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おたくマンガ家・御手洗直子の「育児日記」 薄幸の黒い使者(カラスさんの話)

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一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者がおくる大人気不定期連載! 「つっこみが止まらないコマダム日記」⑰。あの御手洗直子がとうとう二人目を出産。果たして直子の育児はどうなった???

善い行いをしました。だからきっと、きっと、きっと。

現世に人として生まれたからには日々過ごす中で邪念に囚われることなく自然に、楚々とした所作にて善行を行いたいものである。それは下心とは関わりなく、無垢純真にて、清らかなものでなければならない。

さて先日自宅前の私道にて、カラスが1羽死んでいました。自宅前と言っても多少我が家からは離れており、いわばうちのテリトリーで死んでいたわけではないのですが、通りがかりに見ると少し血が出ていて、やはり死んでいる。ああ…カラス、死んじゃったのかい…。と思い、通り過ぎて買い物から帰ってくると、まだいる。絶対に通る道なので、帰り道にもいるのである。う~ん、いるなァ。と思いつつ、気になる。しょっちゅう車が通る道ではないが、まあまあ車が走る道なのである。その、まん真ん中にいる。

ウ~~~~ン、いくら死んでいるとは言え、車に轢かれたら気の毒だなァ~~~;;;小学生の時によく見た乾いたカエルの死体と違ってなんかまだフレッシュそうだから車に轢かれたら○?△(規制)だろうし…。身を隠すこともできずこんなところで死んでしまった上に車に轢かれてしまったらなあ~~~;と、迷った末にどうにかしてやることにしました。

ゴミバサミみたいな、トングみたいなものがあればよかったのですがそんな都合の良いものは無く、いやしかし素手でさわるのはさすがにアレだったので使い捨てのビニール手袋を二重にして、ビニール袋を持って挑みました。備忘録として記しておくが、割りバシでカラスはつかめない事が判明した。ハタから見れば道端でカラスをつまむ超雑食の人である。世間的にあぶない。
そんでもって、じゃあ袋に入れてやるかとカラスの身体の下に手を差し入れると、あったかいのである。

オイィイイイ;;;;;

おまえ死にたてやんけ!;;なにやってんの?!なんでこんなところで死んじゃったの?!!!事故死?!誰かにやられたの?!血が出てるけど病死?!!…病死?!!病気??!!触って大丈夫なの?!!マスクしてないけど鳥インフルとかだったらやばいんじゃないの…?!!と若干プチパニックである。だって死にたてホヤホヤ感がハンパないのである。映画とかだと突如この死体からおびただしい数のウイルスが主人公を襲うのである。主人公の皮膚はみるみる汚染され、紫色に腐り落ち吐血とともに命を散らしながら周囲の人間をも巻き込み、やがて地球規模のパンデミックへと発展していくのである。まず川崎市が全滅する。神奈川県は県境から封鎖され、上空ヘリから『ごらんください!甚大なる被害が出ています!人類は為す術がありません…凄まじい感染力です!』とヘリにハコ乗りしながら絶叫するレポーターから阿鼻叫喚となった地上の様子が全国へ報道されるのである。とてもおそろしい。

ヒェ~~~~、と思いながらもそーっと袋に入れて、紐を縛っていると目の前のお家の奥さんがちょうど出てきたところで、『あ~、すみません、ちょうど今やろうと思ってたんですよ』って言ってそそくさと去っていきました。たぶん嘘だと思う。

とりあえずカラスの入った袋を家(の外)まで持って帰り、う~ん、どっかに埋めてあげようにも勝手に埋めたらまずいだろうしなあ…。でもゴミ箱に捨てるのもなあ…と結局グーグルせんせえに聞いてみたところ生活環境事業所に連絡せよ。さすれば動物専用の焼却炉で焼いてくれるであろう。とのことで、おお…ごみとじゃなくて他の動物と一緒に焼いてもらえるなら良いだろうと思い電話をしてみました。

『お電話ありがとうございます。で、死体はどちらにありますか?』『あ、袋に入れて自宅横に置いてあります。』『エエッ?!!;;袋に入れてくださったんですか…?!あ…ありがとうございます。』めちゃくちゃびっくりしている。アレ?これ、道に落ちてるまま電話してよかったんじゃないの?普通拾う人なんかいねえよってことなんじゃないの?……拾わなくてよかったんじゃないの…?

しばらくして、夜になる前にはカラスの袋は引き取られて無くなっていたのでした。

あれからしばらく経つが、皮膚が紫色にただれることも無く、謎の発疹が出たり吐血もすることなく過ごしている。電話をしてから改めて、やはり素人が素手で拾ったりしちゃホントはダメだったんだろうな~~と反省したのである。

ウ~~ン、まあ、カラスが心配だったからよかったのだ…。もしあのカラスが車に轢かれてしまっていたらやはり心が痛んだであろう。あの時は純粋にカラスがかわいそうだなあと思って行動したのである。

そんな優しい私にカラスがいつか恩返しに来ないだろうか。という邪念がセットで盛り上がってくるのである。なぜって私は悟りを開いた菩薩でも聖母から生まれたキリストでもないからである。
黒い衣を纏ったカラスの化身が、『直子さん、あの時はありがとうございました…』とか言いながら5億円くらいくれないだろうか。2億円でもいい。今はまだ来てないけど、そのうち恩返しに来ると思う。

高校生の時車道から葉っぱによけてあげたでんでん虫が美形に変身してトーン貼りを手伝いに来ないかと修羅場中待ち続けてたけど来なかったので、いつかそいつも一緒に来るような気がする。


1億円でもいいです。(おわり

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御手洗直子プロフィール
pixivで大人気。累計閲覧数1000万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。

『つっこみが止まらない育児日記』
定価1080円 ベネッセコーポレーション
→詳しくはこちらから。たまひよメイトブログで7話まで公開中
御手洗直子(@mitarainaoko)Twitter

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