共働きの夫婦、夫の鉄板家事は「ゴミ捨て」「風呂掃除」「夜の食器洗い」。一方で「役割分担決めると揉める」という声も!? 専門家に聞く
「たまひよ」アプリユーザーに「 あなたは夫・妻・パートナーと育児・家事の分担をしていますか?」と、質問。すると約9割が何かしら「分担している」と、答えました。さらに「育児・家事分担比率はどのくらい?」として、5段階で選んでもらうと一番多かったのは妻が7割負担。次いて5割分担でした。若い夫婦の間ですすむ家事育児の分担化について、子育てアドバイザーの長島ともこさんに聞きました。
共働き夫婦では「家事・育児ともに分担している」が一番多い結果に
アンケート結果から、共働きの家庭の家事・育児分担についてを見てみると「家事・育児ともに分担している」が一番多く、次いで「家事は分担している」、「その他」、「育児は分担している」、「分担していない」という順番になりました。
ちなみに「その他」は「担当を決めていおらず、やれる人がやるスタイル」という声が目立ちました。
実は共働きではない専業主婦(主夫)限定で見ても傾向は同じで、夫が家事育児に参加している実態がわかりました。
家事分担率(妻:夫)では70:30が一番多く、次いで50:50に
家事・育児の分担率(妻:夫)で、一番多かったのは1位「70:30」。次いで2位「50:50」、3位「90:10 」という結果に。
共働きでない専業主婦(主夫)での結果も、一番多かったのは1位「70:30」、次いで2位「90:10 」、3位「50:50」と、2位と3位が入れ替わるも、大きな変化はありませんでした。
若い夫婦の間では「男子厨房に入らず」という考え方は、過去の遺物になっているようです。
分担率別にコメントを解析してみると、面白いことがわかってきました。
分担率70:30の鉄板は夫=「ゴミ捨て」「風呂掃除」「夜の食器洗い」、妻=それ以外
夫がやる家事で圧倒的に多かったのが「ゴミ捨て」「風呂掃除」「夜の食器洗い」でした。そして工夫している点では「それぞれが得意な家事をする」「相手が家事を始めたら自分も(別の)家事をする」「お互いに感謝の言葉を必ず言う」というコメントが多く寄せられました。
「それぞれ得意な家事を担当します。ゴミをまとめて新しくゴミ袋をセットするのは私、捨てるのは夫。洗濯機を回して干すのは夫、畳んでしまうのは私、といった具合です」(たからママ)
「基本は得意なことを担当。苦手なことは話し合って決めます。毎日のこと、週末でできることもきちんと洗い出し、毎日の疲労度合いで爆発しないよう分担を考えます」(ともち)
「夫が家事をしてる時は、私は別の家事をします。例えば夫が洗い物をしていたら、私はお風呂掃除をして沸かす、という感じ。『俺だけやってる』『私だけやってる』を芽生えさせないようにしています。
私が何かやっている時に夫が何もしてなかったら、洗濯物の片付けをお願いしたりして『2人でやれば早く終わるよね!』っていうテンションでいます」(フロドバギンズ)
「担当を決めてやるというよりは、2人でひとつのことを一緒にやれば、喧嘩にはならないし早く終わります」(まいんぬ)
「とにかく思いやりをもって、できる方がやる。なんなら一緒にやる!」(ちゃあちゃん)
「気付いた方がやる家事については、やってくれたらお互いにお礼を言い合っています。どんなに細かい家事でも言います。これは私の妊娠中、家事をほぼやってくれていた夫へ私がしていたことなのですが、子どもが生まれてからはお互いに言うようになって、自然とそうなっていました」(なこ)
「夫・妻がやった家事をホワイトボードに色分けし、可視化しています」(リコママ)
「夫の管轄のところは手出し口出しをしない。口出しされるとやる気が萎えるし、共働きで休みがバラバラなので、お互いが自分のペースでやりたいはずだから」(nana)
分担率50:50の法則は「やれる人がやる」。担当決めると揉めるから!?
