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脳は6才までに95%ができあがる?! 小児科医に聞いた子どもの脳を育てる3原則

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アジアの母と赤ちゃんの生活部屋
※写真はイメージです
itakayuki/gettyimages

わが子には、より幸せな人生を歩んでほしいと願うのが親心。子どもにどんなことをしてあげればいいか、たくさんの育児情報があふれる中、迷ってしまうこともあります。そんなとき、ヒントになるのが脳の育ち。赤ちゃんの脳の発達の観点から、子育てで大事にすべきことについて、児童精神科医で脳科学に詳しい林隆博先生に聞きました。

刺激によってシナプスが成長し、早く正しく情報伝達できる

出典:チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)/林隆博先生

――脳が育つ、とは具体的にどのような状態なのでしょうか。

林先生(以下敬称略) 生まれたばかりの赤ちゃんの脳にも、たくさんの神経細胞(ニューロン)があります。神経細胞数は約140億個で、出生後1~2カ月までは増加し、それ以降は増加しません。

脳は、この神経細胞同士が子育て環境からの刺激に反応してつながり(シナプス)、情報が通る道を作ることで発達します。この情報が通る道(軸索:じくさく)は、そのままではむき出しの電線のような状態でうまく機能しません。この電線にカバーをつける(ミエリン)ことで、スムーズに情報伝達が行われます。

赤ちゃんが五感を通して外からの刺激を受け取ると、シナプスやミエリンが成長します。情報を伝達しあい、さまざまなことを学習して、できなかったことができるようになります。脳が育つということは、このようにシナプスやミエリンが増えて、情報の伝達が早く正しく効率よくできるようになることです。

――では、脳が育つためにはどんなことが必要ですか?

林 ヒトの赤ちゃんの大脳の重さは出生時にはおよそ350gから400gですが、脳の重量は2才までに約3倍になり、6才までには成人の脳重量(1200〜1500g)の約95%に達するといわれています。赤ちゃんの脳の成長には、家族とのコミュニケーションをとおしたさまざまな経験による脳への刺激と、シナプスなどを作るための栄養素、質のいい睡眠などが必要です。

赤ちゃんにとって楽しい経験が脳を発達させる

――脳にいい刺激とはどんな刺激ですか?脳の発達のためにしないほうがいいことはありますか?

林 抱っこしてくれる人のにおいや、呼びかけられる声、顔をじっと見る、体に触れられるなど、いろんな感覚が混じり合って赤ちゃんの脳を刺激します。赤ちゃんにとっての楽しい経験が脳に伝わると、ドーパミンという神経伝達物質を産出します。ドーパミンは脳の原始的な経路の一つ。行動をしていいことがあったときにドーパミンが出て、これは自分にとって正しいことだ、と判断し学習効果が高まります。

逆に、まったく変化がない放置状態の環境で育った子どもは、脳の働きの発達が鈍くなります。極端な例ですが、生まれてから1室に閉じ込められて外部との交流を遮断された子どもは、6才で言葉が話せませんでした。保護されたあとの手厚い養育の中では徐々に言葉を習得しています。

スキンシップで肌が触れ合い、ママやパパの息がかかるくらいの近さで声が聞こえる…といった赤ちゃんが楽しい、うれしいと感じる刺激が大事です。ぜひ、積極的に遊びを通じて赤ちゃんとかかわってほしいと思います。

――では、脳の発達に睡眠が必要なのはなぜでしょうか?

林 睡眠は脳の休息のためだけではなく、修理するために必要だと私は考えます。寝ている間には松果体(しょうかたい)ホルモンが出て、日中の活動によって疲れた脳の回復や修復を助けます。健康な脳機能の発育には、品質のいい睡眠が必要なのです。
また、記憶が睡眠によって強化されることもわかっています。学童期の学習効果を上げるという意味でも、睡眠はきちんととることを習慣づけておくといいですね。

乳幼児期の脳を育てるためにはバランスよく栄養をとることが大事

――次に、栄養について教えてください。脳の発達のために積極的にとったほうがいい栄養などはありますか?

林 まず、脳のエネルギー源となるのはブドウ糖といわれています。ブドウ糖はごはんやパンなどの炭水化物が消化されることで作られます。さらに、脳細胞間のシナプスやミエリンの発達には脂質とタンパク質も必要です。脂質の多くは体内で合成できますが、できない部分は補う必要があります。

補うべき脂質は、オメガ3系(n-3)、オメガ6系(n-6)と必須脂肪酸です。オメガ3系は、主に魚の脂質に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)などがあります。また、タンパク質を構成する必須アミノ酸も体内では作れないため、食事からとる必要があります。

しかし「これを食べれば頭がよくなる」という栄養素があれば、みんなそれを食べますね(笑)。ですから、幼児期はごく普通のごはんとおかずでいいので、栄養バランスのいい食事をとることが大事です。たとえば朝ごはんなら、魚のふりかけやしらす、みそ汁に野菜を入れてみるとか、タンパク質がとれる豆腐を食べるとか…。1日や1週間にトータルで見て、バランスよく栄養がとれていれば大丈夫でしょう。

シリアルは簡単ですし栄養バランスもいいですが、製品によっては血糖値が急上昇してしまいます。毎朝シリアルというよりは、どうしても忙しい日に、というくらいならいいかもしれません。

笑顔のキャッチボールで愛情たっぷりの子育てを

――そのほかに、林先生が小児科医として親子の様子を見る中で、脳の発達のためにもっとこうしたほうがいい、と気になることはありますか?

林 最近のママたちは、赤ちゃんに対する愛情をたくさん持っているのですが、どのように行動で表現をすればいいのかわからなくて困っているのでは…と感じます。スマートフォンは便利ではありますが、そればかり見てしまい、赤ちゃんの成長のサインを見逃してしまうのはもったいないですね。中には赤ちゃんに笑顔を向ける、ということがなかなかできない人もいます。

赤ちゃんは、ママやパパと視線を合わせて注目することで、注意力をコントロールできるようになります。視線を合わせないでいると、注意力をコントロールする力がうまく育ちません。まずは、よく目を合わせてあげることが大事です。

――目を合わせてあげると、ママやパパの表情にも注目するようになるのでしょうか。

林 そうですね。ママやパパ、周囲の大人が赤ちゃんの顔を見てニコッと笑ってあげると、赤ちゃんもそれを学んで笑顔が返せるようになります。
これを私は「笑顔のキャッチボール」と呼んでいます。笑顔が出ると、人は幸せな気持ちになります。親や周囲の人と笑顔のキャッチボールをすることで、報酬系ドーパミンが出て、さらによく見るようになる。最初はそのようなコミュニケーションの刺激から始まり、脳がよく育つことにつながります。
つまり、脳の育ちには、愛情の豊かな環境で子どもを育てることが大切なのです。

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

お話・監修/林隆博先生(はやしたかひろ)先生

脳がきちんと育つためには、睡眠・家族のコミュニケーション・栄養が大事。基本的なことに思えますが、親子の愛情豊かなやりとりこそが、子どもの脳発達の基本となるのでしょう。

画像出典元:チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)~34. 脳細胞の基本的な仕組み~

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