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実はスゴイ!赤ちゃんに起こる「9カ月革命」。3つの劇的な変化とは?【発達心理学】

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一人の素敵な男性の幼児が笑って、白い窓に対してリビングルームで楽しんでいます。彼は自宅のリビングルームの床に座ることができます。
※写真はイメージです
twinsterphoto/gettyimages

日々の成長がめざましく、毎日いろんなことができるようになる赤ちゃん。とくに9カ月のころは社会性がぐんと発達する時期で、その様子は「9カ月革命」といわれるそうです。このころの赤ちゃんの発達について、発達心理学・感情心理学が専門の東京大学大学院教育学研究科 遠藤利彦先生に聞きました。

9カ月革命前の赤ちゃんはどんな順序で発達してる?

――生まれてから9カ月ころまでの赤ちゃんの発達はどのように進むのでしょうか。

遠藤先生(以下敬称略) 新生児期の赤ちゃんは、おなかがすいた、おしっこをした、などの不快を泣くことだけで表しますが、2カ月ころになると、声を出したりほほえんだりして、自分から発信を始めます。その赤ちゃんの欲求にママやパパが応えてあげることで、親子に信頼関係が生まれ、結びつきが深まっていきます。赤ちゃんはその信頼関係を土台として、以下のような発達を経て、できること・わかることがどんどん増えていき、やがて9カ月革命につながります。

【0〜1カ月ころ】
“不快”を泣くことで表現する

【2カ月ころ】
・あやされると声を出して笑う
・「アー」「クー」などの声を出す
・自分の手や指を口に入れたがる

【3〜4カ月ころ】
・意識的にキョロキョロとまわりのものを見る
・感情を声や体全体で表現する

【5〜6カ月ころ】
・親しい人を見分ける
・理由があって泣き、解決したら泣きやむ

【7〜8カ月ころ】
・名前を呼ぶとこちらにこようとする
・人の話を聞こうとする

赤ちゃんの発達は上記のような順番で進みますが、個人差が大きいので、1〜2カ月は前後していても気にしすぎなくて大丈夫です。

9カ月革命で赤ちゃんに起こる、3つの変化とは?

9カ月のころの赤ちゃんには大人との関係性において重要な変化が起こります。これを専門家の間でも「9カ月革命」と表現されることがあるそうです。その発達の変化の様子や赤ちゃんに見られる成長のサインについて遠藤先生に教えてもらいました。

【1. 三項関係】ママやパパと同じものを並んで見られるようになる

――9カ月ころの赤ちゃんにはどのような変化が起きているのでしょうか。

遠藤 この時期の何よりいちばん大きな変化は、二項関係から三項関係へ移り変わることです。二項関係とは、自分と大人、自分とおもちゃ、のように、相手と1対1のやり取りをする関係性のことです。8カ月ころまでの赤ちゃんは、ママやパパに抱っこされて見つめ合ったり、赤ちゃんが「あ〜」と声を出すとママやパパもニコッとして「あ〜」と応えたりするように、2人の間で直接的に心と心が通い合うやり取りをしています。

それが、9カ月ころになると、自分と相手以外の1つのものを、ママやパパと並んで一緒に見て、共通の話題にして、気持ちを通わせながらコミュニケーションをとる段階が生じてきます。これが三項関係です。

――三項関係が理解できると、赤ちゃんと大人とのコミュニケーションの取り方はどのように変わりますか?

遠藤 「猫ちゃんがかわいいね」「お月さまがきれいだね」「ブーブーは速いね」など、1つのトピックを話題にして、気持ちを共有することができるようになります。気持ちが共有できると、さらに「あれを取ってほしい」「これを見て」などの指示や要求も飛躍的に多様化することになります。

このように赤ちゃんが注目したものを、大人が「○○だね」と言葉にしてあげると、赤ちゃんは自分が見ているものと、その名前を結びつけることができるようになります。赤ちゃんが見ているものを言葉にしてあげたり、赤ちゃんが感じているだろう気持ちを代弁して言葉にしてあげる、そのような何気ない言葉がけが、いろんな言葉を習い覚える下地を作り上げていると考えられます。

9カ月ころは、コミュニケーションの変化によって世界のいろんなものの意味を学習し、獲得し始めると同時に、言葉の発達や語彙(ごい)の獲得に関してとても重要な時期といえるでしょう。

【2. 共同注意】ママやパパが見ているものに関心を向けようとする

――それまでの1対1の関係から、ママやパパと並んでほかのものを一緒に見られるようになるのはなぜでしょうか。

遠藤 この時期の成長には、「視線」が重要な役割を果たします。「目は口ほどにものをいう」ということわざもありますが、人間の目は、ほかの動物とは大きく構造が異なり、白目の部分が大きく、日本人の場合は黒目と白目のコントラストがはっきりしています。そのため、目の動きだけで今あの人は何に対して注意を向けているか、を知ることができるわけです。
本来、赤ちゃんは人がとても大好きで、生後間もないころから大人の目に注意を向けています。9カ月ころになると、ママやパパの視線の動きを敏感に察知して、視線の先にあるものに関心を向けようとします。これを「共同注意」といいます。その延長で、ママやパパが指をさしたものを触ろうとする様子も見られ始めます。

さらに、自分が関心を向けているものを「一緒に見て」と親の関心を呼び込もうとする様子が見られますが、これも共同注意です。
たとえば面白いおもちゃを見つけて触ったりたたいたりして、ママはどこにいるかな、と探し、「これを見て」とアピールするような行動が、このくらいの段階から始まっていると考えられます。

【3.社会的参照】ママ・パパの顔色をうかがうようになる

――ママやパパと同じものを見て、「かわいいね」「楽しいな」といった気持ちも共有できるようになるのですか?

遠藤 共同注意ができるようになると同時に、赤ちゃんはママやパパの表情や感情にも注意を向けます。たとえば、ママやパパがほかの何かを見るときの表情が、ニコニコしていれば、あれはいいものなんだな、危なくないんだな、と知ることができます。逆に怖そうな顔をしていると、あれは危ないものだな、近づいてはいけないんだな、と知ることができます。視線と表情を組み合わせて人の気持ちを理解することを、「社会的参照」といいます。

社会的参照によって、赤ちゃんは言葉が出始める前の9カ月ころから、いろんなものごとの意味を学習し理解し始めるんですね。コミュニケーションというと言葉に目を向けがちですが、実は目や表情が果たしている役割は言葉以上に大きいかもしれません。

9カ月革命はほとんどの赤ちゃんに起こるものですが、時期には個人差があります。ただ、もし赤ちゃんと視線が合わない、目と目が合わない、ほかの人の視線や表情に関心を向けないなどが心配な場合は、医療機関などに相談してみてもいいかもしれません。

お話・監修/遠藤利彦(えんどうとしひこ)先生

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

赤ちゃんと一緒にものを見て、コミュニケーションをとれるようになることは、ママやパパにとってもうれしい成長です。赤ちゃんの気持ちに共感し、言葉にして語りかけてあげるようにしましょう。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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