\子育て歯科の先生直伝/もう嫌がらない 仕上げ磨きと子どもの歯磨き 上手にするコツ
子どもが嫌がって仕上げ磨きをさせてくれない...ママたちの悩みに、子育て歯科の先生がお答え! 子どもが嫌がるのには、実は理由があったんです。仕上げ磨きを上手にするコツと、歯磨きを嫌がらない子にする方法も教わりました。
子どもが仕上げ磨きを嫌がるのは痛いから!?
お話を伺ったのは
テクノポートデンタルクリニック院長
倉治ななえ先生
むし歯にならないよう気をつけたいのに、子どもが仕上げ磨きをさせてくれない…ママとしては気になりますよね。子どもが仕上げ磨きを嫌がる理由に、仕上げ磨きが痛いから、というものがあります。磨く力が強すぎたり、歯ブラシの動かし方が大きいと、歯ぐきに当たって痛いことが。シャカシャカと軽やかな音がするくらいの力で1本ずつ磨くのがコツです。仕上げ磨き用の歯ブラシはえんぴつを持つように握り、小指をお子さんのほほに当てて固定するとコントロールが上手にできるので、お子さんが仕上げ磨きを痛がることがなくなると思います。
また、「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」という上唇(うわくちびる)の裏にある粘膜のひだが、上の前歯近くまで接近している子がいますが、その場合、歯ブラシが当たりやすくなります。上唇小帯を反対側の人さし指などで押さえると、上の前歯を磨いても痛がりませんよ。
歯磨きを嫌がらない子にするには、最初が肝心!?
子どもにはいつごろから自分で歯を磨かせればいいのでしょう。倉治先生はこう回答します。
赤ちゃんの歯は、生後6カ月くらいから生え始め、2才半~3才ごろに乳歯列が完成します。スムーズな歯磨き習慣の獲得のためには、実は、歯が生える前から!が正解。生後4~5カ月ごろから赤ちゃん専用の安全な歯固めブラシや専用歯ブラシを握らせ、歯ぐきでカミカミさせると、歯が生えたあとも自然と自分で自分の歯を磨くことができるようになります。
\歯磨きを嫌がらない子にする3つの法則/
1.なんでも口に入れたがる時期にスタート
月齢に合わせた自分磨き専用歯ブラシを握らせ、最初はブラシ部分をお口に持っていくように保護者が誘導します。4~5カ月の赤ちゃんはなんでも口に入れたがるので自然とカミカミして、自分磨きを楽しんでくれますよ。
2.歯磨きするふりをしただけでもほめる
月齢が上がり、歯が生えてきたら、歯ブラシも成長に合わせ準備します。自分磨き専用の歯ブラシを与え、歯磨きするふりをしただけでもほめてあげて、歯磨きって楽しいと思わせることが大切。親が自分の歯を磨く様子を赤ちゃんに見せると、多くの場合、マネをしてくれます。
3.年齢と口の状態に合った自分専用の歯ブラシを
お子さんが何才であっても、年齢と口の状態に合った自分磨き専用の歯ブラシを与えましょう。4~5才になったら、えんぴつを持つようなペングリップで歯ブラシを握らせ、自分の歯の面にブラシを直角に当て、1本ずつシャカシャカと音が聞こえるくらいの軽い力で磨かせます。
自分磨きデビューと仕上げ磨きで気をつけたいこと
生後6カ月ごろになると、多くの場合、下の前歯が生えてきます。歯が生える前の生後4、5カ月になったら、自分磨きと仕上げ磨きを開始しましょう。歯が生える前から歯磨きを開始すると、歯が生えてから歯磨きを嫌がることがありません。早めのスタートで、スムーズな歯磨き習慣につなげたいですね。
自分磨きを始めるときの歯ブラシは、赤ちゃん専用の歯と歯ぐきを傷つけない、また誤ってのどをつかないような安全プレートなどがついたタイプを選びます。朝晩2回、機嫌のよいときに自分で握らせ、最初は大人が口に入れるように誘導してあげましょう。この時期は、多くの赤ちゃんがなんでも口に入れたがるので、自然にカミカミしたりチュパチュパしてくれます。ただし、かんで遊ぶ道具ではないので、最長でも1分程度で終了して取り上げます。歯が生えてから歯ブラシなどを長時間口に入れておくと、不正咬合(ふせいこうごう)の原因になるので注意したいところです。
仕上げ磨きは、歯が生える前は歯ぐきマッサージ用ブラシで、歯ぐきを軽くマッサージしてあげます。
生後6カ月くらいで歯が生えてきたら、仕上げ専用歯ブラシに、ジェルまたは泡状の低濃度フッ化物配合歯磨剤(500ppm以下)を赤ちゃんの切ったつめ程度の少量つけ、自分磨きが終わってから行います。歯の面にブラシを直角に当て、1本ずつ軽い力で小刻みに動かすように磨きます。前歯だけのうちは、乳歯1本につき1~2秒程度磨けばOK。奥歯が生えてきたら、1本につき5~10秒程度は磨きます。1才以下では全部で1分程度、1才半では1分半、乳歯列が完成したら3分くらい磨くようにしましょう。
歯磨きの開始月齢は、早ければ早いほど赤ちゃんの拒否反応も少なく、歯磨き習慣が身につく可能性は高くなるといえます。親子で歯磨きを楽しい習慣にしましょう。
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