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「育てにくい」のは親のせい?と自分を責めてしまうママ・パパへ【3児のママ小児科医】

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居間で疲れた母親と泣いている赤ちゃん
takasuu/gettyimages

3児を子育て中のママ小児科医・藤井明子先生が、診療の中で寄せられたお悩みについてのアドバイスや、日々の子育てを頑張っているママやパパに伝えたいさまざまな情報を発信している連載です。第16回は、「育てにくさ」をテーマにお届けします。

「私のせいでこの子はこうなってしまったのでしょうか」というママ・パパからの相談

「さくらキッズくりにっく」の発達外来には0才から15才ごろまでの発達に関する相談のため、子育て中の方々がたくさん訪れます。運動の遅れ、言葉の遅れ、集団生活で落ち着きがない、園や学校に行きたがらないなど相談内容はさまざまです。

中には、生まれたときから「育てにくい子」で、どうしたらいいのかわからなくて、手をあげてはいけないとわかっていても、つい怒りのままに手を出してしまったこともある、と涙ながらに話す方もいます。

「育てにくい子」「育てやすい子」の違いは何でしょうか。

ママ・パパ、一人ひとり、それぞれで感じ方が違うと思います。また、家族内であっても子どもとママ、子どもとパパの関係性の中で、それぞれが「育てやすい子」「育てにくい子」と、とらえ方が違うこともあるでしょう。さらに「育てやすい子」と思っていたのに、成長とともに「育てにくい子」と感じるようになることもあるようです。

では、なぜ「育てにくい子」と感じてしまうのでしょうか。

子ども一人ひとりの個性や特性による場合もあります。新しい場面に慣れにくい子、新しいものに対して慎重な子、人見知りが激しい子、暗いところが苦手な子など、子どもによっていろいろあると思います。

私自身の幼少期は、引っ込み思案で人前で話すのが苦手な子でした。気になることがあっても口に出して言うことができず、幼稚園の先生の前で泣いてしまうような子どもでした。一方、一才下の妹は、幼稚園の入園テストで物おじせずに絵本の感想を言えるような子だったそうです。弟も活発で好奇心旺盛な子でした。

同じ親から生まれたきょうだいでもこれだけ違うのです。子どもは皆、親とは別の人格を、一人ひとりが持っているんですね。

「育てにくい子」と感じていたらまずは自分をいたわること

「自分はこれだけやっているのに、どうしてわかってくれないの」というママやパパの孤独感、悲しみや寂しさ、無力感が子どもを「育てにくい子」と思わせてしまう要因の一つでもあるかもしれません。

相談に来るママやパパが自分の子を「育てにくい子」と思って、気持ちが疲れてしまっている様子のときには、育児を一人で抱えすぎないことが一番大切なことだと伝えています。

「育てにくい子」とわが子をみている自分に気づいたら、「それだけ育児を頑張りすぎているんだな」と、まずは自分自身を思いやり、いたわってあげましょう。

そして決して、「育てにくい子」とみてしまう自分はダメな親なのだと責めることはありません。「自分はダメな親なのだと思ってしまうほど、育児を頑張ってきたね」と自分自身をいたわる言葉を探してみましょう。

「育てにくさ」は、ママ・パパ自身のとらえ方次第という側面があり、また、その子の特性に合わせたかかわりで、過ごしやすくできる場合もあります。園の先生やかかりつけ医と一緒に考えてもらうのもいいでしょう。私の外来でも、お子さんそれぞれに合わせてできそうな対応策を考えて、試行錯誤をしながら一緒に成長を見守っています。

「育てにくさ」は、すぐには解決できないかもしれませんが、ママ・パパが一人で育児を抱えないことを意識するだけでも、気持ちに少しゆとりが出てくると思います。山あり谷ありの育児の期間を、周りのサポートも受けながら、自分とは別の人格を持っている子どもを尊重し、一緒に過ごす時間を安心して楽しめるといいですね。


文・監修/藤井明子先生 構成/ひよこクラブ編集部


※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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