幼少期からの英語教育、どうやって始める?バイリンガルを育てたママ先生が疑問にお答え
小学校に英語教育が導入されたこともあり、幼少期からの英語教育にママたちの関心が高まっています。でも、いつから始めるべき? 何をすればよい? 早期教育は日本語がおかしくなる? そんな声も聞こえてきます。
そこで、2人のお子さんを早期英語教育を経てバイリンガルに育てた「おやこえいごくらぶ」顧問の小田せつこ先生に、早期英語教育の疑問にお答えいただきました。
Q:英語教育は、何歳から始めればいい?
今すぐ始めるのをおすすめします。できれば0歳からスタートさせて欲しいと思っています。スタートが遅くなればなるほど英語に対する抵抗力が生まれてしまうからです。
中学生より小学生、小学生より幼稚園・保育園児、園児よりベビーのほうが英語に対して柔軟な傾向にあります。子どもに新しいものを柔軟に受け入れる力が充分に備わっているうちに英語に触れさせることには重要な意味があるのです。
Q:家庭での英語教育、何から始めればよい?
0~1歳半までで大事なのはママとのコミュニケーション。できる範囲で英語の絵本の読み聞かせや英語の歌を歌ってあげるのもいいですね。1歳半~幼稚園・保育園の時期は“おやこえいごの黄金期”! この時期にどれだけインプットできるかが勝負になります。英語の音への柔軟性があるので、子どもの好きな動画などで英語の大量インプットを。幼稚園・保育園~小学校低学年は、子どもがいろいろなことに興味を持ち始め英語から少し離れてしまいがちな時期です。好きな動画やCD、楽しめている英語教材などを活用して英語に慣れた耳を維持していきましょう。
Q:幼稚園・保育園からのスタートは遅過ぎる?
もちろん、始めるのに遅すぎることもないので、一緒に英語の動画を見たり歌や絵本を一緒に楽しむなど「おやこえいご」で勧めているやり方ができると思います。でも、幼稚園・保育園くらいの年齢になると、英語の動画やビデオを見ても英語がわからないからつまらないとなって興味を示してくれないことが。ベストは英語だけのものですが、その時期からのスタートなら日本語の混ざったやさしい英語ビデオをママと一緒に楽しんでみましょう。もしくは、ポケモンなど馴染みのあるアニメの英語版など、興味を示しそうな作品をいくつか観せてみて。夢中になる作品が見つけられたらラッキーですね。
Q:英語の早期教育で日本語がおかしくなってしまうのでは?
言葉を吸収する時期に英語教育をすると日本語がおかしくなってしまうのでは?と、ママたちからよく聞かれます。確かに新しい言語を学ぶことによって、元の言語を失う現象はあります。でもそれは、元の言語をほぼ使わなくなることによって生じるものです。日常的に日本語に囲まれている生活を送っていれば、少し英語に触れたからといって日本語がおかしくなることはありません。
Q:親は発音が苦手…。おかしな発音になったりしない?
大丈夫! ママが英語で話し掛けたり、歌ったりするのは、赤ちゃんが喜ぶママとのコミュニケーションのひとつなので、臆せずどんどん話し掛けてください。赤ちゃんは最初の発音が続くわけではなく、動画や映画などで耳に入ってきた英語が浸透していくと、修正がきいてきます。ただし、気をつけないといけないのは、子どもの発音を直さないこと。意外と子どもの方が耳がよいので、今は完璧でなくても正しい方に向かっているケースが多いからです。
Q:英語のビデオをみせたくても日本語の方を選びます。英語に興味をもたせるコツは?
日本語が理解できるようになってくると、日本のビデオを観たくなるのは当然かもしれません。そこで、ひとつうまくいった例を紹介しましょう。
ママが英語に興味を示しているアピールを。「ママが観たいビデオがあるから15分だけつき合って」と、英語のビデオを一緒に観ます。ママはつき合ってくれたことをすこし大袈裟に喜んでください。子どもはママの喜ぶ姿を見るのが大好き。次第に子どもも英語のビデオに興味を示すようになったそうです。
Q:小学校英語でつまずかないための準備は?
小学校3~4年の英語は、歌を歌ったり、お話をするなど楽しむ授業なので、「おやこえいご」で英語に慣れ親しんでいれば、授業がわからない、つまらない、になることは少ないでしょう。できたら、ここでつまずいて欲しくないですよね。
小学校5~6年は、英語のがんばりどき。英語の習得では“高学年が最良のチャンス”。まだ発音の変な癖がついていないため、この時期に正しい発音を身に付ける事は一生の宝物になります。この時期に英語をたくさん使ってたくさん間違えましょう。
「おやこえいご」のゴールは、英語というスキルを身に付け、人生の選択肢を広げ、子どもたちを幸せにすることです。でも、子どものためにとやっていることも、子どもにはまったく響かないことも…。成長と共に、英語のつまずきポイントはいっぱいでてきます。もちろん英語の環境作りを継続させることも必要ですが、どんなときもコミュニケーションを取りながら、子どもも親もきちんと話せる環境作りを心掛けることも「おやこえいご」に必要不可欠な要素になります。
まずは0歳からムリなく、ムダなく、親子で楽しく英語を楽しみましょう。
(文・井上裕紀子)
