パパが育休を取得は約2割。「取得して良かった」「パパに変化があった」の回答が多数!専門家に聞く。
「たまひよ」アプリユーザーに「パパは育休を取得しましたか?」と、質問してみました。すると「取得した(予定を含む)」は約2割。まだまだ少ないと思う一方、取得者の2人に1人が1ヶ月以上とり、さらに7割以上のママが「育休を取得してもらってよかった」と、満足度の高い結果になりました。コメントを読むと、パパも同じ気持ちのようです。三児の父であり、育休取得の経験があるワーク・ライフコンサルタントの大畑愼護さんに聞きました。
「パパは育休を取得しましたか?」取得しないは約6割、取得は約2割に
2022年4月と10月、育児介護休業法が改正され、男性の育休がさらに取得しやすい環境が整えられつつあります。2020年の雇用均等基本調査では、男性の育休取得率は12.65%。日本では長年数字が伸び悩み、増えても数%が続きましたが、今後は伸びることが予想されます。今回の「たまひよ」での調査の19.6%という数字は、その影響と共にコロナで里帰り出産できなかったことが大きいと考えられます。しかし世間はまだまだ厳しいようで、
「本人は育休をとりたかったが、会社が許してくれなくて困りました」(とも)
「育休取得で話を進めていましたが、上司から反対され心身が疲弊したため傷病休となりました」(まめ)
「育休はとれないと言われ、頭を下げて有休をとり、自分の仕事は全て終わらせ、引き継ぎもして、有休明けには上司や同僚に再び頭を下げてお礼を言ったのに、『休む必要があったのか』的な小言を言われたそうです。夫には感謝していますが、男性の育休については世間的にまだ厳しいのだなと思いました」(ゆゆ)
育休を希望したけれど有休扱いになるなど、厳しい状況もあるようです。
「取得した日数を教えてください」では、なんと1ヶ月以上が最多
育休を取得した日数を聞いてみると、
1位 1ヶ月以上 42.3%
2位 3日以内、その他 13.5%
3位 1週間 8.7%
となり、1ヶ月以上の回答が最多。育休制度が充実している会社と、そうでない会社との温度差があるからかもしれません。
「半年とってくれました。夜中の子守りを交代できるなど最初の3ヶ月はよかったけど、あとはちょっと邪魔になった(笑)」(うい)
「おむつ替えも沐浴(入浴)もできるようになり助かっています。でも育休2週間は短かく、1ヶ月はとってほしかったな」(えりんこ)
「育休をとったことでパパに変化はありましたか?」では4割以上が「あった」
「子どもと過ごす時間が長くなったせいか、子どもの表情や様子を確認しながら対応するようになりました」(ドナルド)
「1週間取得し、私の入院中に上の子の面倒を見てくれました。おかげで上の子とパパの信頼関係がアップしました」(akipopo)
「1ヶ月の育休が終わる頃、『ずっと育休がいい』と、ぽつり。それだけ子どもとの時間が充実していたんだなーと思います」(ポカリ)
「3ヶ月取得しました。新生児の24時間を一緒に過ごすことで、ママの大変さを体感。より一層優しくなりました。巻き戻せない時間を一緒に過ごせて、日々の息子の成長がみられたことがよかったです。3ヶ月一緒にいられたから、父親の自覚も芽生えたのかなと感じます」(8ママ)
「パパが育休をとってくれてよかったと思いますか?」ではママの満足度は高く7割以上が「よかった」
「2週間取得しました。コロナ禍で面会が出来なかった分、濃密に関われて貴重だった様子。それに、“可愛い”だけでなく、大変なことが身をもって感じてくれたのは良かったかな。
夫自身も育休という制度は素晴らしいと感じたようです。ただ、想像以上にお給料の手取りが減っていて、これでは育休の取得率は上がらないなと2人で話しました」(てんてん)
「3週間取得。ひと通りの育児を1人でできる状態になれたので、安心して預けられます」(とと)
「1ヶ月以上取得。良かったことは色々ありますが上の子のケアを重点的にお願いできたこと、新生児の貴重な期間を夫婦で頑張ることができたことが、最も良かったです」(りんごあめ)
「1ヶ月取得してくれました。子育て漫画でママは店長、パパはバイトと、そのくらい育児の力量に差があると描かれていましたが、我が家のパパはとてつもなく頼りになる同期です」(きら)
「1ヶ月取得。夜間授乳時のオムツ替えを担当して、思うように睡眠が取れない辛さを実感し、日中も赤ちゃんのお世話を積極的に担当してくれました。命を守る責任の重さを身をもって感じてくれたようです。育休が終わって仕事に復帰した後も、仕事から帰ってきたら毎日育児・家事を分担してくれるので本当にありがたいです」(てそ)
「2週間の産休と6ヶ月間の育休を取ってくれています。妊娠期間中から掃除、ごはん作りは完璧。子どもが産まれてからは、授乳以外はほぼパパの仕事です。
男同士でお風呂に入る時間が一番幸せだそうで、よくお風呂場から楽しそうな声が聞こえてきます。これから離乳食が始まるからと、ワクワクしてフードプロセッサーを買った我が家の主夫です。笑」(ももじろう)
「喧嘩が増える」「ママは元気と勘違いする」など失敗談も
「上の子の扱い方、台所や洗濯ゾーンの扱い方など何もわからなすぎて壮絶な喧嘩をしました」(ままう)
