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母親が父親に望む本当のこと

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子育てに悩む3つの理由

 僕は多くのお母さん方の子育て相談を受けています。皆さん、子育てに悩みながら一生懸命やっていますが、それでも子育てはとても大変です。

 まず、ほとんどの人がまったく未経験の仕事である、子育てそのものの大変さがあります。単にその子どものお世話が大変というだけではなく、子育てそのものが未知のものであることから、まるで暗闇の中を手探りで進むときのような不安があります。これが子育てを悩ましくする1つ目の理由です。

 この不安は、直面している子どもの行動やお世話が大変といったものだけではありません。子どものことを考えていくと、ありとあらゆることに不安がつきまといます。たとえば、予防接種一つをとってみても「その予防注射にはまれに深刻な副反応がでてしまうことがある」なんて話を耳にすれば、そういった確率は非常に低いとわかっていても、子どもの健康を気づかって大きな心配にとらわれてしまいます。

 最近では「保活」なんて言葉も生まれていますが、「保育園に入れるだろうか」「私は職場復帰しても以前と同じように働けるだろうか?」「職場からきちんと処遇してもらえるだろうか?」。そんなそのときになってみなければわからない問題までも、ずっと前から不安や心配として抱え続けなければなりません。こういった不安の多さ大きさが、子育てそのものの大変さと同様かそれ以上に子育てをつらく、難しくしています。このことが2つ目の悩みです。

 しかし、この母親の不安はなかなか父親からは見えてきません。そこでまたさらに、母親にとって子育てをつらくしてしまうもうひとつの問題が生まれてきます。それは、その不安や心配を父親に理解してもらえないということです。このことが3つ目の悩みです。

母親が抱えるわだかまり

 1つ目の子育てそのものの大変さという問題。場合によってはこれだけでも結構しんどいものですが、まわりの人に助けてもらったり、もちろんお父さんに協力してもらったりしながら、またはたまの息抜きをしながらでもなんとか頑張れます。次の子育てや職場復帰の不安・心配についても、祖父母やママ友に相談したり、育児書を読んだりしながら、なんとか頑張っていくことができます。

 しかし、3つ目の問題は、母親の頑張りだけではどうにもなりません。お父さんが、子育てにまつわる大変さを理解してくれないということが子育ての悩みの一因になっている人は、それを自分の頑張りではどうにもならないまま、ずっとわだかまりとして抱えていかなければなりません。このことは母親にとって子育ての大変さを乗り越えたあとでも、夫婦の信頼関係の問題としてずっと心のどこかにひっかかったままになってしまいます。
 
 自分は育児や家事に積極的に参加しているからその心配はないだろうと感じるお父さんもいることと思います。しかし、それが必ずしもそうではありません。育児に協力することと、母親の持つ育児にまつわる不安を理解することは別のことだからです。むしろ「育児・家事を手伝っているのだからいいだろう!」という意識を父親が持っている場合ほど、母親の感じている「自分の悩みやつらさを理解していない」という孤立した気持ちは深まってしまいかねません。

 専業主婦であれ、共働きの女性であれ、男性が外で働きながら家事や育児に参加する大変さはよく理解しています。でも、男性がそこに満足してしまうと、自分のことは理解してもらえないというやるせなさを母親は感じ続けることになります。

“共有”が子育てにもたらすもの

 では、父親はどうしていけばいいのでしょうか?
 
 母親が本当に望んでいるのは「母親の感じている子育ての大変さを”理解してあげること”」ではありません。もちろん、それも大事なことではあります。「いつもお疲れさま。今度の休日は僕が子どもをみるから、のんびりしておいでよ」なんて言ってもらえたら、多くのお母さんは本当に助かることでしょう。そういったことをできる範囲でするのも必要なことかもしれません。
 
 でも、多くの女性が感じる、先ほど述べた3つ目の悩みを根本的に解決するのはそれではありません。

 「理解してあげる」「手伝ってあげる」だと、母親が子育てで感じる孤立感はなかなか解消されません。とはいえ、母親の感じる子育ての悩みや不安を全部聞き出して一緒に悩むというわけにもいきません。それは現実的には難しいことだし、またそこまでする必要があるわけでもありません。これを解決するために有効なのは、一見関係ないようですが、父親・母親それぞれの子どもへの想いなどを普段から話し合って”共有”していくことなのです。
 
 たとえば、「どんな子に育ってもらいたいか」といった何気ない話を普段から気軽に話題にしていくといったことです。共有とはいっても、別に夫婦で子どもに望むことを一致させなければならないというわけではありません。「私はこう思う」「僕はこう思う」でいいのです。大きくなったら子どもとどんなことをしたいとか、自分の子ども時代はこんな子だったよといった話だっていいでしょう。「将来どこどこの学校に入れなければ」といったプレッシャーになるような話よりも、気軽な話題の方がいいと思います。

 多くの人がそういった想いを持っているのだけれど、なんとなく気恥ずかしさがあったりして普段から話しているといった人は意外と少ないようです。でも、そういった話を日頃からパートナー同士ですることによって、母親も「自分は1人で子育てしているのではない!」と実感できるようになります。その気持ちがあると、子育てをする中で出てくる数限りない悩みや不安・心配に押しつぶされずに進んでいくことができます。ささいなことのようですが、このことはすごく大きなことです。 

 また、普段から気軽に子どものことを話題にすることによって、子育ての会話の間口が広がります。子どものことが大事で、子育てに一生懸命な人ほど「自分が頑張らなければ」と、だれにも伝えずに不安や心配があってもそれを抱え込んでしまいます。そうなるとかえって、そのこと自体が子育てのつらさ・大変さを大きくしてしまいます。

 普段から気軽に子どものことを話題にできる関係があると、そうなる前に不安な気持ちを小出しにしていくことができます。すると、同じ心配事があったとしてもその人には大きな悩みに見えずに済むのです。

 子育てへの参加をそんなところからスタートしてみると、義務感からしていくより、男性にとってもずっと子育てが楽しいものになっていくのではないかと思います。ぜひ、始めてみてください。



須賀義一 先生
子育てアドバイザー

1974年生まれ。公立保育園勤務の後に退職し、現在は子育てアドバイザーとして講演、執筆活動を行なっている。従来の子育てを見直し、個々を尊重した関わり、子育ての仕方を提案している。 二児の父でもあり、保育士としての経験を生かした子育てブログ『保育士おとーちゃんの子育て日記』が多くの人の支持を得る。難しくなりがちな現代の子育てを具体的に楽しいものにしていける方法を提案している。著書に『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP研究所)がある。

「子育ては楽しめるようになるのが一番です。”できる子”を目指すより、”かわいい子”を目指してみてください。きっと子育てが楽しくなりますよ!」

※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。

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