産後からはじめるフェムゾーンケア。フェムゾーンアドバイザー・高林さんに聞く!
最近話題の「フェムケア」を知っていますか? フェムとは、腟、大陰唇、小陰唇、尿道、肛門、骨盤底筋を含む、女性のデリケートゾーンのこと。これまで「おまた」と呼ばれ、恥ずかしい部位としてタブー視されてきました。ところが、女性の意識が変わった今では、健康維持や美容のために積極的なフェムケアがすすめられるように。とくに産後すぐはフェムゾーンを意識することが多い時期。今こそ、ケアを始めるチャンスです。フェムケアの専門家である高林さんにケアのポイントをうかがいました。
産後を機にフェムゾーンのケアを始めましょう!
生理、妊娠・出産、更年期と、女性と深い関わりがあるフェムゾーン。この部位は構造が複雑で皮膚も薄いため、ムレやかゆみなどのトラブルが起こりがちです。とくに腟は、40才ごろから女性ホルモンが急激に減少する影響で乾燥しやすくなり、トラブルも増えてきます。フェムゾーンを覆う骨盤底筋も筋力が低下し、それが尿漏れの原因になることも。そんなトラブルを予防して快適に過ごすために、フェムケアはとても大切です。ケアのポイントは清潔と保湿。産後すぐから清潔に保つケアから始め、1カ月健診で医師からOKが出たら、保湿ケアをプラスしましょう。
悪露のケアは清潔が第一!ショーツはしめつけないものに
常にフェムゾーンに悪露が触れていてトラブルが起こりやすい時期。むくみや傷もあるので、産褥パッドはやわらかくて肌にやさしいものを選び、こまめに替えましょう。産褥ショーツは、やわらかい素材でゆったりしたデザインのものがおすすめ。悪露が減ってきたら、吸水ショーツ+生理用パッドに替えても。
トイレではこすらず、軽く押しぶきして、水分をふき取って
会陰に傷があるこの時期は、トイレ後のケアに清浄綿を使うのがおすすめ。トイレットペーパーより摩擦が少なく、肌に刺激を与えず汚れを拭き取ることができます。傷が治ったら、フェムゾーン専用のミストタイプのオイルなどで、トイレの都度、保湿ケアをするとベター。
※清浄綿はトイレットペーパーなどに包んで、汚物入れに捨てましょう。便器には流さないでください。
入浴時、よく泡立てたソープで洗い、 シャワーは直接当てない
腟まわりの粘膜はpH値が低いので、フェムゾーン用のソープがおすすめ。よく泡立て、泡でフェムゾーンをなでるようにして洗いましょう。洗い終えたら、直接シャワーを当てずに、手のひらでお湯を受けて、バシャバシャと洗い流して。傷が治ったら、フェムケア専用のオイルなどで保湿するといいでしょう。
フェムゾーンは女性の人生を支える大切な部位。顔のお手入れと同様にフェムケアを習慣にすることは、自分の体をいたわり、人生を大切にすることにもつながります。専用グッズはドラッグストアなどで購入することができます。
監修/高林裕果さん イラスト/南 夏希 取材・文/高橋裕子
【PROFILE】
高林裕果さん Glad 代表取締役社長
看護師キャリア20年。患者さんの排泄介助を通して、女性のデリケートゾーンのケアの重要性に気づく。結婚退職後Gladを設立。腟ケア商品やダンストレーニング「フェムダン」を開発するなど、フェムケアの大切さを発信し続けています。
参考/『初めてのひよこクラブ』2022年秋号「産んだあとのママの体、この先、どうなる?」
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
『初めてのひよこクラブ』2022年秋号には、「産んだあとのママの体、この先、どうなる?」特集があります。心と体に起こる変化が大きいのは産後1カ月間。産後の体と心がどのように変わっていったのか、3人のママのリポートを紹介しています。