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東京都、育休の愛称を「育業」に。育児は子どもを育てる大切で尊い仕事【応援サミットリポート】

更新

2021年6月に育児・介護休業法が改正され、2022年4月から段階的に施行されています。改正の背景には「職場に理解してもらえない」「昇進できなくなるのでは」などの不安から、とくに男性の育児休業の取得が進まない現状があります。東京都は育児休業を取得しやすい社会の実現に向けて愛称を募集。2022年4月から5月にかけて集まった8825件の中から「育業(いくぎょう)」が選出されました。6月29日に行われた「育休取得応援サミット」の様子をひよこクラブ編集部がリポートします。

男女を問わず、希望するだれもが「育業」できる社会をめざして

2020年度の育児休業の取得率は女性が81.6%であるのに対し、男性は12.65%にとどまっていることや、出産前に就業していた女性のうち約半数が産後に退職していることなどの現状があります。また、男性の育休取得の進みにくさには「代替要員の確保が困難」なことや「職場がそのような雰囲気ではない」ことなどが課題になっています。そこで東京都では「育児休業」の愛称を公募。サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏や、タレントの杉浦太陽氏など9名の選考委員によって愛称に「育業」が選ばれました。

選考理由について小池都知事は「育児は『未来を担う子どもを育てる大切で尊い仕事』です。『業』には『仕事』や『努力して成し遂げること』という意味があり、まさに『育業』と呼ぶにふさわしいでしょう。
とくに『育休』は『休む』というイメージがついてしまいます。ですが、『育休』は仕事を休む期間ではなく、未来を担う子どもをはぐくむ期間。育児は職場での仕事以上に大変な仕事です。これからは『すみません、育休を取らせてください』ではなく『育業します』と胸を張って言える社会にしていきたい」と考えを示しました。

「育業」は家族の基盤づくり

選考メンバーによるディスカッションでは、育児の大変さや実際に育休を取って感じたこと、育休取得における課題など、さまざまな意見交換がされました。
タレントの杉浦太陽さんは、中学校3年生から3才まで4人の子どもを持つパパとして、夫婦で協力しながら育児をすることの大切さについての意見を語りました。

「子どもが増えるたびに、育児は1人の親だけではまかなえないと実感しています。僕自身も育休を取りましたが、それによって、育児の基礎を学べる、子どもとのスキンシップが取れる、夫婦の絆(きずな)を深めることができました。育休を取ることは、家族の基盤づくりになり、将来的にも影響すると思います。
子どもが大きくなったときに『どう接していいかわからない』とか『家族の自分の立ち位置はどこなのか』って悩んでいる方もいらっしゃいますが、育休中に自分の役割をつくる、家族との絆(きずな)を深める、子どもとコミュニケーションを取るという、この積み重ねがすごく大事です。育休中には家事も覚えたので、子どもが大きくなってからも妻とキッチンで並んで料理したり、一緒に掃除をしたりします。そのとき会話しながら子どもたちのことを2人で分かち合えるので、夫婦仲もよくなるし、家庭の事情を把握するのも大事なことだと思います」(杉浦さん)

育児を経験し男性こそ社会進出が必要だと感じた

また、サイボウズ株式会社 代表取締役社長の青野慶久さんは3人の子どもが生まれるたびに育休を取得。「実際に育児をやってみたら、仕事よりはるかに大変だとびっくりした」と言います。

「経営者として普段からハードワークをしているから育児のほうがラクだろうと思っていたけれど、『育休』という言葉にだまされた感じがありました(笑)。子どもには夜中でも急に呼び出されますし、ちょっと疲れたから明日休む、ということもできないし、どんなブラック企業か、と。しかも命がかかっています。それに赤ちゃんには日本語が通じないのもつらいですね(笑)。これは1人でやるもんじゃないな、夫婦や社会全体で分担してやらないといけない仕事だ、と感じました。

育児をやってみるとすごく学びも多かったです。保育園、学校、PTA、病院、などに行く機会が増え、『社会ってこうなっているんだ』とあらためて知り、これまでの自分は社会人ではなかったかもしれないと気づかされました。よく女性の社会進出、と聞きますが、むしろ社会進出が必要なのは男性だと感じます。会社以外の社会のことやさまざまな業界のことを知ることができると、視野が広がってビジネスにもいい影響が出ると思います」(青野さん)

「育業」はママと赤ちゃんの命を守るための大切な役割がある

株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長の小室淑恵さんは、育休の取得が進まない要因について次のように話しました。

「私がさまざまな会社をコンサルティングする中で、経営者の人たちは男性が育休を取ることを『母ちゃんのしりにしかれちゃってんじゃないの』なんていうパワーバランスの話だと思っていて、育休を取ることがなぜ重要なのかをまったくわかっていないと感じています。

実は、今、産後の妻の死因の1位は自殺といわれ、その大きな要因が産後うつといわれています。出産によってホルモンバランスが崩れることなどで起こる産後うつを治療するには、まとまった7時間睡眠や、朝日を浴びて散歩することなどが必要ですが、2時間おきの授乳をしながら妻1人が育児を担っているのでは、まとまった睡眠時間を取れません。
このように男性の育休取得は家族の命を守るための大切な役割があるもので、決してパワーバランスの話ではない、ということが企業の中だと理解されない現状があります」(小室さん)

そのほか、小室さんからは、産後すぐに夫が育児に参加するかどうかで、妻の夫への愛情曲線の明暗が分かれる、という話も。

「妊娠期から赤ちゃんが1才になるまでの時期に、妻が夫に抱く愛情は、夫が妻に抱く愛情に比べ20%も低くなり、そのままずっと埋まらないというデータもあります(※)。これには、夫が妻と感情の共有をできたかどうかが関係していて、この時期は夫婦の愛情度を決める重要な1年であるとも言えます」(小室さん)

これを聞いて杉浦さんは「『あのときおむつを替えてくれなかった』とか『授乳中に起きてくれなかった』とか、産後数カ月のことが一生の溝にもなりかねないので、『育業』によってそれが改善されるなら絶対参加したほうがいいし、子どもが新生児の期間は長い人生の中で一瞬しかないので、その大切な時間を夫婦で一緒に分かち合うことが大事だと実感した」とコメントしました。


取材協力/育休取得応援サミット事務局  撮影/山田秀隆 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

東京都では雄が子育てをするタツノオトシゴをモチーフにした男性「育業」促進企業のロゴマークを作成しました。「育業」の取得率が50%以上達成した企業にはこのロゴマークを使用して自社のPRに活用できるほか、優遇措置などのメリットもあるとのこと。
また、「育業」の趣旨に賛同し、「育業」を応援する企業や団体を募集。応募した企業は東京都のホームページで紹介され、PRされるとのこと。
たまひよは「こどもスマイルムーブメント」に協賛しています。

今回リポートした「育休取得応援サミット」はYouTubeでアーカイブ動画の視聴が可能です。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。


(※)第1回 妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査(妊娠期~2歳児期)
https://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=3157

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