負担は夫婦平等というコメントでは、意外にも「担当は決めていない」が目立ちました。そして『お互い無理な時は、素直に相手を頼る』と、という声も多く、夫婦の信頼関係が厚いことがわかります。そしてこちらでも「相手が家事を始めたら自分も始める」と、分担を比較しない工夫をしている声が寄せられました。
「担当を決めてしまうとそこしかやらないので、『気付いたら、やれる人がやる』スタイルが私たちにはあってました。思いやりが大事だと思います」(あいぽん)
「分担をきっちり決めると、お互い『なんでやらないの?』と、なりそうなので明確にはしていません。掃除は一緒にやる or 自分1人でやる時には合格ライン70点くらいとして、無理はしないことがポイントです」(ぷでぃ)
「これはママ!これはパパ!と決めてしまうと、出来なかった時に円滑にまわらないので、意思疎通して『手が空いたから、これやるね!』『これもお願い!』と、その都度話をするようにしています」(あおいろくま)
「ポイントは『相手より自分の方がたくさんやっている』『自分はよくやっている』という、思い込みを捨てること。担当は決めているますが、掃除は各自気づいた時にやり、相手がやり始めたら自分も始めるって感じです」(よっこ)
「パートナーが家事をしていたら、私もなにかしら家事をします。2人でやって早く済ませ、2人でゆっくりできるようにしています」(NANA)
「担当は決めていますが、疲れている時や体調が悪い時などは、小さな事でも『これやって欲しいなぁ』と素直にお願いします。言わないと全く気付いてくれない夫です(笑)
やってくれた時は必ずお礼を伝え、たまに感謝をこめて好物を買ったりしています」(ひらめ)
「子どもの状態で家事の大変さは変動するし、仕事でヘトヘトな時もあるし、担当の項目数だけで分担を比較しないようにしています。そしてお互いに、やってくれていることに対して必ず感謝を伝えるようにしています」(プライモーディアルポチ子)
「分担が難しいのであれば、1人で家事を始めるタイミングで相手にも『○○をやってほしい』とすればいいと気がつきました」(あいぼん)
「お願い事があれば遠慮なく言うようにし、必ず『ありがとう』と感謝を言葉にしています」(りっとん)
妻の負担は9割。夫担当は1つか2つ、もしくは家事以外など、悟りの境地の妻
「夫は子どものお風呂と抱っことオムツ替えが担当。やって欲しいことがあれば、その都度伝えています。察してよ、と思うことはやめました」(ぴーなつ)
「毎日やるかやらないかは別として、夫の担当はお皿洗い、ゴミ捨て、洗濯物の取り込み、トイレ掃除です。
1日に1つ『○○しておいてもらえたら嬉しいな』と伝え、してもらえた家事に対しては『本当に助かった』と、感謝を伝えて次に繋げています」(見習いママ)
「ソフトなもの(料理、洗濯、掃除)は妻。ハードなもの(車関係、家の設備メンテナンス、パソコンや電化製品の修理)は夫。得意分野はおまかせしています」(静子)
「ゴミ捨て・皿洗いは夫で、それ以外は私。基本はできる方がやるスタイルですが、期待しすぎないようにしています」(ぴょん)
夫婦共働きの家事育児の分担について、子育てアドバイザーの長島ともこさんに聞きました。
「100点満点を目指すよりも、“我が家軸”で柔軟にパートナーシップを築きあげましょう」と、専門家
「分担率はともかく、共働き夫婦の多くが家事・育児を分担しており、『それぞれが得意なことを担当する』『お互いにお礼を言い合う』『無理な時は相手に頼る』など、ポジティブなコメントが目をひきます。
ひと言で『共働き夫婦』といっても、妻と夫それぞれの職種や勤務形態など“働くスタイル”は、100組入れば100通り。
子どもの年齢や数、保育園に通っているのか幼稚園に通っているのか、近所におじいちゃんおばあちゃんが住んでいるのかなど、育児環境もそれぞれ異なります。
夫婦共働きの家事・育児の分担について考えるときに大切なのは、『周りはこうしているから』『知り合いの夫婦はこうしてうまくいっているから』など“他人軸”ではなく、“我が家軸”でじっくり話し合うことだと思います。
どちらかが忙しくなったり、子どもが体調を崩したり、親が体調を崩したり……。
共働きで育児や家事に向き合う日々はまるでジェットコースターのようですが、ときにはケンカをしながらも、100点満点をめざさず小さな思いやりと“ありがとう”の気持ちをお互いに忘れないようにすれば、乗り越えられるのではないでしょうか。
『家事も育児も夫婦でシェアしながら頑張ろう』と思っても、実際にはなかなか難しいのが現実です。
夫婦2人だけでやろうとせず
・祖父母やおじおば
・近所のママパパ
・ファミリーサポートなどのサービス
・家事代行サービス
・時短家電
などを取り入れながら、時と場合に応じて“外に頼る”ことも大切だと思います。
子どもの成長やお互いの働き方の変化に合わせ、柔軟に対応できるパートナーシップを築きたいものです」
長島ともこ
フリーライター、エディター、認定子育てアドバイザー。教育、育児、妊娠&出産を中心に幅広い分野で取材、執筆、企画ディレクション等を行う。PTA活動にも数多く携わり、その経験をもとに、書籍『PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本』『卒対を楽しくラクに乗り切る本』(厚有出版)を出版。All About子育て・PTA情報ガイド。大学生と中学生の母。
https://www.tomokonagashima.com/
文/和兎 尊美
※文中のコメントは「たまひよ」WEB・アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2022年6月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数648人)
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。