赤ちゃんの予防接種・ワクチンについて、ママ・パパの知りたいことに小児科医が回答
5~11歳での新型コロナウイルスワクチンの予防接種が可能となり、赤ちゃんに上の子がいる家庭は、すでに接種をしているケースも多いかもしれません。
赤ちゃん時代は、たくさんの種類の予防接種が必要で、2カ月からスタートします。費用のこと、接種後の副反応のことなど、みんなが気になることについて、予防接種に詳しい小児科医の太田文夫先生に聞きました。
Q 任意接種になっている病気は、 定期接種の病気よりかかりにくいの?
A 任意接種のワクチンで防げる病気は、かかりにくいわけでも、かかっても重症にならないわけでもありません。定期接種と任意接種の違いは、あくまで制度の違い。どちらも重要なワクチンに変わりありません。
定期接種とは?
法律に基づいて自治体が主体となって実施される予防接種。公費で受けられます。
任意接種とは?
希望者が受ける予防接種。費用は自己負担ですが、自治体によっては、全額、または一部補助がある場合もあります。おたふくかぜワクチンなどが該当します。
Q 定期接種でも、接種期限が過ぎたら自費になる?
A 定期接種の接種期限後の接種は、基本的に自費です。ただ現在は、新型コロナウイルス感染症の流行によって接種期限内に接種ができなかった場合は、自治体によって救済措置がある場合も。問い合わせてみてください。
Q 接種後に熱が出やすいワクチンはある?
A 小児用肺炎球菌ワクチンは、発熱の副反応が比較的起こりやすいです。接種後、約3分の1の赤ちゃんに発熱が見られます。接種日の夜か、翌日に発熱することが多いよう。
38~39度くらいになる場合もありますが、接種の翌日中には治まることがほとんどです。
Q 副反応が心配。どんなことに気をつければいい?
A 接種したワクチンはどんな副反応が出やすいか、もし出た場合、どう対応すればいいか、接種時に医師に確認しておきましょう。事前に知っておくと、副反応が出たときに、あわてずに対処できます。
下記の「受診の目安」も参考にしてください。
【副反応が出たときの受診の目安】
●診療時間外でも至急受診したほうがいい症状
□39度以上の高熱が出てぐったりしている
□呼吸困難を起こしている
□意識がもうろうとしている
□ロタウイルスワクチン接種後1週間以内に、下記の症状が出た
・ 急に機嫌が悪くなって泣いたり、急に静かになったりするのを繰り返す
・血便が出る
・吐く、苦しそうなど、様子がおかしい
●診療時間内に受診したほうがいい症状
□38度以上の発熱が24時間以上続く
□接種した部位だけでなく、広い範囲が腫れた
□いつもとは違う、気になる症状がある
□発疹が出た
□BCGワクチンを接種後、
わきのしたのリンパ節が腫れた
(1カ月くらいたってから)
●自宅で様子を見ていていい症状
□少し機嫌が悪い
□接種部位が少し腫れた
□37度台の発熱
Qインフルエンザのワクチンは、 1才未満は受けなくていい?
A 1才未満の赤ちゃんへのインフルエンザ予防接種の効果は、ほかの年齢
に比べて低いと評価されていて、強くおすすめできません。
ただ、まったく効果がないわけではありません。本人やきょうだいが保育園などの集団生活をしている場合は感染リスクが高いので、かかりつけ医と相談し、接種を検討してもいいでしょう。6カ月以降なら接種できます。
監修/太田文夫先生 撮影/矢作常明 文/ひよこクラブ編集部
赤ちゃん時代、とくにスタートしたばかりの時期は、受けるべきワクチンがたくさんあります。乳幼児への新型コロナウイルスワクチン接種が、今後どうなるのか気になるところです。
接種スケジュールがわからなくなったときや、ずれてしまったときは、まずはかかりつけの小児科に相談を。予防接種を受けていない赤ちゃんが病気にかかると、重症化することも。確実に接種できるようにしていきましょう。
参考/『初めてのひよこクラブ』2022年春号「絶対知っておくべき! 予防接種の最新情報」
※掲載している情報は2022年4月現在のものです。
『初めてのひよこクラブ』2022年春号「絶対知っておくべき! 予防接種の最新情報」企画では、生まれ月別の接種スケジュールや予防接種の受け方などを具体的に紹介しています。