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離乳食の悩み相談★「食べない」の解決法

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《5・6カ月ごろ》赤ちゃんや子どもの味覚はとても敏感

私たちは「酸味・甘味・塩味・苦味・うま味」の5つを、舌にある味蕾(みらい)という器官で感じます。赤ちゃんや子どもは味蕾の数が多く、大人よりも味覚が敏感だといわれています。

 初めての味を赤ちゃんに与えたとき、泣いたり舌で押し出したり、すっぱいと体ごとふるえたりと、赤ちゃんの反応にびっくりすることがありますよね。幼児になっても食べたことがない食べ物の色や形などは、見た目にも反応して拒否することがよくあります。そんなとき、ママやパパは「感覚が育つレッスンの時期」と思って、ニコッと笑って「おいしい!」と言って食べて見せてあげましょう。

 初めての食べ物をあげるときは、「どんなお味かな?」「はい、カボチャは甘いよ」など、声をかけたり一緒に食べるといいでしょう。感じやすい子どもは、初めての食べ物に緊張しますから、リラックスした雰囲気で「おいしくな~れ、〇〇ちゃんのおなかに入るともっとおいしくなるよ~」と、楽しく子どもの好奇心を刺激しましょう。子どもが苦手なすっぱい味も普段から食べるようにすると、さらに味覚は広がるようです。

【ポイント】離乳食初期は味をつけず、食材そのものの味を経験させる時期です。ママやパパも一緒に味わって、食材のおいしさ感じてみてはどうでしょう。

《7・8カ月ごろ》「あせらず、ゆっくり」を合い言葉に

生まれて初めての離乳食の味や舌触りに、赤ちゃんの反応はいろいろです。赤ちゃんがどんどん食べてくれるとママもパパもうれしいですよね。でも、大人が食欲のないときがあるのと同様、赤ちゃんも食べたくないときがあります。離乳食の最初からあまり食べない少食タイプの赤ちゃんも珍しくありません。

 性格が異なるように、離乳食の進み方もみんな違います。「食べない」とき、ママやパパは不安になりますが、あせらないでください。ママの不安な気持ちが赤ちゃんに伝わります。赤ちゃんは人生最初の「食事」のスタートラインに立ったところですから、ここで無理強いは禁物です。無理に食べさせようとすると、赤ちゃんは離乳食のたびに無理強いされた嫌な気持ちを思い出し、ますます食べなくなるかもしれません。

 離乳食に行き詰まったら、「今は食べてくれなくても、いずれ必ず食べるようになる」とおおらかな気持ちで、まずは大きく深呼吸をしてママやパパの気持ちを入れ替えましょう。食べることのレッスン期ですから、「うちの子のペース」を大事にしましょう。

 幼児期の食事も同じですが、ママやパパが離乳食をおいしく食べるところを赤ちゃんに見せてください。食べることにより、ママやパパも緊張がほぐれてくるはずですよ。

【ポイント】その子のペースに合わせてゆっくりと進めること。7~8カ月のころ、急に食べなくなることもあります。あわてないでメニューの内容を少し前に戻したり、逆に進めてみたりして変化をつけ、様子を見ましょう。

《9〜11カ月ごろ》子どもが自分で食べる喜びを育てよう

グチャグチャと食べ物をかき混ぜたり投げたり、スプーンを持ちたがったりしてママを驚かせるのは、「自分で食べたい~」という意欲の表れです。赤ちゃんがこのような行動をするようになったら、汚れてもよいようにテーブルの下とまわりにシートを敷き、赤ちゃんが触ってもいいように少しの食べ物を器に入れてあげます。食べさせる分は別にして、ママやパパが様子を見ながら口に入れるようにしましょう。

 赤ちゃんは五感を使って食べ物を確かめながら、手先を動かして食べようとします。うまく口に入ったら喜んであげましょう。幼児食になればスプーンやフォークを使えるようになりますから、自分で食べる喜びはさらに大きくなります。

 食べる意欲満々なのに上手に食べられなくて、かんしゃくを起こすこともあります。感触を確かめるように食べ物をグチャグチャとするのが、ママやパパから見ると「遊び食べ」をしているように思えます。食べる技術の習得中ですから大目に見てあげたいですが、ダラダラ続くようなら30分ぐらいで切り上げて片づけましょう。

 子どもの食欲は、波(むら)があるのが自然です。そのときの気分の問題もあるし、体が調整をとることもあります。体を動かしていなくておなかがすいていない、という場合もあります。

【ポイント】自分で食べた気になることが大切。目の前の食べ物を手でつかんだり混ぜたりしている間に、サッとお口に食べ物を入れてあげましょう。

《12〜18カ月ごろ》手づかみにおすすめの「おかずおにぎり」 《19カ月以降》子どもの好き嫌いの多くは「食べず嫌い」

《12〜18カ月ごろ》
 楽しく食べられるごはんといえば、なんといってもおにぎりです。小さなラップおにぎりにして、ゴマやジャコをごはんに混ぜたり、具に野菜の煮物や子どもの好きなおかずを組み合わせると、子どもが楽しく食べることができます。

 野菜などの具が入ったみそ汁をプラスすれば、栄養的にもバランスのよい日本の食事になります。メニューに困ったときは「おにぎり&みそ汁」がおすすめ。
子どもが大きくなったら、ラップおにぎりを一緒に作ってみましょう。

【ポイント】苦手な食べ物を食べさせたいとか、量を多く食べさせようとする下心は忘れること。楽しく食べることが生きる意欲につながります。

《19カ月以降》
 食べ物の好き嫌いは食体験を通して学習されるようですが、幼児期の好き嫌いは食べず嫌いが多く、本物の偏食ではない場合がほとんどです。小学校低学年以降から好き嫌いがはっきりしてくるようですが、それまでは「あれが嫌い」「これも食べない」と子どもが言っても「この子はこれが嫌いなのね」と決めつけないでください。

 子どもはとても好奇心旺盛です。友だちが食べているのを見れば自分も食べてみたくなりますし、その反面、同じものを作っても食べてくれなかったりします。

 嫌いな食材があったら、まずはママやパパが子どもの前でおいしそうに食べて見せたり、日をおいて違う料理でさりげなく食卓に登場させましょう。「嫌い」「食べない」という子どもの言うことにあまり反応しないで、今までと同じように食事をするようにするのです。ただし、無理強いをするような食事の不快な体験は、本物の偏食をつくってしまいがちなのでやめましょう。逆に、楽しく食べた快感の体験は食べる意欲を育てます。

 食べることは生涯続きます。そう思うと、小さいころの楽しくおいしい食体験を大切にしたいですね。

【ポイント】料理のお手伝いや収穫体験など、楽しい食体験を増やすこと。葉物をちぎる、食材を混ぜる、野菜の皮をむくなどのお手伝いで調理に参加する、果物や野菜の収穫体験など、食べる以外の楽しい食体験が好き嫌を少なくするのに効果的です。



監修:菅野満喜子 先生
台所のある幼児教室「こんぺいと」代表

幼稚園教諭、出版社を経て「グループこんぺいと」を設立。東京都世田谷区等々力に「台所のある幼児教室」を設け、子ども料理の指導、遊び・しつけ・子どもの食育など講演・執筆など、幼児と保護者・保育者対象に仕事をする。CSTV食育番組「おやこでクッキング」監修。 グループこんぺいと編著「あそびからはじめる食育」(メイト)「食育なんでもQ&Aセレクト41」(黎明書房)「すぐちょこシアター」(学陽書房)「怒らないしつけのコツ」(学陽書房)他多数。

※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。

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