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【医師監修】抱っこでないと寝ない。泣き叫ぶ。うちの子って「育てにくい子」・・・?

東京大学医学部小児科、都立府中病院小児科、日本赤十字社医療センター小児科などを経て、1996年に神奈川県川崎市にて「かたおか小児科クリニック」を開設。
NPO法人「VPDを知って子どもを守ろうの会」理事。

【記事監修】

【小児科医】片岡正 先生

かたおか小児科クリニック

Profile

「育てにくい子」ってどんな子?

 近ごろ、「育てにくい子」「ディフィカルト・チャイルド」という言葉がよく取り上げられています。子どもにはそれぞれ個性があり、子育ても一様にはいきません。とくに初めてのお子さんであれば、戸惑いや苦労、悩みは尽きないものです。しかし子育てが初めてかどうかに関係なく、お母さん・お父さんが「うちの子は育てにくい」と強く感じる場合があります。

具体的に言うと、小さい赤ちゃんであれば...
・まったく寝てくれない。抱っこでないと眠らず、夜中でも布団で寝かせられない
・ヒステリックに泣き叫び、泣き出したら止まらない。1日中ほとんど泣きっ放し
・抱っこや体に触れられることが不快で、嫌がって大暴れする
・離乳食を食べず、何カ月たっても進まない。食べ物の好き嫌いが極端に激しい
・食べている最中も激しく動き回り、少しの間も落ち着いていない

2〜3才になると
・何度言っても言うことを聞かない
・物や自分のやり方に強くこだわる
・すぐカッとなり、暴れると手がつけられない
・自由気ままに動き回り、いつの間にかそばからいなくなる
・ほかの子どもを避けたりすぐに乱暴するなど、他者とうまくかかわれない
などです。

 上記のうち1つや2つは、どんな子どもにもある程度みられることですが、いくつも当てはまり、さらにその度合いが極端に激しい子どもがいます。それが「育てにくい子」と言われる子どもたちです。一人っ子かきょうだいがいるか、男の子か女の子かということは関係ありません。

原因は、親の「育て方」?

 子どもを育てにくいと感じたとき、親は「自分のやり方が悪いんじゃないか」「愛情がたりないんじゃないか」と悩みます。時には周囲からそういうプレッシャーをかけられることもあるでしょう。

 しかし、それは間違いです。「育てにくさ」はお母さんやお父さんの育て方が原因ではないということを、まず知っておいてもらいたいです。

 赤ちゃんは皆、生まれたときから個性を持っています。その個性を特徴づけているのが「気質」と呼ばれるものです。「気質」は環境の影響で培われるのではなく、もともと生まれつき持っているものです。子どもの「育てにくさ」のほとんどが、この「気質」に起因しています。

 ならば、育てにくい子はずっと変わらないのかというと、そうとは限りません。心身の発育・発達とともにだんだんと落ち着いたり、お母さん・お父さんがお子さんへの対応に慣れて安定してくる場合がほとんどです。

 その一方で、中には成長していくにつれて、発達障害があることがわかるお子さんもいます。典型的な自閉症では2才までに症状がそろいますが、育てにくさが発達障害によるものかどうかは、子どもが小さいうちは判断がつかない場合も多いです。

大切なのは、一人で悩まないこと

育てにくいお子さんは、わがままで親の言うことを聞かないと思われることが多いです。お子さんが小さいうちは、お母さん・お父さんは子どもに振り回されている感覚ばかりが募り、心身共に疲れ、ゆとりを失ってしまうことが少なくありません。

 また、子どもがある程度大きくなると、「しつけがたりない」と誤解されてしまう場合もあります。そのため、親はつい「きちんとしなさい!」「話を聞きなさい!」「何度言えばわかるの!」としかってしまいがちです。これではお母さん・お父さんはもちろん、お子さんもつらいばかりですね。

 育てにくい子ども達の極端な行動は、わざとやっているわけではありません。親の言っていることを無視しているのではなく、ただ、わからずにやっているのです。それなのにしかられることが続くと、子どもは逆に混乱し、自信をなくしてしまい、時には別の問題を引き起こしてしまうことにもつながります。

 こういうお子さんの成長を促していくには、その子に合った育児と保育・教育が大切です。また、それがわかれば、お母さん・お父さんも少しずつ楽になれるのではないでしょうか。

 お子さんの「育てにくさ」を見極めて、その子が生きやすい方法を見つけだすには、プロの客観的な観察が大きな手助けになります。子育てに悩んだり、子どもの発達に少しでも不安を感じたら、怖がらずに専門家に相談してみることをおすすめします。

「うちの子、大丈夫…?」相談したいと思ったら

 相談は、発達を専門とするところにするのがベストです。しかし、そうした医療機関はまだ全国的に数が少なく、申し込みから診察まで数カ月もかかることが少なくありません。そこでまずは公的機関を利用するといいでしょう。

 いちばん身近なのは乳幼児健康診査、いわゆる「○カ月健診」「○才児健診」です。育児の悩みや子どもの生活面や行動面で気になっていることがあれば、問診のときに遠慮せずに相談してみてください。

 健診の時期まで待てない、もっと落ち着いてじっくり相談したいという方は、保健所など地域の子育て支援の機関が主宰している「発達相談」もあります。心理士などが子どもの様子を見ながら個別に相談にのってくれるので、より具体的な助言をもらうことができます。地域によって相談会の時期や内容は異なるので、まずは保健所などに問い合わせてみましょう。

 もう一歩踏み込んだアドバイスやケアをしている公共機関に「療育機関」があります。療育機関には子ども発達センターや児童発達支援センターなどの機関があり、子どもの発達に詳しい保育士、心理士、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士などの専門家がいます。ここでは子どもの社会生活における基本的な力を伸ばすために、専門的な指導が行われています。食事やトイレなど生活習慣を学ぶクラスのほかに、保育園や幼稚園と並行して通える夕方からのクラスなどもあります。発達障害の診断の有無に関わらず利用できるところもあるので、まずは相談してみるとよいでしょう。
※問い合わせはお住まいの地区の保健所、児童相談所、幼稚園、保育所などでできます。

 私のクリニックにもお子さんの「育てにくさ」に悩むお母さんが、ときどき相談におみえになります。そういうときは時間の許す限りお母さんの話を聞き、相談にのるよう心がけています。「育てにくい」というのは病名ではないので、すぐにしてあげられることはあまりありませんが、医師の立場からある程度のアドバイスはできます。また、話を聞く相手がいるだけでも、お母さんの気持ちはずいぶん楽になるのではないでしょうか。

 ご家族やお友だちなど、身近な相談相手はもちろん大切ですが、それとは別に、心配を一緒に共有してくれる専門家、医師や看護師がいると心強いと思います。少しでも心配事や悩みがあるなら専門機関などを積極的に利用して、相談できる相手をつくるようにしましょう。

 お子さんが育てにくい子なのは、恥ずかしいことでも何でもありません。たまたまお子さんがそういう気質だったというだけです。お母さん・お父さんはご自分だけで悩まず、ほかのご家族や専門家の手を借りながら、大変な時期を乗り切りましょう。

※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。

初回公開日 2015/11/14

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