ママ・パパが口にする「ダメッ!」赤ちゃんは理解してるの?月齢別で解説【専門家】
「赤ちゃんに『危ないからダメよ!』と言ったのに、同じことを何度も繰り返された」という経験はありませんか。赤ちゃんが、ママ・パパたちがしてはほしくないことをした時の声のかけ方、しかり方について、乳幼児の発達に詳しい日本女子大学教授の塩崎尚美先生に聞きました。
赤ちゃんには「してはダメなこと」がいつごろから伝わるの?
赤ちゃんが成長して動きが活発になると、危険なことをしたときや人に迷惑がかかるときなど、赤ちゃんに「ダメ」と伝えたくなる場面が出てくることが多くなります。
でも、「ダメ!」と強い調子で伝えても、赤ちゃんは危ない行動を何度も繰り返しがち。いつごろから「しかられている」ことや、その意味がわかるのでしょうか?
0カ月から3才代までの発達を確認し、「ダメ」の伝え方の参考にしてみてください。
【0~5カ月ごろ】「ダメ」と言われても、まだわかっていません
生まれてすぐから音はよく聞こえていて、2~3カ月ごろには親の声に反応するように。まだ「ダメ」と伝える場面も少なく、たとえママやパパが「ダメ」と言っても、言葉の意味はわかっていません。
【6~8カ月ごろ】「ダメ」と言われると、雰囲気はわかるように
危ないことをしたときなどに、親が真剣な表情で「ダメ」と言うと、イヤな感じがするなど、言葉が持つ雰囲気は伝わるようになるころ。はいはいなどで行動範囲が広がり、なんでも触る時期ですが、「ダメ」という場面になる前に危険なものは手の届かない場所に片づけることが大切です。
【9~11カ月ごろ】よく聞く言葉の音は覚えますが、まだ行動とはつながりません
「バイバイ」と言うと反応して手を振るなど、言葉の理解が進むころです。ママ・パパがよく発する言葉の音を覚えるようになりますが、まだ「ダメ」と言われても、その言葉が自分のしている行動をさしているということをつなげて考えられません。
【1才代】ダメの概念がわかるように
「ダメ」と言われたら、「これはいけないことなんだ」と言葉の意味がわかるようになります。けれど、なぜダメなのか理由は理解できず、「ダメ」と言われても同じ行動を繰り返すことが多いです。
【2才代】因果関係が理解できるようになる子もいます
2才代には、なぜ「ダメ」と言われたのか理解できるようになる子もでてきます。ただ、「こうすると危ないな」と予測して我慢したり、危なくない方法を考えたりすることはまだできません。
【3才代】予測して行動できる子も
3才代になると、「これは危ないからママがダメって言うかも」と、これから起こることを予測して「じゃあ、やめておこう」と行動を中止できる子も。ただし、予測する力は未熟です。
まだ理解できなくても、0才代から「ダメ」はしっかり伝えて
危険なことをしたときは、0才代でも「ダメ!」と伝えます。短い言葉で、赤ちゃんの行動を止めることが目的と考えましょう。
「ダメ」と言っているのに、顔はニコニコしていると、赤ちゃんはほめられているのか、しかられているのかわからずに混乱してしまいます。まだ言葉が理解できない0才代にはとくに表情や雰囲気で伝える必要があります。言葉は短く、真剣な表情をするのがコツ。
赤ちゃんに触ってほしくないものは手の届かない所に片づけるなど、「ダメ」という場面を減らす工夫も大切です。
1才ごろから、ダメな理由もしっかり伝えます。まだ理解できなくても、繰り返し伝えることが大切です。
監修/塩崎尚美先生 イラスト/本田佳世 取材・文/ひよこクラブ編集部
赤ちゃんに「ダメ」がいつから伝わるのか、0カ月から3才代の発達をまとめました。「ダメ」という言葉がわかるようになるのは1才代以降ですが、0才代からダメなときは「ダメ」と繰り返し伝えることが大切です。
参考/『後期のひよこクラブ』2022年春夏号「8カ月からのダメの伝え方」
※掲載している情報は22年4月現在のものです。
『後期のひよこクラブ』2022年春夏号では、「ダメの伝え方」について、伝え方のポイントや、シーン別の伝え方例を紹介しています。