パパが産休・育休をとると、家計が心配! 22年10月スタートの男性版産休の給付金額は?

2022年10月からスタートする男性版産休。「子どもが生まれるから休みたいけれど、仕事を休むと収入が減ってしまうから…」などと不安に思っている人もいるかもしれません。
そこで、育児休業給付金の解説と相談の専門家、ベンゾーさんに男性版産休の給付金についての疑問をわかりやすく解説してもらいます。
「SNSで始めた育休相談は今までの累計で500件以上対応している、ベンゾーです。
この記事では、
・男性版産休の給付金額はいくらくらいなのか
・給付金について考えたときの、男性版産休を取るときの注意点
について解説します。
とくに『給付金額から考えると、自分は男性版産休と従来の育休制度、どっちを取るほうがいいのかな?』って人はぜひ読んでみてください。
先に結論だけ書いてしまうと『給付金額を優先するなら従来の育休制度。取りやすさを優先するなら男性版産休』です。その理由をこれから説明しますね。」(ベンゾーさん)
男性版産休の給付金額の計算方法は?
男性版産休と従来の育休制度。休み方は違っていても給付金の計算方法は同じです。
ここでは受給金額の計算方法や、いくらくらいもらえるのか解説していきます。
男性版産休は、「出生時育児休業制度」「産後パパ育休」などと呼ばれることもありますが、この記事ではわかりやすく「男性版産休」という名称を使用して説明します。
また、育児休業制度も10月に一部改定されていますが、男性版産休と比較するために、育児休業制度のことを「従来の育休制度」と表現して解説します。
給付金は、給料のだいたい63%の額がもらえます
男性版産休をとって、仮に4週間休んだ場合、給付金額はだいたい給料の総支給額の63%程度です。
よく「育児休業給付金は給料の総支給額の67%」といわれていますが、あえて63%程度とお伝えしておきます。なぜなら男性版産休は4週間しか使えないため、丸々1カ月分はもらえないしくみだからです(給付率自体は67%だが、給付対期間が短いのです)。
「うちの会社は、基本給が安くて手当が多い。給付金が減っちゃうかも」って心配されている人。
安心してください。給付金額は交通費や残業代など各種手当も含めた総支給額から計算します。
たとえば毎月基本給が18万円。そのほかの手当で2万円。合計20万円もらっているとします。
その人が4週間の男性版産休を取った場合、20万円の63%程度ということで12万5000円くらいがもらえる計算に。
給付金額は過去半年の給料を使って計算します。つまり休む少し前~直前は給料が高いほうがいいですね。
頑張りに応じて手当が増えるような職場なのであれば、ちょっと頑張ってみると「思っていたより給付金がもらえた!」なんてこともあり得ます。
ただし、給付金の額には上限があります
給付金額には上限額が決められています。エリートサラリーマンで月々100万円の給料をもらっていたとしても、給付金額は100万円の63%にはならないんです。
上限額は毎年変更されますが、目安として元々の給料が45万円以上ある人は、上限額に引っかかっていると思ってください。
「給付金は給料の約8割もらえると聞いた」という人もいるかもしれません
「給付金は給料の約8割もらえるって話をよく聞くようになったんだけど」という相談を受けることがあります。
この話には2つのパターンあります。
1つは「育児休業給付金の給付割合を67%から80%に引き上げるよう政府が検討している」という話。
かなり前に出た話ですが、この記事を執筆している2022年9月現在で具体的な話は進んでいません。
もう1つは「手取り額で考えると、実質80%くらいもらえている」という話。
一般的に給料からは所得税や住民税といった税金、そして健康保険や厚生年金などの社会保険料が引かれています。
しかし産休や育休(男性版産休も)を取っている期間、社会保険料は免除されています。
そのため「手取り額だけで考えると、80%くらいはもらえていますよね!」という話になるのです。
なんだかどちらの話も、ちょっと腑に落ちない気がしますよね(なので執筆者の私自身は「8割もらえます」という言い方は好きじゃありません)
給付金から考える、男性版産休を取得するときの注意点
給付金の計算方法は従来の育休制度と同じですが、男性版産休の場合、従来の育休制度と休み方が違うため注意しておきたいことがあります。