「1ヶ月以上取得。夫の時間軸が子ども中心になったり、平日に上の子と一緒にたくさんお出かけできたり、私が子どものお世話に手間取ってもその横で家事が終わっているのは嬉しかったです。でも一緒にいる時間が増え、喧嘩が増えました(笑)」(のんちゃん)
「新生児に関われたことで、すごく父性に刺激を受けたようです。おむつ替えの話で盛り上がったり、夫婦でこんな会話できるようになるなんて、と感動もありましたが……。
パパが家事をしなければ、おのずと私の身体に負担がかかります。お願いするよりやっちゃった方が早いからと、やってしまう私も悪いのですが、『意外と動けるんだね!元気だねー』と、言われた時は悲しかった」(リンリン)
「1ヶ月以上とってくれたことは感謝しています。でも、私の伝え方が悪かったのか産後はママは身体を休めて、パパは家事・育児に専念する、ということを夫が理解していませんでした。私が家事をしているのに『ランニング行ってくる』など出かけてしまった時は、ため息が出ました」(みみ)
「3日間育休取ってくれたけど、結局何もやらなくてイライラしました」(櫻智)
という声もありましたが、パパの育休に関しては「満足」と感じたママが圧倒的でした。
そして実際に育休を取得したパパからのコメントもありました。
「産後、妻が病気で入院したため1ヶ月以上取得しました。子どもとちゃんと向き合う事で、世の中のママさんの苦労や悩みが少しわかった気がします。子育てという当たり前の行為の中で、子どもと一緒に日々成長している自分がいます。
実は施設に預けることも考えたのですが、子どもと二人で過ごす日々は幸せです。毎日同じことの繰り返しで苦労もありますが、喜びと愛に満ちた日々を過ごせる事に感謝しています」(楓彩のパパ)
男性の育休について、ワーク・ライフバランスコンサルタントの大畑愼護さんに伺いました。大畑さんは第3子誕生の際には1年間育休を取得し、なんと家族5人で南国フィジーに育休移住をしたという経歴の持ち主です。
「まず、みなさんに質問です。<夫を愛していますか?>」と、専門家
「色々な意味でドキッとする質問ですね。でも実は出産~乳幼児期は夫へ愛情の分かれ道といわれています。
『女性の愛情曲線』という調査によると、仕事よりも趣味よりも最高に愛していた夫への愛情は出産後、20%以下へ急降下してしまいます。(そして子どもが堂々の一位へ!)
おもしろいのはその後50%台に回復するグループと、そのまま低迷を続けるグループにわかれるのですが、それが『夫が乳幼児期にどれだけ育児にかかわったのか』によるのだそうです。
私自身の体験としても、育休中に夫婦で過ごすことによって『泣き止まなくて不安でしょうがない』『あ~寝顔が可愛いね』という何気ない会話と、感情の共有が出来たことがカギだったのかなと今では思います。
そういった意味でも男性の育休は、育児の意識改革だけでなく、夫婦の愛情を深める意味でも非常に大事と言えるのではないでしょうか。
またコメントでは、夫が『産後も元気』と勘違いしているというお悩みがありました。
初産婦(しょさんぷ)の場合は、なんと4人に1人が産後うつのリスクがあります。
産後の急激なホルモンの低下が原因ではないかと言われていますが、そのピークは産後2週間~1ヶ月。こういった事実を資料を見せて夫に伝えることで『妻は元気』という勘違いは吹き飛び、自分が家族をケアするんだ、守るんだという気持ちが芽生えるかもしれません。
夫が体験していないことを理解するためには、感情でお話しするより(もちろんこちらも大切です!)、数字や事実で示す方が伝わりやすい場合もあります。
このお話をネタに『我が家はどんな育休を過ごす?』とお二人で話してみるのも良いでしょう。
『たった1ヶ月』でも『人生を変える1ヶ月』になるかもしれません」(大畑愼護さん)
大畑愼護(おおはた しんご)
前職では全国を駆け巡る激務をこなし、やりがいを感じながらも長時間労働の弊害を実感。そこで個人及びチームの業務内容などを見直し・改善して残業時間半減を実現します。その経験を生かして生産性の向上を提言するワーク・ライフバランス社へ転職。コンサルタントとして、企業の講演・研修を担当し多数のメディアにも出演しています。
プライベートでは3児の父。前職では激務のせいで一家離散の一歩手前でしたが、こちらも見事に立て直し、第3子誕生の際には1年間の育休をとって一家5人で南国フィジーへ育休移住を決行しました。プライベートではトライアスロンに挑戦するなど、既成概念にとらわれず仕事・家庭・自分の時間の充実を提案する型破りイクメンパパです。
文/和兎 尊美
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2022年7月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数397人)
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
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