おなかをたたく?! 赤ちゃんの謎しぐさ&行動 一問一答[5~10カ月ごろ]【小児科医】
ママやパパが赤ちゃんの様子を見ていて「どうしてそんなことをするの?」「なんのために?」と赤ちゃんに直接聞いてみたくなるようなことはありませんか。そんな赤ちゃんの気になる謎しぐさや行動の理由を、小児科医の若江恵利子先生に聞きました。つかまり立ちからあんよのころ(11カ月ごろ~1才6カ月ごろ)の謎しぐさ・行動7つについてです。
自力で移動したり、自分の意思を声や表情で伝えたりしようをする時期
この時期になってくると、原始反射が徐々に見られなくなり、意識して手足を動かすことが増えてきます。自力で移動しようとしたり、気持ちを声や表情でも伝えたりするようになります。
[謎しぐさ&行動・1]自分の髪を引っ張る
頭に手が届くようになり、自分の体を探って確かめています。引っ張ることもできるくらい、器用に手を動かせるようになったということ。髪が抜けることもありますが、痛かったらしないので心配ありません。(若江先生)
[謎しぐさ&行動・2]しきりに耳を触る
耳まで手が届くようになったということです。手の届くところにおもしろい形をしたもの(耳)があったという発見と、その確認をしています。男の子だとおちんちんも触り始めるかも。(若江先生)
[謎しぐさ&行動・3]土下座のような姿勢でねんね
ママ・パパが驚くような姿勢でも、この時期の赤ちゃんはとても体がやわらかいので、よく眠れています。成長とともに関節がかたくなってくると、見られなくなる期間限定のしぐさです。(若江先生)
[謎しぐさ&行動・4]なんでも口に入れる
赤ちゃんはなめることで物のかたさや大きさ、感触などを確認しています。口に入れていいものとダメなものの区別はつかないので、口に入れてほしくないものは手の届かないところへ移動させましょう。(若江先生)
[謎しぐさ&行動・5]「キャー」と高い声を出す
偶然出た自分の高い声を確認して楽しんでいます。ママ・パパはびっくりするかもしれませんが、一緒に声を出したり声をかけたりしてあげましょう。(若江先生)
[謎しぐさ&行動・6]棚や引き出しなどから物を出す
「何があるのかな?」「何が入っているんだろう?」とのぞいたり、中身を出したり、わくわくしながら確認しています。目に見えていないものを想像し、予測しながら行動できるようになったんですね。(若江先生)
[謎しぐさ&行動・7]おなかをたたく、床に足をダンダン
うつぶせで足を打ちつけて、音や動きを楽しんでいます。痛かったらしません。おなかをたたくのも同じ理由です。自分が動くことで面白い音が出るのを楽しんでいるんですね。(若江先生)
監修/若江恵利子先生 イラスト/minchi(みんち) 取材・文/ひよこクラブ編集部
このころの赤ちゃんのしぐさや行動は、発達上できるようになったことに加え、自分の意思や「楽しい」「面白い」といった気持ちによるものも多いようです。「今、どんな気持ち?」「何をしたいのかな?」と想像しながら、毎日の赤ちゃんのかわいらしいしぐさや行動を楽しんでください。
参考/『ひよこクラブ』2021年9月号「赤ちゃんの謎しぐさ&行動 解明図鑑」
minchi(みんち)【画家、イラストレーター、絵本画家】
Profile
アクリルガッシュを使用した幻想的な作品を国内外の展示で発表。チャットモンチーの4thアルバム『YOU MORE』のジャケットイラストを手がける。2016年、フランス人映画監督Aude dansetと3Dショートフィルム『Mishimasaiko』を共同制作。絵本に『いっさいはん』『にゅうしちゃん』(ともに岩崎書店)などがある。https://twitter.com/minchisan

