コロナの影響でパパの育児意識高まる!? 26.9%が育休を取得予定。専門家も驚きの声 【14,017人のリアルママボイス】
妊娠27週前後のママに「夫・パートナーは育休を取得する予定?」という質問を、スマホアプリ「まいにちのたまひよ」の情報交換コーナー(※ルーム)で聞いてみました。最も多かったのは「とらない」で約56%。その一方、「取得する」と回答した方は約27%に。そのうち「1ヶ月以上」と回答した方は、約10%という結果に。コメントからは、ママがお願いしているというよりも、パパが積極的に動いていることがわかります。男性の育休取得に詳しく、その有意義性を広く唱えるみらい子育て全国ネットワーク代表、天野妙さんに聞きました。
※出産月が同じママが集まるコミュニティ。同じ状況のママ同士で情報交換やお悩み相談ができるコーナーです。
「取得しない」56.6%。その一方で「取得する」26.9%という結果に
「取得しない」56.6%で、その理由は大きく3つに分かれました。
一番多かったのは会社からの“圧”。さらに「減給になるから」「キャリアに支障が出るから」と、妻が遠慮するコメントも目立ちました。
「取得しない」理由は、減給が厳しいなどの妻の遠慮
「育休よりも『働いてください! しっかり残業してください!』と、お願いしています」
「付き合っていた頃から『育休とるよ!』といっていた夫。でも私も育休で減収するし、気持ちだけいただいて取得しない予定です」
「とれる会社ではあるのですが、夫は責任ある立場なので育休とってもおそらく毎日電話の嵐。復帰後は仕事の山=残業続きになることが予想されるので、取得しなくていいよ、と言いました」
「必要な時に有休はとれる会社なので、特別にとる予定はありません」
「週に2〜3回、有休や半休をとってもらう予定。1ヶ月も顔をつきあわせたら喧嘩になりそうなので、我が家はその方式のほうがちょうどいい」
キャリアに響くので諦めた
「夫に有休の話をしたら『俺が休んだらみんなに迷惑がかかる。こっちの仕事も理解してよ!』と、怒られました」
「育休とるとキャリアに影響出るらしいです。ちなみに教育企業です(笑)」
「育休中は顧客を他の人にまかせることもあり、キャリアが一時中断することが嫌みたい。そこそこ大きな会社ですが『男性がとる必要ある?』という空気もあり、取得しません」
「私も同じ会社にいましたが、GWもお盆休みも正月休みもない激務な会社です。夫が休んでも代わりにやってくれる人はおらず(みんな自分の仕事で手一杯)、育休なんてとったらのちのち夫がかわいそうなことになる。
本音は1週間くらいは休んで欲しいけど、それも無理みたい」
今も根強い“会社から圧”があった
「会社から『うちはそういった制度はない』と、言われたそうです」
「会社側の『男性も育休取りなさい』という言葉を鵜呑みにした若手社員が『数ヶ月とります』と、申し出たら翌日から吊るし上げにあいました。『え? 1週間でしょ? 』みたいな。
復帰後も『君は子育て忙しいみたいだから』と、ことあるごとに嫌味を言われていました」
「育休を申請したら課長に呼ばれて『育休をとるということは、今後出世できないと思っておいて』と、言われたそうです。ちなみに日本人なら誰もが知る大手企業です。
育休取らせてくれないのなら、会社が家事代行を雇って欲しい」
「とらないのではなく、とれないんだよなぁ」
「取得する」も、パパに期待する一方で、いろんなことが心配という本音も
「1ヶ月取得する予定。100年以上続く上場企業ですが、男性で育休取得をするのは夫が初めてみたいです」
「分割してとれるので出産後に数ヶ月、2回目は1年後に私とバトンタッチするカタチで取ることを想定しています」
「一人目は3ヶ月、二人目の今回は4ヶ月の予定。夫婦一緒に赤ちゃんと向き合い続けた3ヶ月は本当に貴重でした。今回はまた違う育休になるのか、今から楽しみです」
「3ヶ月とる予定です。が、夫はかなり真面目で几帳面。逆にノイローゼにならないか、心配です(笑)」
「里帰りから戻った生後1ヶ月から半年間育休をとる予定。一度しかない新生児との生活を大事にしたい!と、自主的に育休をとってくれるので大変ありがたいです」
「産後、私が入院予定なので半年とってもらう予定です。貯金がどれだけなくなるのかが恐怖です」
「両家の実家が遠いので半年から1年ほど育休とってもらう予定です。しばらくふたりでやって保育園を入れるタイミングを考えます。お給料は二人の育児休業給付金でなんとかやっていけるかなぁという見込みです」
「1年取得予定。仕事も調整済みです。どうなることやら(笑)」
「夫は現在、単身赴任中ですが1年取得予定。嬉しいけれど1年も必要か!? と、何度も夫と揉めました(笑) 単身赴任なので寂しいのかなぁ。なので、私の仕事復帰を早めようかと水面下で計画中」
「夫はIT系の会社でボロ雑巾のように働かされていたので、『育休とってみたら?』と、声かけたらその気になって1年取得すると! 私は数週間と思っていたのでびっくり(笑)
先輩ママから『家事ができない夫が家にいると、妻の負担が増えるよ』と、言われ、さらに収入も減り不安がないわけではないけれど、せっかくの機会なので、夫婦二人三脚でいい思い出にできればと思っています」
時代の変化を感じるこんな声も続々
「会社から『とらないの?』と、言われて1ヶ月とれそうです」
