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「風邪のブツブツ」ってどういうこと? 医師が病名をはっきり伝えない理由【小児科医】

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母は病気の赤ちゃんの温度をチェックします
●写真はイメージです
cassinga/gettyimages

小児科医として、長年ママ・パパと赤ちゃんを支えてきた陽ちゃん先生。今回のテーマは、日々の診療の中で聞かれることも多い“風邪のブツブツ”のこと。陽ちゃん先生がママ・パパに伝えたいこととは―――?

赤ちゃん、ママやパパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の印象深いできごとをつづります。先生は育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍中です。「小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより」#40

実は多い「風邪のブツブツ」や「不明なウイルスによるブツブツ」

赤ちゃんの皮膚にブツブツが出ていて受診した経験はありませんか?

ブツブツにはいろいろな種類があります。身体に出ている赤みやまだらは、すべて皮疹(ひしん)と呼びます。その中でも湿疹(しっしん)は、赤みが限局的であって、身体の中から出なく、皮膚の病気として出ているものを指します。一方、身体に病気があって、その症状として出ている場合に発疹(ほっしん)と呼びます。医師は、皮疹、発疹、湿疹という言葉をあまり厳格にわけて使わないこともあります。

赤ちゃんの体幹に皮疹が出ていて診察を受けたら、医師から「風邪のブツブツでしょう」「不明なウイルスによるブツブツですね」と言われることがあるかもしれません。
そのときにママ・パパは「へえー風邪でブツブツが出るんですか」とけげんな顔をされます。
発熱したり、のどが赤くなったりするときに、同時に体幹に皮疹が出ることは多くあります。

病名がついていない病気のほうが多いのです

体幹に皮疹が出る病気の中には、病名がはっきりついているものもあります。麻疹(ましん)や水痘(すいとう)など、体幹に皮疹が出るものの中でも重症になりそうなものには、名前がついています。

微熱があったり、のどが赤くなったりしていて、皮疹が出るのに、病名がついていないという病気のほうが実は多いのです。

そんなときに医師はママ・パパに「風邪のブツブツ」と伝えることがあります。医師同士であれば、「そのほかのウイルス性発疹症」という言い方をしますので、そのほうが正しい表現かもしれません。
そのほかのウイルスというのは、かかると皮疹を含めてさまざまな症状を引き起こすけれど、麻疹や風疹(ふうしん)、ロタウイルスやRSウイルス、アデノウイルスなどの有名なウイルスではないということです。

検査してウイルスを特定することが重要ではない理由

「なぜ検査をして、原因のウイルスを特定してくれないのか」と思うママ・パパもいるかもしれません。

たしかに、血液や、のどや鼻の奥を綿棒でこすって採取した鼻汁などを検査施設に検査に出すと、原因のウイルスがわかるかもしれません。しかし、それには1週間以上かかり、結果が出るころには、病気は治っていることが多いものです。


また、ほとんどのウイルス性の病気には特効薬がなく、ウイルスの種類がわかったからといって、治療法は変わらないのです。基本的には、症状をやわらげる対症療法になります。そう考えると、時間をかけてウイルス検査を行う意味はあまりないでしょう。

ですから、医師は重症化の心配が少ない症状に対しては、時間がかかるこのような検査をせずに、「そのほかの不明なウイルスによる皮疹です。特別な治療は必要なさそうです」と結論づけます。

せきや発熱などの今ある症状に対しての薬が出されることもあります。

「風邪のブツブツ」のときは、発熱も皮疹も、多くの場合は、数日で軽くなってくると思います。


文・監修/吉永陽一郎先生 構成/たまひよONLINE編集部   

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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