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新型コロナ流行下での育児不安… そこから一歩踏み出す工夫を【3児のママ小児科医】

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自宅で一緒に時間を過ごしながら、現代の技術を使用して若い美しい家族
evgenyatamanenko/gettyimages

3児を子育て中のママ小児科医・藤井明子先生が、診療の中でママやパパたちから寄せられたお悩みについてのアドバイスや、日々の子育てを頑張っているママやパパに伝えたいさまざまな情報を発信している連載です。第15回は、「コロナ禍の育児からの学び」をテーマにお届けします。

コロナ禍による自粛生活は赤ちゃんの心や体の発達に影響するの?

2020年の夏休みに引き続き、21年の夏休みもステイホームの時間が多かったわが家の3人の子どもたち。自宅で過ごす時間が長い分、日中の活動量が減り、体重が増えたり、夜眠れなかったり、イライラしたりと多少なりとも子どもたちへの影響は感じずにはいられませんでした。

乳児を子育て中のママ・パパからも、不安や心配の声が聞こえてきます。

国立成育医療センターが20年に行った子どもや保護者へのアンケート調査でも、小学校4年生以上の小学生の15~30%に中等度以上のうつ症状があったと報告されています(※1)。また、産後うつの有病率が、コロナ感染流行により増加しているとの報告も出てきています(※2)。

一方、乳児期の子どもへの影響についてははっきりとしたデータなどはありませんが、まったく影響がないとは言えないと感じています。それは、コロナ感染流行下で外出が減ったためというだけでなく、子どもを取り囲む環境が変化したことが関係しているかもしれません。


※1/国立成育医療研究センター「コロナ×こどもアンケート」調査報告

※2/
https://www3.nhk.or.jp/news/special/kosodate/article/feature/article_201016.html

赤ちゃんの一番身近にいるママ・パパが安心感を持って育児に向かうことが大切

大人同士での触れ合い減り、もちろん赤ちゃんが近い月齢の子たちを触れ合う機会も減って、赤ちゃんに成長を促す刺激が少なくなっていることが考えられます。大切なことは、ママ・パパが安心感を持って育児に向かうことです。そうすれば、赤ちゃんも安心して穏やかに過ごすことができるからです。

私が乳児期のころの長女を抱っこしてもなかなか寝てくれず、困っていたときのこと。私は夜中の授乳と日中の仕事で、気持ちも体も疲れていました。早く寝てくれないかなとあせりながらも、立って長女を抱っこしてあやしたのですが、腕の中でのけぞるばかりでした。そんな状態の長女を、「ちょっと私が抱っこしようか」と私の母が抱っこすると、腕の中でうとうとし出すのです。赤ちゃんのお世話をするときは、気持ちに余裕がないと、赤ちゃんの気持ちにも影響があるのだなと思った出来事でした。

安心感を持って育児に向かうことに加え、この状況でできることは何なのかを考えることも大切だと思います。

新型コロナの流行に限らず、育児では、思いがけない出来事や状況に出くわすことも多いものです。そのたびになんとか避けようとしたり、いつまでも変えられない状況を悔やんだりするよりも、置かれた状況でどう過ごすかに目を向けるといいのではと思います。

わが家の場合は、自宅でのゲーム大会や縁日ごっこ、居間を映画館風に見立ててDVD鑑賞ということもありました。また、こんなときにしかできないと思い立ち、椅子の生地の張替えを子どもたちと一緒に行ったり、人が少ない早朝の散歩を始めたり。家族以外とのコミュニケーションでは、友人や親せきとオンラインで食事会も行いました。新型コロナの流行がなければどれもあえてすることはなかったかもしれません。

まだ子どもが小さい場合でも、自宅で親子遊びを楽しんだり、おもちゃを作ったり、おやつをかわいいお皿にのせてミニおやつパーティーをしたり、お手伝いをお願いしたりなどしてもいいかもしれません。また、オンラインで親せきや友人と顔を合わせたり、育児相談をしたり、工夫できそうなことや今までにない経験がありそうですね。

新型コロナ流行の影響は、今後も何らかの形で出てくる可能性があります。しかし、悪いことを想像して心配するのでなく、置かれた状況でできることはないかを探してみることのほうが有意義です。私自身も3人の子育てを通じて、少しずつ考え方を柔軟にして、視野を広げられるようになってきたと思います。悩みながらも、視野を広げていく工夫は、今後の育児にとっても大切な姿勢だと考えられます。

文・監修/藤井明子先生 構成/ひよこクラブ編集部

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