「男性版産休と従来の育休制度。どっちを使ったほうがいいかな?」って迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
育休中に働くことができる男性版産休。その場合の給料と給付金の注意点
「うちの会社では育休中でも給料が出る制度になっているんだけど、給付金ももらえるの?」という相談もよくあります。
給付金がもらえるかどうか、結論を言うと「会社からもらえる給料の金額による」です。
育休中(男性版産休も)に給料が発生する場合、その金額に応じて給付金額が減るしくみになっています。
簡単にまとめると以下のとおりです。
・元々の給料の80%以上出る場合→給付金なし
・元々の給料の13%以上出る場合→給付金減額
13%っていうと、だいたい2、3日働いたときの給料くらいです。
つまり「2、3日働くと減額され始める」と考えてください。
とくに男性版産休の場合、休み中に働く予定を入れることができるので、このことを頭に入れておくといいでしょう。
給付金のことだけを考えると、従来の育休制度のほうが有利
「たった2、3日働いただけで給付金が減額され始めるなら、休業中は働きたくないな。そうなると男性版産休の”休業期間中に働いてもいい”というメリットがあまりなくなってしまう」と思う人もいるでしょう。
そのとおりですね。「給付金を満額もらうこと」を優先するなら、たしかに働くと損をした気持ちになるかもしれません。
しかし男性版産休は、そもそも「育休を取るけど、定期的に働くことができる」という制度。なので「給付金を満額もらおう」っていう考え自体が、男性版産休の目的と異なるわけです。
「給付金を満額もらう」ことを優先したいなら、男性版産休ではなく従来の育休制度を取得すればいい。
男性版産休は「従来の育休制度を使うのが難しい(ある程度働かないといけない、もしくはある程度働きたい)人のための制度」と思っておくといいでしょう。
男性版産休を取るとき、ボーナスが支給されるタイミングまで考慮しなくても大丈夫
男性版産休は、産後8週間の内に取得しなければいけません。その間にいつ休むかは、取得者が決めることができます。
「ちょうどボーナスが支給されるタイミングと男性版産休を取りたい時期が重なる。給付金には影響するのかな?」という疑問もあるでしょう。
これは影響しません。
給付金が減ったり止まったりするのは、あくまでも毎月の給料の話で、ボーナスは無関係です。
男性版産休を取得する時期と、ボーナスが支給されるタイミングを深く考えないでOKです。
給付金を満額もらうことと、休業の取りやすさ。優先するほうを考えよう
男性版産休の給付金額のしくみは従来の育休制度と同じ。男性版産休のポイントは、
・ただし休業中に働く前提なので、給付金額は減る
・給付金額を優先するなら従来の育休。取りやすさを優先するなら男性版産休
というところです。
給付金を満額もらうことと、休業の取りやすさ。どっちを優先するかで選択する制度が変わってきます。
文/ベンゾーさん、たまひよONLINE編集部
もらえる給付金額の目安がわかることで、男性版産休や育休の取得を計画的に考えられますね。
「できれば全員が従来の育休制度を使ってほしいところですが、現実にはなかなか休みにくい人もいます。
これからパートナーが出産する予定があるという男性。ぜひこの機会にお休みを取り、育児と向き合ってみてください。
この記事を見ている妊婦さんは、ぜひパートナーにLINEでシェアしましょう!」(ベンゾーさん)
[ベンゾー*プロフィール]
育児休業給付金の解説と相談の専門家。SNSで始めた育休相談は累計500件以上対応。社会保険労務士事務所に7年以上勤務。子育て世代のための情報を発信するWebサイトを運営
・育児休業の解説と個別相談サービス「私の育休ホットライン」
・出産内祝いのマナーの本音を解説「内祝いとか正直めんどい」
「給付金額の計算方法については、『【専門用語無し!】育児休業給付金の算出方法。いくらもらえるか解説】』でより詳細な計算方法を解説しています。また、給付金減額の仕組みは『【要注意!】育休中に働いても育児休業給付金が減らない方法を専門家が解説』でより詳細な解説をしています。
ぜひ読んでみてください」
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