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おたふくかぜワクチンの定期接種化を!ぜひ、ママ・パパからの世論喚起を【小児科医】

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ベビーガールの興奮をご実感いただけます。
※写真はイメージです
leungchopan/gettyimages

ワクチンで防げる病気から赤ちゃんを守る予防接種。生後2カ月から接種をスタートします。国や自治体が接種を推奨している「定期接種」とそれ以外の「任意接種」がありますが、重要度の違いはありません。しかし「任意接種」の場合、接種に保護者の費用負担がある場合が多いです。おたふくかぜワクチン(以下ムンプスワクチン/※)は、まだ定期接種になっていません。
「ムンプスワクチン接種に費用補助をしている自治体もありますが、財政に余裕がないとできません。ムンプスワクチンも定期接種になれば、無料化は一気に加速します。ムンプスワクチン定期接種化のために、ママ・パパの力を貸してください」と太田先生は言います。
「小児科医・太田先生からママ・パパへ、今伝えたいこと」連載の#19は、おたふくかぜワクチンについてです。

※おたふくかぜのことを欧米では「ムンプス」と言います。

ムンプスワクチンが定期接種になっていないのは先進国では日本だけ

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスの感染で発症し、両方またはどちらかの耳下腺が腫れ、発熱が起こることもある感染症です。多くの合併症があり、重度の難聴になることもあります。
1歳で1回、1回目の接種後2~6年たったら2回目を接種するムンプスワクチンで予防できます。
1歳になると接種できる、麻疹・風疹混合(MR)ワクチン、水痘ワクチンは定期接種です。でも、ムンプスワクチンだけは任意接種で有料です。かかってしまうと難聴になることがあると周知されて、今や接種率は約50%に上がってきているのにです。定期接種になっていないのは先進国では日本だけ。ムンプスワクチン接種後の髄膜炎発症率が高いという古いデータが定期接種化を妨げています。

ムンプスワクチン定期化に向けて日本小児科学会が大規模調査を実施中。ぜひ協力を

定期接種化には大規模な接種後副反応調査で、従来に比べて安全性が高くなっていると証明されることが条件です。国に、ムンプスワクチンを定期接種にしてもらうために日本小児科学会が大規模調査を実施中です。
その結果で現在使われているワクチンでの髄膜炎発症率が低くなっているとわかれば定期化されると思われます。

調査は2020年1月1日以降に、ムンプスワクチンを接種をしたお子さんが対象です。(調査に協力している医療機関は院内に掲示がありますので、かかりつけ医のクリニックを見まわしてみてください)
協力方法は簡単。接種を受けた4週後と8週後の健康状態の確認です。痛い検査は不要ですし、個人名を出す必要もありません。(副反応が出たお子さんは、治療を受ける際に詳しく検査をして原因を調べます)
対象年齢は、1歳から6歳の未就学児。かかりつけ医が調査に参加していればぜひ協力をしてください。
まだ調査協力をしていない医療機関も、これから協力施設になれます。接種した医療機関が違った場合、ママ・パパからも調査に協力したいと相談してみてください。

新型コロナの流行と、ワクチン流通量の半減で、調査が苦戦中

ワクチンの安全性確認のための大規模な全国調査は現在進行形です。しかし、調査が始まった途端に、新型コロナウイルス流行と、ムンプスワクチン製造が間に合わなくなり流通量の半減したことが重なり、接種数も例年の半分以下と激減。調査登録数は伸び悩み、いまだ3万人弱しか集まっていません。
新型コロナ対応は相変わらず続いていますが、ムンプスワクチン接種体制は元に戻ったので、2023年3月末の調査終了期限までに最低限ほしいといわれた10万人~20万人のデータを集めることは可能です。
ムンプスワクチンの定期接種化をめざす医師たちは、ママ・パパへの協力のお願いに力を入れたいと考えています。

接種医、かかりつけ医にぜひ協力の申し出を

この記事を読んでいる「たまひよ」読者の方にもぜひ、力を貸してもらたいのです。
ワクチン定期化には世論の後押しがいちばん効果があります。B型肝炎の定期化の時も、ママ・パパの後押しがあったからです。ロタウイルスワクチンも高いお金を出しても接種をしたお子さんが増えてきたからです。ムンプスワクチン定期化にもママ・パパが声をあげてください。

全国のママ・パパからかかりつけ医に「うちの子のデータを使ってください」と言って、ムンプスワクチン定期接種化実現のための世論を喚起してほしいのです。最初はドクターもビックリするかもしれません。でも、ドクターたちは子どもたちのためにムンプスワクチン定期接種化を待ち望んでいるので、提供されたデータを有効に使ってくれるはずです。まだ調査協力を始めていないドクターなら「よし、今から協力施設になるよ」と言ってくれるはずです。

定期化が進まないのは古いデータでムンプスワクチン接種で髄膜炎になる率が高いとされたままだからです。小規模調査では、それは否定されていますが、大規模調査が必要なんだそうです。苦戦中の調査数を増やすために「協力するよ!」と声をあげてください。ママ・パパの協力が得られれば、ムンプスワクチン定期化も達成も早まることでしょう。
私が役員をしているVPDの会(*)でも協力施設への手上げを呼びかけ中です。

*VPDの会:NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会(https://www.know-vpd.jp)

文・監修/太田文夫先生 構成/ひよこクラブ編集部 

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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