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脳が成長して知的好奇心が高まる2歳ごろが始めどき。将来の学習意欲にもつながる図鑑のススメ【専門家】

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ママと息子は黄色いソファと読書の本の上に座って
※写真はイメージです
LightFieldStudios/gettyimages

本格的な図鑑って、小学生ぐらいから読むものと思っているママやパパもいるかも知れませんが、実は2歳ごろからが始めどきって知っていますか?また幼児期に図鑑から得る知識が、子どもの力を伸ばすそうです。小児の脳発達に詳しい、東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之先生に聞きました。

知識のインプットとリアルな体験の組み合わせが、脳の成長を促す

図鑑というと「恐竜や電車などに興味がある子が読むもの」「小学生くらいになってから読むもの」などのイメージを抱くママやパパもいるかも知れませんが、瀧先生は、2歳ごろになったらどんな子も気軽に図鑑に触れてほしいと言います。

――先生は、2歳ごろからの図鑑をすすめていますが、理由を教えてください。

瀧先生(以下敬称略) 2~3歳ごろからが知的好奇心が芽生える時期で、「自分」と「他人」や、「自分の世界」と「外の世界」がはっきりと区別できるようになっていきます。興味・関心が外の世界に向く2歳ごろから、知識のインプットとリアルな体験を組み合わせてあげると、子どもの知的好奇心はさらに伸びていきます。知的好奇心は、将来の学習意欲などにもつながる力です。

――知識のインプットとリアルな体験の組み合わせとは、具体的にはどのようなことでしょうか。

瀧 たとえば動物の図鑑を見ながら知識をインプットして、実際に動物園に行ったりすることです。
「図鑑で見たけど、キリンって本当に背が高いんだ!」など自分の目で確認すると、子どもは外の世界にどんどん興味をもつようになります。

――図鑑を見ないで動物園に行っても、子どもは楽しめると思うのですが…。それでは不十分ということでしょうか?

瀧 動物でも知識がない状態で見るのと、子どもなりに知識をもって見るのでは興味の度合いが異なるということです。
たとえば知識がない子が象を見ると単に「象だ!大きいな~」と思うでしょうが、図鑑で知識があると「象は鼻を使って水浴びするよね。鼻を使ってりんごも食べるよね。今日は、やるかな?」など、楽しさがふくらみます。そこからまた新たな疑問が生まれて「なぜ?」「どうして?」が始まると思います。
図鑑を見ないで動物園に行って、その後図鑑を見て、また動物園に行くということでもいいと思います。

――幼児期になると「なぜ?」攻撃が増える子もいます。子どもに「なぜ?」「どうして?」と質問されたら、どうしたらいいのでしょうか。

瀧 「ママ(パパ)もわからないから図鑑で調べよう」と言って、親子で調べてもいいですし、「〇〇だよ」と答えを教えてあげてもいいです。大切なのは、そうしたやりとりを親子で楽しむことです。

ゲームや動画を見ることが習慣化すると、外の世界に興味をもちにくい傾向が

コロナ禍で外に行く機会が減った分、家の中で動画を見せたりする時間が増えた家庭もあるのはないでしょうか。しかし瀧先生は、幼少期から動画やゲームが習慣化するのは考えものと言います。

――なかには図鑑ではなく、自然をテーマにした動画を見せるのはダメなの!? と思うママやパパもいると思いますが…。

瀧 動画は、いくら自然がテーマであっても、長時間見てもらうために刺激が強い作りになっています。幼児期から習慣化すると、外のリアルな世界に興味をもちにくくなる可能性も考えられます。ゲームも同様です。
そのため動画を見たりする場合は、時間を決めたり、外に行くときはスマホやタブレットは、子どもに渡さないルールを親子で決めたほうがいいでしょう。
自然は、季節や時間帯、天候などによって姿を変えます。これはゲームや動画では体験できないことです。幼児期は、そうしたリアルワールドにどんどん触れさせてあげてください。

――リアルワールドとは、大自然や山の中でキャンプをしたりするような感じでしょうか。

瀧 そんなに大げさに考えないで大丈夫です。図鑑で見た花や昆虫を、公園や野原に行って探すだけでも十分です。魚が釣れる川が近くにあれば「図鑑で見た〇〇はいるかな?」と、親子で釣りに行ってもいいです。
大切なのは図鑑に親しみながら、図鑑で見たものや得た知識を実際に外の世界と結びつけていくことです。

子どもが図鑑好きになるには環境が大切。簡単にできる4つのポイントとは!?

子どもが図鑑好きになるには、幼少期からの環境がカギになります。

――子どもが図鑑を好きになるのはどうしたらいいのでしょうか。またママやパパは、どんなふうに図鑑を読んであげるといいのでしょうか。

瀧 図鑑というと難しく考えてしまうママやパパもいるかも知れませんが、難しいことはありません。次の4つのポイントを意識してみてください。

【Point1】親自身が図鑑を楽しむ
子どもは、親のマネすることでできることが増えていきます。そのため図鑑も親が楽しそうに見ていると、子どももマネをして図鑑に親しむようになります。

【Point2】テーマはこだわらなくてOK
図鑑のテーマは、動物、植物、昆虫、魚、宇宙、乗り物など何でもいいです。子どもが好きなものを選んでもいいですし、ママ・パパが興味のある図鑑を選んでもOKです。

【Point3】子どもの手の届く場所に図鑑を置く
図鑑は、1冊でも2冊でもいいので子どもの手の届きやすい場所に置き、自由に読めるようにしてあげましょう。子どもが好きなときに、いつでも図鑑を読める環境が大切です。

【Point4】読み聞かせたり、教えようとしない
図鑑は、絵本のように読み聞かせる必要はありません。またママやパパが「教えよう!」としなくてOK。写真を眺めて「大きいね」「きれいな色だね」など親子で感想を言い合ったり、子どもがページをめくって興味のあるところだけ見ても構いません。

お話・監修/瀧靖之(たきやすゆき)先生 

取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

子どもが図鑑に親しむには、ママやパパも図鑑を楽しむことが大切です。瀧先生は、「子どもが図鑑を見ている横で、ママやパパがスマホなどを見ていると、せっかく芽生えた図鑑への興味が半減してしまう」と言います。日中、スマホを手放すのが難しいママ・パパは、夜、眠る前に1日5分でもいいので、スマホを置いて、親子で図鑑を見る時間を作ってみるといいようです。

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