「夫は2ヶ月取得予定。その後も保育園に入れなかったら夫婦で交互に育休を取得して、夫は最長で8ヶ月になるかも。私の上司は育休を6ヶ月とったそうです。男性部下が『育休2週間』と、申請した際には『1ヶ月くらいとりなよ』と、言っていたほど。部下は結局2週間で戻ってきたけど『夜泣きで寝不足、育児なめてました』と、言ってて上司が苦笑してました」
「私の会社も、夫の会社も『育休とるのは当たり前』という雰囲気なので、会社によって違うのですね。驚きました(汗)」
「6ヶ月取得予定です。トップが女性だと理解が深いのかな。1〜3ヶ月は当たり前で、最近は1年取得する男性社員もいます」
時代のはざまで揺れる「検討中」&「わからない」
「現在、1年の育休を交渉中。前例がないらしいです」
「キャリアを天秤にかけると…で迷い中。でも育休を取得した会社の先輩から『昇給や出世はがんばり次第で追いつけるけど、赤ちゃんと過ごす1ヶ月はがんばってもやり直せないよ』と、言われたそうです」
「『育児休業』ではなく『育児戦争期間』と名称を変更すべき。だって休みじゃないし。
実はこれ、夫の意見です。夫は会社から『育休はない』と、言われて戦っております。私は居ずらくなるのなら無理しなくていい、と言いましたが『俺は会社のために働いているのではない。家族のために働いているんだ』と、言って交渉中です」
実が「取得しない」というコメントでも「有休を使う予定」「自営業なので」「フルリモートなので」と産後、夫が協力体制である家庭は数字以上に増えているようです。
「男性の育休は、クオリティオブライフを向上させます」と専門家
2020年の雇用均等基本調査では、男性の育休取得率は12.65%。比べて今回のアンケートでは約27%でした。増えても数%という時代が20年以上続いていたこれまでの推移を考えると、この数字は驚くべきものがあります。
『男性の育休 家族・企業・経済はこうかわる』の著書で、国会の公聴会で「男性の家庭進出」について公述した経験があり、男性の育休取得の大切さを提言する天野妙さんにお話を聞きました。
「今回の数字は素直に驚きました。今年4月から段階的に育休制度が拡充されることもあり、過渡期なのかもしれません。そして男性の育休のメリットについて、もっとしっかり知って欲しいと思います。
育休制度は会社員なら誰でも取得する権利がありますし、育休中の収入は『育児休業給付金』として雇用保険から支給され、社会保険料などが免除されるので、手取り給与の8~9割程度を受け取ることができます。
一方、会社の負担は育休期間中の欠員ということになりますが、育休前の仕事の棚卸や、共有化で属人化を排除することができ、企業側からメリットが大きいという声も聞こえてきています。
私はこれまで育休を取得した多くの男性とお話しする機会がありましたが、全員が『とって良かった』『人生観が変わった』と、肯定的な感想です。
それは子どもとの絆が深まるだけでなく、クオリティオブライフの向上につながるからでは、と、私は考えています。
育休を1年間取得した男性は、『2人の子どもの世話はひとりでできるようになりました。妻が1週間出張となっても任せておいて!と、快く送り出せるので妻からは感謝され、子ども達との結束力は高まるし、子育てをより楽しんでいます』と、語ってくれました。
妻が仕事で活躍することは世帯収入にも直結します。夫の育児休業は家事・育児のスキル取得や子どもとの信頼関係を深めるだけでなく、いろんな意味で家族のクオリティオブライフを向上することができるのです。
よって、育休で得られるものは赤ちゃんと一緒に過ごす時間だけでなく、のちのちの人生を輝かせるものとなります。
夫婦でぜひ、育休取得について話し合って欲しいと思います」
文/和兎尊美
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※文中のコメントはアプリ「まいにちのたまひよ」内、同じ出産月のママ・妊婦さん同士で情報交換できるコーナー(ルーム)に寄せられた投稿を再編集したものです。
※アンケートの結果は「ルーム」にて以下の期間で実施した回答結果を合算したものです。(有効回答数:14,017人)
・2021年9月20日~2021年9月27日実施/2021年12月生まれルーム
・2021年10月18日~2021年10月25日実施/2022年1月生まれルーム
・2021年11月22日~2021年11月29日実施/2022年2月生まれルーム
・2021年12月20日~2021年12月27日実施/2022年3月生まれルーム
・2021年1月17日~2021年1月24日実施/2022年4月生まれルーム
天野 妙(あまのたえ)
PROFILE
合同会社Respect each other代表、みらい子育て全国ネットワーク代表。日本大学理工学部建築学科卒業。株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)等を経て、性別・役職・所属・国籍に関係なく、お互いが尊敬しあう社会づくりに貢献したいと考え、起業。ダイバーシティ/女性活躍を推進する企業の組織コンサルティングや、研修など、企業の風土変革者として活動する傍ら、待機児童問題をはじめとした子育て政策に関する提言を行う政策起業家としても活動中。著書に「男性の育休 家族・企業・経済はこう変わる (PHP新書)」がある。
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