田:そうですね。実際に、僕のまわりでもこういった傾向はあるかもしれません。
「女性の愛情曲線」(渥美由喜著『夫婦の愛情曲線の変遷』内で紹介された女性の愛情の配分がライフステージごとにどのように変わるのかを表したグラフ)と呼ばれるデータがありますが、子どもが生まれるまでは妻の愛情が向く先の圧倒的ナンバーワンは夫なんです。それが子どもができた途端に、夫のプレゼンスが劇的に下がっている。「夫婦でずっと仲良くいたい」「家族の時間も大事だけど、ママとの時間も大切にしたい」と思っている男性は実は多くて、それがこの結果にも反映されているのではないでしょうか。

なので、男女の考えに違いがでることにはそこまで驚かないのですが、違いを認識して、どう行動にうつしていくかが大事なんじゃないかと思います。愛情曲線の分岐にぜひ注目してもらいたいです。出産直後、パパがどれだけ育児家事にコミットしたかでママの愛情が回復するか低迷するかが決まるんです。僕も育休を取って初めて、育児家事への参加が夫婦関係にも大きく影響するんだとわかりました。パパが育児を積極的にやることは「ママが大切にしていることを大切にする」わけですから、結果として双方にとっての「理想のパパ」にも近づいていけるのではないかと思います。



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ママとパパがお互いの視点の違いも理解しながら、育児家事における「家族のシステム」を一緒につくっていくことが大事だと考える前田さん。今後の『理想のパパ像』の変化にも注目です。


取材・文/猪俣奈央子

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